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異世界ゲート

富増とみます 恵慈尊えじそんことエージは、発明家であると同時に、世界三大財閥のなかでも最も財力があると噂されているエージャル財閥のトップでもあった。

エージは中学生でありながら、率先して研究に時間を費やしては、その発明品で利益をあげ、財閥にも富をもたらしてきた。

だがエージは重度の発明バカでもあり、危険な実験を躊躇なく行うような危なっかしい性格があった。

それでも天才的な頭脳がミスをなかなか許さなかったため、これまで何事も起こらなかったわけであるが、ある晩に人生最大にして唯一のミスを犯してしまった。


「……で、ブラックホールを造ろうとしたらなんだって?」


「その、異世界とだな。繋がってしまったのだ」


エージの話では、人工的ブラックホールの生成を試みていたところ、偶然にも異世界へと次元を超えて通り道のようなものを造ってしまったのだそうだ。


「僕は落ち込むどころか予想外の結果に浮かれていた。まず僕は私財をはたいて数人雇うと、異世界へと調査にいかせた」


「ところが、帰ってきたのは1人だけで、青い鉱石をリュックに詰めて逃げてきていたと」


「うん。話を聞くと、そいつは見つけた鉱石を地球で売れば大儲けと考えたらしく、調査隊から抜け出してきたそうだ。ところが、遠くのほうで調査隊の悲鳴が聞こえてきて、全力で一人帰還したってわけだ」


「我が思うに、相当の屑だな」


「僕もアレを見なければ、そう思っていたかもね」


「アレ?」


「その青い鉱石を持ち帰ってきた奴の後に、招かれざる客が一匹迷い込んできたのさ」


「まさか……」


「そう。モンスターだよ」


僕はごくりと唾を飲んだ。

これが本当ならすごい話だ。


「僕は急いでブラックホール生成機の電源を切ると、モンスターを開発中の小型荷電粒子砲で倒したってわけさ」


「……さらっと小型の荷電粒子砲がでてくるあたり、お前って頭いいんだなぁ」


「うん?なにを今更。僕は天才だよ?」


「まあいいや。でもそんな貴重な鉱石をこの鎧に使っちまったのか」


「……いやぁ、実はあの後もう一度ゲート開けて、青い鉱石取りに行かせたんだよね」


「はあ!?」


「小型荷電粒子砲があれば大丈夫だと思ったんだよ」


「たしかに、人ひとりが背負ってこれる量の鉱石でこの鎧造るにはどう考えても不足してるもんな」


「それでね、どうもゲート先がダンジョンっぽいんだよね。マッピングもほぼ終わってるし、戦闘データを取りたいんだよね」

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