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「V」  作者: コンブ
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2/2

2話 宣戦布告

初投稿なので拙い文章だと思いますがご容赦ください。

南の大国アルタイルは星の石板を有している。水の都とも揶揄されるこの国は、やや坂の多い立地を生かしてか至るところに川が流れている。その源流をたどるように丘を登っていけば、やがて王城が見えてくる。そしてその下流を目指せば領土の境界線となるところに広がる堀へと繋がっている。対岸までおよそ15mほど。外と往来を可能にする橋が国への入り口である門の先に本来取り付けられていたのだが、今は分断され、2人の衛兵と黒いローブを纏った大群が両者見合っているのだ。2人の衛兵の片方、ベガは術の発動準備をしていた。星の石板との契約者であるベガが使える能力は自然の操作。地形を変えたり水を操ったり強風をふかせたりすることができる。

 「シリウス、奴らがこの堀を突破する前に援軍を呼んできてほしいんだ。今ならまだ1人でも大丈夫だから。」

 「わかった、直ぐに呼んでくるよ。」

そういって彼を行かせた後、俺は術を発動させる。操るのは堀にたくさんある水。それを固めて氷とし、奴らに向けて放った。ガシャンと氷が砕ける音が響き、何人かがその場に倒れ込む。しかし、相手の軍勢はざっと300人。まだピンピンしてるやつの方が多い。すると奴らは弓を構えた。ガードするために土を操る。イメージするのは大きな壁だ。相手の弓は土の壁によって阻まれる。しばらく奴らの攻撃を防いでいるとシリウスが援軍をつれて戻ってきた。

 「軍勢の数は約300、奴らの主な攻撃手段は弓と剣、おそらく『クロノス』の使者だと思われます。」

俺は隊長に簡単な報告をする。隊長はうなずき俺たちに指示を出す。

 「地面を操作し、敵の退路を断て。」

 「了解」

隊長が堀に沿って配置させたやく50の契約者が一斉に術を行使する。奴らが打ってくる弓矢は前衛の兵士が盾となり、無効化する。奴らの軍勢を囲うように土が盛り上がり壁ができていく。そして、隊長が一言。

 「奴らに向かって水を流せ。」

 「了解」

いわゆる水攻めというやつだ。奴らの後ろは先程つくられた土壁で塞がれている。このまま水を流せば奴らは水の流れによって壁に打ち付けられるだろう。俺たちは堀にたまっているありったけの量の水を放つ。ドボーンと響く音がなり、水しぶきが散る。死んではいないものの奴らの陣形はほぼ壊滅した。これでチェックメイトだ。なんて思っていると、最初に話かけてきた少女が不気味に笑っていった。

 「すみませーん、降参しますー。隊長さん、私たちを捕らえるなり好きにしていいんでー、殺さないで欲しいなぁー」

隊長は壊れた橋まで行きなりやら話をしているようだ。その時全身が毛羽立つような、妙な感覚に包まれた。隊長が急に術を使い、橋の分断された部分に土の床をつくったのだ。

そして俺たちの方を振り向き、術を行使した。それにたちまち暗雲が立ち込め、雨が降り、風が襲い、雷鳴が轟く。何かがおかしい。そう気付いたときにはもう遅かった。


 マインドコントロール


奴らは「クロノス」の使者で間違いないと考えていた。それなのに、なぜ隊長が洗脳される可能性を考慮しなかったのか。隊長だって気を付けていたはずだ。話しているときに術にかけられたのか、それとももとから?わからないが隊長はたった今奴らのチームに加わったのだ。解決法は2つ、術者を殺すか操られた本人を殺すか。もちろん前者を選ぶ。ただ、隊長に手出しされてる状況ではあの少女を殺せない。殺しはしなくとも無力化はしないといけないだろう。

 「シリウス、隊長がコントロールされた、どうするべきだ」

俺は信頼する同僚に相談する。シリウスは少し考えて、

 「2人で隊長を倒そう」

そういって作戦を耳打ちしてきた。俺はうなずき、術を発動させる。作るのは巨大な氷。隊長がふらせた雨を集めて、氷にしていく。シリウスは岩を生成し、隊長が放つ攻撃を的確にカットしていく。さらに、シリウスは隊長に絡めるようにツタを生やした。体にまとわりつき、攻撃の妨害と拘束を同時にこなす。

 「今」

そのシリウスの号令を聞き俺はありったけの力を込めて氷を送り出す。鈍い音と共に氷が砕け、気付いたら雨がやんだ。隊長は気絶している。さて、いよいよ少女を追い詰める。俺はありったけの大きさの岩を作る。逃げ惑う少女に向かって正確に放った。ゴリュッという音がして少女は倒れた。少女にかけられた術がとけた人々は目の前に横たわる少女の無惨な姿を見て叫び逃げ惑う。


 雨が上がって空には七色の虹がかかっていたが、それを素直に喜ぶ気にはなれなかった。

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