3 文明の階段
「平和とは、圧倒的な力によって成り立つ」
エンペラーを中心に、我々が議論した結果はこのようなものでした。私達がどれだけ平和を望もうと、冷徹な侵略者は神の加護を打ち破って村を壊し尽くす。ならば、侵略者の洗練された“剣”を超越する力を持てば、侵略者は私達の村に怯え、村には平穏が訪れる、と。
最初にその意見を言い出した村人は、相当の批判を受けました。我々は平和を求めているのに、力を持てばそれは平和じゃなくなるじゃないか!とかなんとか。ですが他に良い意見も出なかったようで。さらにエンペラーからの「神に縋るという最後の望みに賭ける前に、我々自身でできることがある」というお墨付きをもらったので、この意見が通りました。
あ、ちなみにその意見言い出したの私なんですよ。フフ、私偉くないですか?
……すいません。行き過ぎた冗談でしたね。
まあそれはともかく、そうと決まれば、力の育成です。1年ほど前に来た小規模の侵略で、侵略者は逃走したのですが、その時彼らは“剣”を置いていきました。村長の大蔵にしまわれていたのですが、それを取り出して“剣”の原料を調べると、どうやら近くの山を掘り進めた先の岩、その名も“鉄鉱”と同じものらしいのです。早速幾らかの鉄鉱を持ってきて、“剣”と同じようなものを作ってもらったんですが、蓋を開けてみるとあら不思議。“剣”よりもよく切れるではありませんか。後でわかったことなのですが、この村の近くの鉄鉱は非常に良質なものらしく、世界一と言われているだとか。
モノはできたんですけど、それを扱える強靭な人がいない!次の段階、部隊を作ることです。
人の集まりは非常によいものでした。皆さん、やはり侵略者のこと、根に持っているようなので、快く参加してくれました。みなさん口々に、親の仇を打つ云々、ですからね。
集まったといえど、私達は“剣”の使い方を知りませんので、手探りで調べたのですが、どうやら田を耕す時の姿勢と同じよう。ならば容易い、と、人々は技術を身に付け、上達の速い者は教練者になりました。
攻めではなく、守りも必要だ。鉄鉱はあまり多くないようにも見えますので、節約のためにいかだに使う木材を立てて、簡単な柵を作りました。その上、了望塔という、偵察と防衛を同時に行える高い建物を作ることに。狩りに使っていた木の矢の先を鉄鉱で固め、それを塔の上から放つ力は絶大でした。さらに毒を塗れば、威嚇以上に役立つ兵器となりました。
私達の村では馬はいないので、しょうがなく歩兵主体となったのですが、馬に対応できるようにと、様々な馬殺しの策を考えていました。それらのことは彼らに任せたので、よくはわからないのですが…
そして、力を育み続けて数年。
ついに、時は私達に試練を与えました。
1年ぶりだぁ




