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学園迷宮ヤンキーダンジョン ~魔王になった女子たちが仲間になりたそうにこちらを見てる~  作者: 藤原ゴンザレス


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第二十話 ラリアットとテンガロンハットだけで適当なこと言ってるよね? ねえ!

 男子どもはほとんどモンスターに変化。

 ドラゴンになった俺もか。

 で、ビーチク開発おじさんことアダムのおっさんが魔王にならないと出してくれないと。

 なんてことを考えてたら、襲撃があった。

 ゴブリン軍団だ。

 なぜか野球部のユニフォームを着てる。

 サッカー部も混じってる。

 俺は叫んだ。


「体育会系は焼却だぁーッ!」


 問答無用でドラゴンブレス。


「ジャスくん体育会系に恨みでもあるの?」


 アマモたんがまこちんに話しかける。


「ほらジャスくん背中に入れ墨あるから……昔からチームスポーツの仲間に入れてもらえなかったみたい……」


 母親のような顔でまこちんが言った。

 俺は血の涙を流す。

 野球もサッカーも一度もやったことねえぞ!

 死ね!

 チームスポーツ青春エンジョイ勢は死ね!

 う、うらやましくなんかないもん!

 海外での軍事訓練に人生無駄遣いした俺の人生返せ!

 死ね!

 ゴブリンどもを焼き払っていく。


「ぎゃあああああああああああああッ!」


 すると巨大なゴブリンがやって来た。

 と思ったら廊下でつっかえて屋上に来れない。

 もちろん焼き払う。


「ぎゃあああああああああああああッ!」


「ジャスくん圧倒的に強いじゃん」


「自分が弱いって思い込んでるだけだよ」


 それはない。

 全裸変態魔王たちと俺は違う。

 俺はまだ人間側だ。

 そう……俺は人生を逡巡していた。

 それは小学校。


正義(ジャスティス)くんが余りました。誰か班を組んであげなさい!」


 沈黙する同級生。

 教師も嫌な顔をする。

 結局廊下に席が設置された。

 いないものとして扱われた日々。

 憎い。すべてが憎い。

 その時不思議なことが起こった。


「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!」


 炎のブレスが小さくなっていく。

 小さくなるのと同時により高温に、より収束していく。


「あ、悔しさでブレスがプラズマになった」


 理系レベルの高いアマモたんが言った。


「お姉様……プラズマですわ」


「咲夜、ビームライフルみたいですわ」


「波動砲にも見えますわ」


 どうでもいい会話である。


「見て、ブレスが電撃まで」


「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!」


 俺の青春を返せ砲がゴブリンを消し炭にしていく。

 それは俺の苦渋の味だった。


「つ、強い……」


「種族として強すぎる……」


「味方でよかった……」


 ギャルたちがつぶやいた。


「うぇーい!」


 俺は手を上げる。

 野球部とサッカー部は壊滅させた。

 そもそもこの学園ではスポーツと言えば暗殺拳なのである。

 野球部もサッカー部も数は少ない。

 街亜に御留手賀に増田の三人が俺に抱きついた。


「すっごーい! えっと名前は」


正義(ジャスティス)です」


 三人の目が点になった。

 言いたいことはわかる。

 痛々しい名前だろ?

 笑えよ。


「あっはっは~。うちらと同じだぁ~」


 予想もつかない方向の笑いだった。


「あーしは下の名前、渡夢だしね」


 街亜が笑う。

 なお「ふりがな」は危険すぎてふれない。

 アマモたんの必殺技と同じだ。


「アタシなんてストリームだもんね!」


 増田もツボに入ったのか大笑い。


「あたしだって名字が御留手賀だもん! 同じだわ!」


 御留手賀がゲラ笑いした。

 どうやら彼女たちはフレンドリーな性格のようだ。

 すると街亜が俺の肩に手を回す。

 なになに?


「処女のギャルに興味ない?」


 ニコリ。

 汚い笑顔を見せる。

 なぜ答えないかって?

 アマモたんの足元が凍り付いてたから。

 パリパリ鳴りながら氷が俺の靴まで届いた。

 まこちんも翼バッサバッサ。

 慈恩姉妹も笑顔で獲物を抜いてた。

 それを見て街亜が驚く。


「え、お前らそういう関係?」


「そそそそそそそ、そういう関係じゃい!」


 アマモたん……焦るからバレるんだと思うのよ。


「なんだ……まだ誰もヤッてねえのか……てめえらそれでも東京と埼玉のゾクかよ! 恥ずかしくねえのか!」


 東京、そこは恐ろしい人外魔境。

 挨拶側おせっせのエロ漫画みたいな乱れた世界。

 ヒャッハー! 秋葉原より南は地獄だぜ!


「あの~……まこちんは暴走族じゃないヨ」


 一応訂正しとく。


「あん? なんだあの一見すると清純派っぽいのに陥没デカ乳首抱えてそうなエロオーラは……」


「あ? てめえの乳首は真っ黒だろがよ!」


 まこちんがキレた。


「やんのかてめえ!」


 やだこの娘たち……乳首で喧嘩はじめた……。

 俺がドン引きしてると別の女子たちが来る。


「あのね、街亜ちゃん、ああやって虚勢張ってるけど頼りになる男の子が来てくれて喜んでるよ」


「そう! 三人はずっと私たちをかばって戦い続けてたから……」


 どうやらオタクに優しいギャルどころではない。

 気のいい姐さんたちだったようだ。

 絶賛喧嘩してるけど。

 なんかまこちん……自分が弱いって思い込んでるけど……アマモたんや街亜ちゃんと互角に戦えてるよね。

 自分が変態側だって自覚がないんだね。

 ふふ、一般人枠のワイ氏、優しく見守ろう。


「いや、お主は人外だぞ」


 乳首魔人が現われた!


「あ、アダムしゃん!」


「ふむ。豚どもを正式に弟子にすると言いに来たが……三人も新たな魔王を配下に加えたか」


「魔王……街亜ちゃんたち魔王なの?」


「ふむ魔王だな。ミノタウルスにヨートン、それにタイタンか」


「ミノタウルスはテンガロンハット被ってラリアット得意なとこをこじつけてない?」


「なんの話だ?」


 知らんかったか。


「いや俺が悪かったッス。ねえ、おっちゃん、女子たちは?」


「ふむ、人間のままだな。出していいぞ」


「いいんかい!」


「外への影響さえなければいいのだ。魔王ほどの存在になれば理性がある。だが中途半端に化け物に堕ちたものはダメだ」


 意外にちゃんとした理由があった。

 要するに管理できない外来種お断りってことね。


「オークパイセンは?」


「今のところ理性は保っている。存在を魔王にまで高めれば危険はないだろう」


「ところでおっちゃん、帰る方法、本当に知らない?」


「ふむ……帰る方法は知らぬが。お主らが来た原因はそろそろ教えてやろうか。ここは学舎のようだな。では教師は?」


 つまりそういうことである。

 教師か職員か。

 とんでもねえバカがやらかしたわけである。

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