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アルバイトを完遂せよ-30

 魔術師バルナスの魔法講義も終わり、受講者はポーションを飲んだ。たちまち眼が虚ろになり口も半開きになっていく。その様子を見て取ったバルナスが、呪文の詠唱を開始した。

『万物の根源たるマナよ。3本の光の矢となりて 我が敵を射抜け……』

 バルナスの身体の前に、3本の光の矢が現れた。あとは呪文名(コマンドワード)を口にすれはせ終わりである。

『エネルギー・ボルト』

 エネルギー・ボルトの呪文は問題なく発動し、目標に着弾した。なんの備えも無く魔法の直撃を受けた3人は、きれいに吹っ飛んでいく。

「着弾を確認。解毒と回復を」

 冒険者の店の親父が控えていたプリーストに声をかけ、プリースト達は決められた手順に従い、呪文を唱えていく。まずは解毒魔法でポーションの効果を打ち消す。感覚が戻ると同時に痛覚が繋がったのだろう。3人は苦痛のうめき声を上げていた。その状態で回復魔法により、負ったダメージを回復させていく。


 3人の解毒と回復が終わり、プリースト達が離れた。最初の陣形に戻り、再び対峙する2チーム。戦士と神官戦士は、ものすごい形相でこちらを睨み付けていた。

「これより、2発目の魔法被弾講習に入る」

 冒険者の店の親父が、講習開始の合図を出そうとしていた。

「さきほども言ったが、もう一度くりかえす。2発目は実戦形式となるが、相手を殺すことが目的では無いのを忘れないように」

 双方を見回し、軽く肩をすくめた。

「始め」


 “始め”の合図で戦士と神官戦士が剣を振りかざして突っ込んできた。戦士レイブンとドワーフのガロンは盾を使って攻撃を受け流し、剣とメイスで反撃する。この2人、通常は盾を装備していないのだが、今回の壁役は盾無しでは厳しいので、急遽購入したのである。


「そこを退けっ!!」

「邪悪な魔術師に、正義の鉄槌を下さねばなりません。道をあけなさい!!」

 勝手なことを言い放つ2人に対し、レイブンとガロンは冷静に言い返す。

「退けと言われて、退けるかよ」

「良い魔術師には、良い護衛が付いているものじゃ。彼に攻撃を届かせたければ、ワシらを抜いてみるんじゃな」

 前衛同士の激突は、激しさを増した。

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