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第十二話 スライム達の村

青スラ「そろそろ着きますよ」

ユ「んあ?」


スライムの中で寝そうになりながらも、どうにかして意識を維持し続けていたが

寝起きのような返事をしてしまった


青スラ「おはようございます」


どうやらもうそろそろ、スライムたちのいる村に着くようだ

そこの村は特殊な結界を張っていて普通の人は入れないだとか


青スラ「着きました」

ユ「出るか...」


俺たちは皆またスライムから勢いよく排出された


ユ「よし!着地できた!」

シ「良かったな」


興味なさそうな返答だった


ユ「うわっ...」

シ「...」


出るとスライム達の体の一部がくっついていた

思ったより粘着力があって振り解きにくかった


ユ「これって取れる?」

青スラ「あっ、すみません。私の一部が...」


青スラさん以外は皆もとの色のところに戻っていった

ここがスライムの村か、家がたくさん建っていて

すごい大自然に囲まれている

周りにいるのは大体、普通の丸いスライムだ


青スラ「私だけここのスライムの王様の娘です。それ以外はみんな重要な役職を持ったスライム達ですね」

ユ「ってことは王女っていうのかな?」

青スラ「そうですね」


王女とか王様とか前の世界とかでは全く関係のないような話なので

正直全く凄さがわからなかった

だから王女だとわかったとしても、へぇーと適当に返事をするしかなかった


キ「意外とすごい立場だったんだな」

シ「スライムの王女が俺たちのところに来てよかったんか?反撃されるとか考えなかったのか?」

青スラ「その時はその時と諦めることにしました」

ユ(こっちの世界の人の度胸すげ〜)


俺にはそんな度胸は無い気がする


腕を組みながらスライムの精神力に感心した


ユ「じゃあ、その館とやらに行くか」

青スラ「まずは父上のところに行きます。紹介したいので」

ユ「わかった」


俺たちは王様のいる宮殿へと向かった

向かっている間、ユート達の後ろでシューゴと青スラさんが小さい声で話していた


シ「この国の王女様がなぜ使いとしてきたんだ?あまりにも偉すぎはしないか?」

青スラ「そうですか?」


静かに相手のことを睨みながら低い声で質問をしている


シ「もう少し下の立場の人が来るかと思うが...」

青スラ「それはあなた達がすごい人だという自覚がないだけじゃないですか?」


質問を返してもらっているけど

シューゴはそれでも不満そうな顔をしていた


シ「そうか...知っているか?」

青スラ「何がでしょう?」

シ「昔から、くらいの高い相手に対して自分の娘を与えて婚姻関係を結んで力を大きくしよう、みたいな考えが多いんだよな。よく聞くだろ?他国と戦争をしたくないから、自分の...例えば、その場所で一番偉い国王の娘を差し出すとか?」

