やっぱり!
身分証明書と手紙、さつま芋、お小遣い、水筒、筆記用具を持って準備完了。
トンネルを潜って、初めての外国?
森の中。。取り合えず道を探すか。。。
私の領地の植物と全然違うわね。調べたいけど今はここの領主様と会う事。やっと森を抜けたわ。そこから見える風景は、ヨーロッパ風景。実際には行った事はないけど。
「のぶ。どう見てもあの城だよね?」
「あー。間違いない。屋根の上の旗は、見覚えがあるぞ」
街中は、石造の建物が綺麗に並んでる。通りには、商店街やレストランがあるーー!
ゆっくり見たい気持ちを抑えて。
「農筋。気持ちは判るが仕事が早く終わればゆっくり見れるぞ」
「解ってる。領主様は、どんな人なの?」
「見た目は、ミリオタの記憶だとライオンって奴に違いぞ。しかしお前達の時代は、あんなもん飼ってるのか?」
「あー。動物園ね」
「のぶ。兵隊?が街中にも居るね?」
「いや。あれは恐らく警備兵だ」
「警備兵?それにしては、立派な鎧を着てるわね?」
「あーそうか。兵は、立派にする事によってその領地の力を示すんだよ。お前の時代もかっこいい服着た、警察?って奴や自衛隊ってのがあるだろ?それと同じよ」
「なるほどね!」
さーて。城の前に到着。緊張しますな。門番に書面を渡して、待合室に。すごい豪華。
「領主様、北のミート・フォン・オータ様と名乗られる方がお見えになっておりますが」
「ん?そんな予定、入っていないが」
「はい。しかし正式な身分証明書をお持ちで・・領主様に面会を求めています」
「確か、10歳位になってるか。会ってみるか。姫と従者を応接室へ待たせよ」
「いえ。それが姫1人でお見えです」
有り得ん。あの距離を10歳の女の子が!?それにどうやって領地に入った!?国境警備隊がミスをするとは思えない。
「のぶ。何も話せばいい?」
「お前ならいつも通りで平気さ。先ずは行儀よくだ!それにと、お前の首の裏に捕まって何かあったら話しかけるから。ちゃんと俺の通りに話せよ」
うわー。応接室は更に豪華だ。緊張する。
コンコン。きたー。
「これはこれは、わざわざ遠い道をお疲れでしょう」
「いえいえ。先ずは、突然のご訪問を謝罪致します」
「しっかりした姫様ですな。そんなに畏まらずに。私も堅苦しいのは苦手でね」
「ありがとうございます」
「今日は、何用で?」
「まず、私どもの初代のお話しです」
「初代???」
「領主様も初代と共に戦い、良い戦友だったと聞いております。そのお話をお聞きしたくて。特に初めて戦闘について」
姫は何を言っとられるのだ。話の筋が見えんが。子供ながらの興味か?まさかそんな事を聞く為にわざわざ?
「そうだなー。私が初戦闘の時は、初代を奮起させ、私が先鋒を務め共に背中をあずけ・・・」
「ふぁふぁふぁー」
「!?何処から声が!?何奴!?姿を表せ!!」
「何が奮起じゃ、先鋒だー。お主はちびっていたくせに〜」
「何故、その話を知っておる、そのはな・・待て、その声聞き覚えあるぞ!のぶだな?姿を見せろ」
ちぃんまり。
「のぶか???」「おう!」
「随分とけったいな姿だな。。その話し方は、間違いない」
「しかし何用だ?」「聞きたいことがあってな、お前説明してやれ」
私は事の経緯を話した。やはり金貨の金額は可笑しいとの事。住民1人で銀貨1枚が今年の納税分だそうだ。詰まりボッタくられてる!
この地には、帝国武官が常駐してるので、この場に呼んでくれた。武官も話が可笑しいとの事で、あくまでも推測と付け加えて、中央領の2年前に着任した武官は、帝都に居た時に、賄賂や過剰接待、闇金経営の噂があった男。確たる証拠が掴めなく逮捕にはならず中央領に飛ばされたとの事。
「ブレト殿、我が領地の正式な金額を知りたい」
「解りました。金額が解り次第、私が徴収に参りますよ」
「いや。ここで、払ったとしてもまた言い掛かりを付けてくるのは目に見えとるので、ボッタ逮捕に協力して欲しい」
「ブレト殿には、奴に勘付かれない様に証拠集めと逮捕時に同席を願いたい」
「解りました!ブレトの名のもとに!では早速」




