魔法少女、誕生 Part.24
前回投稿した『Part.23』の続きをお届けします。
それではごゆっくりご覧下さい。
「あれ?もしかしてクロード、『ショタ萌え』の意味知らないの?」
「え?あ、はい・・・。」
真琴と智史が困惑する傍ら、話の流れがおかしな方へ向かっている事に全く気付いていない様子の実季。
そんな中、正面に居るクロードが戸惑った反応を示しながらも『ショタ萌え』という言葉を認知していなかった事実を受けその事に関しての説明を始めようとする。
「良いよ、じゃぁ私が教えてあげる。」
つい先日、SNSを介して得た知識を披露したくて仕方が無い実季ではあったがそんな友人によるこれ以上の暴走を阻止すべく真琴はクロードへこんな質問を投げ掛けた。
「ああそうだ、クロードくん!私、今ふと思ったんだけどあなた普段、自炊とかしてるの!?」
「い、いきなりどうしました真琴さん!?」
「ちょ、真琴!今、私がクロードに『ショタ萌え』の意味を教えようとしてるのに。」
今まさにその知識を披露しようとした実季に割り込む形でクロードへと尋ね掛ける真琴。
突然の真琴の言動に意表を突かれたクロードの隣で説明を阻まれてしまった実季は不満そうに彼女へ向け反論するのだった。
「あ、いや。住んでるところに関しては『ワンルーム カプセル』が有るから問題無いっては分かったけど、『食事とかはどうしてるのかなぁ?』って思って・・・。」
「『食事』ですか?」
「そ、それな!俺もちょうど今、その事に関して気になってたところだよ。」
話している最中に割り込まれたと思うあまり不貞腐れる実季に対し見て見ぬフリのスタンスを取る事にすると先の言葉に続ける様にしてクロードに問う真琴。
しかし、当のクロードはというとその問い掛けを投げ掛けられた事で困惑を覚えるとそれを察した智史はダメ押しの如く彼女に共感するような振る舞いを見せるのだった。
一連のやり取りを受け実季が『ショタ萌え』についての説明を諦める中、クロードは今の質問に何食わぬ顔をしながらも答えた。
「それでしたらさっき、実季さんからパンを頂きましたけど。」
食事について問われ実季から貰った吉岡パンの限定メロンパンとあんパンを口にした事を説明するクロードに3人の少年少女達は揃って微妙な表情を浮かべた。
「いや、そうじゃなくて毎食きちんと食べているのかって聞いてるのよ?」
クロードが意図するものと異なった回答をした事で眉を顰めつつ真琴は改めて尋ね返す。
「ああそういう事ですか。それでしたら大丈夫です。何せ公園内の水はタダですからね。」
「お前まさか水を飲んで空腹を紛らわせてるのか!?」
「そんな生活してたら何時か倒れちゃうよ?」
真琴からの質問の真意を理解した上で至って問題は無いと言わんばかりに答えるクロードに相反する様にして智史と実季は揃って驚いた反応を示した。
するとその心境を察知したのか今度は彼等に対し申し訳無さそうにしながらも魔法使いの少年は続ける様にして自らの意見を述べる。
「ですが今日みたいな感じで実季さんからパンを毎日貰うなんてそんな我が儘な真似出来ませんよ。」
「そうは言っても。ねぇ、智史何とかならない?」
「う~ん、食パンの耳ぐらいだったら用意出来ると思うけどなぁ。」
気の毒に思うあまりクロードに提供する食事について実季と智史が話し合う中、ふと何かに気付いた表情を浮かべると真琴は一同へ投げ掛ける様にして口を開いた。
「でも変じゃない?」
「え?」
「何がだ?」
此処までの話の流れを受け疑問を提示する真琴に実季と智史がどういう事だろうかと反応をする一方で彼女はその想いを解消すべく核心に触れ始める。
「だって、クロードくんは魔法界から来た魔法使いなのよ。なのに何で食べ物を魔法で出さないの?」
「あ~、確かに。」
「言われてみればそうだな。」
真琴の見解に感心するあまり納得した様子を見せる実季と智史。
そして、実季は何故食べるに事欠いている結果となったのかを尋ねる為、魔法使いの少年が立っている方へと視線を向けるとそこで目にしたのは顔面蒼白になりながらも身体を小刻みに震わせているクロードの姿だった。
「く、クロード。一体、どうしたの!?」
尋常ではないクロードの様子に動揺せざる得ない状況下に陥るも一先ず何事かと尋ねる実季。
それを受け智史は小声ではあるものの実季にも聞こえる程のボリュームを心掛けつつ真琴へと耳打ちする。
「おい、真琴。もしかしたらお前の言った『食べ物を魔法で出す』って魔法界では禁止されている行為なんじゃないのか?」
「ええ?それでクロードくん、あんなリアクションになった訳?」
「そうか。考えてみればそんな事をしたら悪い影響を及ぼす可能性が有るかもしれないよね。」
智史からの指摘に表情を曇らせる真琴の横で実季は『食べ物を魔法で出す』といった行為に至った際のデメリットを示唆した。
すると何やら自分に対し聞こえない様に気を配りながらも囁き声でやり取りを行う彼等に向けクロードは徐に声を掛ける。
「あなた達・・・。」
意味有り気なその呼び声に思わずギクリと肩を震わせるも下手に意識しない様、留意しつつ振り向く3人はこれから自分達へと放たれるだろうクロードの言葉に備え固唾を飲むのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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