青スラ「...鋭いですね」


スライムは何か確信を突かれて驚いている様子だ

それに引き換えシューゴはちょっとニヤついていた


シ「それにその取り繕ったような笑顔。俺たちが何か願いを叶える悪魔か何かとでも思っているのか?」

青スラ「よくわかりましたね」


スライムのことを鋭く睨みながら

静かに会話を続ける


シ「それで、わざわざ俺たちの前に来たってことは、国を助けるならば王女様だとしても供物のようにして差し出すってことか?」

青スラ「….そうです。国を助けるならば私に何しても良い、と断られたときに言うつもりでしたが、その必要はありませんでしたね」


自業自得と考えていたり、もともと居た世界の環境的に優しかったりする

ので、断ることをあんまり考えていなかった


シ「それにしては、ただの国民が数匹いなくなったところで王女を供物のようにして差し出すとは...俺だったらしないな」

青スラ「優しいのですね」

シ「違う。あまりにも割に合わないってだけだ」


合理的な判断を続けてスライムの考えていることを推理している


シ「だから、おそらくこの依頼だけではなくて今後自分たちの国を守り続けてほしいという願いがあるのでは、と思っている」

青スラ「...すごいですね。むしろ、そこまで読み取られると怖いです」


本当のことだったようで、スライムはシューゴを前にして少し形が保てなくなっていた


シ「それにしても、最終手段は色仕掛けか?...ははっ」

青スラ「なんで笑ったんですか?」


シューゴは軽く笑い

作戦を笑われた青スラは少々怒り気味である


シ「他の人なら効いたかもしれないけど、あいつには体を使った色仕掛けは効かないよ。多分やってたら容赦なく殴られてたと思う。あいつが良いやつで良かったな」


静かに笑いながらちょっと小悪魔っぽいことを言っていた

シューゴ言動により、スライムからしてシューゴに黒い尻尾が生えているように見えていた


青スラ「へぇー、そうなんですね。よく村の外で人間に私目当てで狙ってくる人が多いから珍しいです」

シ「そうなのか」


なんか後ろから会話が聞こえる

よく聞こえないけど会話していることはわかる

なんか真面目な話みたいだ

顔が本気だ


歩いて数分


青スラ「ここが、王様の家です」

ユ「へぇー。ここが」


家じゃなくて、豪邸だな


シ「おじゃましま~す」

キ「邪魔するなら帰って〜」

ユ「結構前のネタを持ってくんな」

青スラ「ふふっ。にぎやかですね」


俺たちは家を歩いて王様のいる

部屋まで来た

大きいドアだな


青スラ「父上、入って良いでしょうか?」

「いいぞ」


ドアを開けると

そこには丸い青いスライムがいた

王冠をかぶっていて、少し重たそうにしていてちょっと潰れていて、形が楕円形になっている


王スラ「こいつらが、あの館を見に行ってくれるのか」

青スラ「はい」

王スラ「そうか。頼む俺達の同胞を助けてくれ」


おお、王様ってなんかそんなに頭とか下げないと思ってたけど

なんかお辞儀された

というかお辞儀したのはわかるが体が完全に丸いせいで中途半端なところがちょっと曲がっているようにも見える


ユ「おお、わかった」

シ「わかりました」

キ『王様ってこんなに素直にお願いするのかな?』

ユ『知らね』


前の世界ではこんなの居なかったからな

誰もわからん。歴史とかに詳しいヒラノならわかったかもしれん

いろいろなことを知ってるからな、あの人

そういや少しだけ気になったことがある


ユ「一つだけ聞いていいでしょうか?」

王スラ「なんだ?」

ユ「なんで、青スラさんだけ人間の形をしているんですか?」


城の中も見たが誰も青スラさんと同じように

人化しているひt...人じゃねぇわ。スライムだ


王スラ「皆人化できるけど、この丸い姿のほうが楽なだけだ」

ユ「青スラさんはずっと人化してますけど?」

王スラ「こいつは外に出て獲物を吸収しているおかげで魔力が多いんだ」


どうやら魔力で形を変えることができるらしい


王スラ「危険だから出るな、と言っているのだがな...」

青スラ「ふふっ...」


俺たちの横で王に向かって優しく微笑んでいた

微笑むのが終わるとこっちに向いてきた


青スラ「ちなみに、丸くなろうとすればすぐなれますよ」

ユ「そうなんだ」


気になったこともなくなったし、行くか


ユ「じゃあ、行こうぜ、館」

キ・シ「おー!」


三人で手を上に上げ

もう行くことにした


青スラ「ええ!?休まなくて良いんですか?」

ユ「動いて無いから体力はありあまってるし」


背筋を伸ばしてみるとバキバキと音が鳴っていた


シ「どうせ魔法で疲れなんて吹き飛ぶし」

キ「スキルを使ってもそんなに疲れないから」

ユ「ということでもう行ける」


結構驚いてるけど

本当に疲れてない


青スラ「...わかりました。では行きましょう」


ちょっと疑っているようにも見えるな

もう一度いうが本当に疲れていない


シ「俺たちだけか?」

青スラ「はい。人数が多いと感づかれると思うので」

ユ「なるほど」


そして俺たちは歩き始めた


シ『俺たちが休まないことで何か不都合でも?』

青スラ『...』


シューゴがニヤニヤしながらスライムの作戦が悉く潰されているところを眺めていた

俺たちは村から少し離れたら、大きな少し気味の悪い豪邸が見えてきた

何階建てだろう


ユ「でけぇ」

シ「貴族でもいるのかよ」

キ「おばけに物理って効くのかな?」


俺たちは豪邸の前までシューゴの潜伏魔法で近づいた

近づいたらシューゴが何か変なものを見ている


シ「なんだコレ?」

ユ「なんかあった?」


シューゴの上着の袖を腕ごと鷲掴みしながら質問した


シ「なんか気持ちの悪いものが溢れてる」

キ「そうか?俺は何も感じないけど」

ユ「俺もだ」


俺とキクチは何も見えない

シューゴだけはなにか見えているようだ


青スラ「この部屋から出ている魔力のせいでしょうね」

ユ「魔力?」

青スラ「はい。魔力は魔術師にしか見えなくて、その見えた魔力の色などでその人が使える属性がわかります」

シ「そういえば。魔導書でそんな事読んだな」


今、その内容を思い出しているようだ


青スラ「何色ですか?」

シ「紫と青だ」


そう聞くとスライムさんは少し驚いた


青スラ「二属性なんて、めったにいないのに。しかも紫ってことは死を司る魔法が使えるということじゃないですか」

ユ「なんかやばいのか?」

青スラ「死者を使って攻撃できます」

キ「てことは、あの館の周りにいる紫のスライムは死んでいる可能性があるな」


皆おばけってことか


ユ「よし!清めた塩を持っていくからな!」


俺は涙目になりながら

浄化用の塩を作ろうとした

俺は完全にビビっている

だって怖いのいやじゃん

もし誤字などがあったら教えて下さい


この話へ一言 シューゴから

シ「...腕、折れたか?」

ユ「えっ?まじ?すまん」

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