新たな始まり?
「みどりそれって、あの?甜菜?」
「砂糖になるわ!」
「確か、千切りにして水に茹で、煮汁を飛ばすのよね?」
「そうそう。実際には作った事ないけど」
「持って帰るわよ!」
「あとは任せた!お母さん!」
さとるは、やっと作業場に着いてた。
あちー。さっき竹もあったな。俺の理屈が正しければ、クロスボウも簡単に作れるはず。
木材と竹を組み合わせて、「クロスボウ」
ふふふ。出来た!理屈は合っていたな。
弦が無いじゃないか!無い材料は、やっぱり再現不可能。弦は何で出来てるんだ?
「鑑定」
動物の皮かー。そんなの持ってない!
「若、なーにまたやってんだ?何だこりゃ?」
「動物の皮ある?」
「うーん。弓矢を飛ばす道具か?」
「クロスボウ知ってるの?」
「いや知らん」
「何で解るのさ!?」
「見れば解るさ、本体の先にあるのはそうだな、足を引っ掛け弦を引っ張るか、そしてこのフックに掛け、ここを握りしめると弦を放す仕組みかー。すげーの考えたな」
「そこまで解るの?」
「がっははは。物作りの職人舐めるなー。ちょっと待ってろ」
「ほれ、完成じゃ。早く打ってみろ」
「こっちは、初めて使うんだ!」
(バシューン)
「おーう。的に当たったな!」
凄い威力だ。実際の弓矢は見た事ないけど。。初めて撃ったのに命中。
「まだまだ、手直ししたいがほれ!矢もミカちゃんに持っててやれ!」
「え?お前の持ってきた弓矢は、俺が作ったやつだ!あの子も大層喜んでくれてなー」
「じゃあ、見本でもう一つクロスボウ置いておくよ!もっとミカちゃんに凄いの作ってよ!」
「ふふふ。簡単に新たなもんを作っちまうとはなー。ゼナ様や、新たな時代が始まるってーのか?」
「おーい。ミカちゃん」
「あっ。お兄ちゃん」
「まず、借りた弓矢返すね」
「あとこれ!」
「なにこれ?」
「クロスボウってやつだよ」
「弓矢?」
「そうだね。見てて、ここに足を掛けて、弦を引くとここに引っかかる、そうしたら矢をここに置いて、目標に狙いを定めて、ここ握ると」(バシューン)
「私にもやらして!」(バシューン)
「当たった!ありがとう!もっと練習するね!」
「おい、おっさん!触るんじゃーねーぞ!」
「はっ、ルカさん!なんでよ!」
「何故だか解らんが、お前からは30のおっさんを感じる」
何故だ!?野生の感!?それとも猫の感!?
こえー!?
「でもありがとうな!ミカも良かったなー」
「うん」
「じゃあ、帰るよ」
「おう!」
大広間にて。
「やっと皆んな揃ったな。2人からは、帰りがけに話は聞いた」
「さとるは、何か解ったか?」
「まず自分の能力だけど、この木を見てて」
「木の剣」「おー。」
「木の剣へ変わったわね」
「さっきも木材と竹で、クロスボウを作ったよ。でも弦は、再現出来なかった。恐らく材料がなかったせいだと思う」
「クロスボウ?何で?」
「ミカちゃんにあげたのさ」
「あー。さっきの件ね」
「うん」
「気になったのは、火おこし!両手で一生懸命やっててさ、弓型で紐を使って火おこしのやり方を教えたよ」
「うーん」
「技術的に、チグハグ感があるんだよね。それとも自分達が知識を持ってるからそう感じるのかな?」
「まあ、それもあるかもな。だがやる事をやらないと!」
「お兄ちゃんさー。手押しの一輪車、とかリヤカーみたいなの作れる?」
「木材だけでのなら可能だと思う。ちょっと待ってみ。ミニチュアをこの木で作ってみよ。」
「一輪車」
「ほら、使い勝手は兎も角、出来る」
「さっきの火おこしの件なんだけど、小さな縄もってる?」
「あるけど何使うんだ?」
「ファイヤーピストンよ。あれなら持ち運びにも便利だし」
「ちょっと待てよー。あった」
「ファイヤーピストン」出来たぞ。
「木材と炭で」「鉛筆」
「これで書く事も出来るはず」




