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キスをする5秒前~kiss.kiss.kiss~  作者: 夏野 みかん
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【閑話  2】 女性弁護士 Rさんは思った。

どうやら…話はついたようだな。

うまくいくか、どうかまでは、責任は負えないが…まぁいい感じみたいじゃないか。


まぁ…あとはがんばれ、ボンボン。


これで、ボンボンの長年の悩みが、ちょっとは軽くなったろうから。成功報酬&弁護料の代わりに…働けと言ってこき使おう。うんうん、いい駒を手に入れたぜ。


さぁて…そうのんびりもできないな。

樹を剣も盾も不十分のままで、九尾の狐に対峙させたから…そろそろ撤退だな。


だが少しは、ばあさんも動揺したろう。今まで、面と向かって宣戦布告した奴はいなかっただろうしなぁ。それも…いちばん恐れていた樹が、堂々と反旗を翻したんだから、そりゃ…ドッキドキだろう。


では…樹と一緒にばあさんを脅しに行くか。


あっ!その前に、あたしもエネルギーを充電すっか!

このスマホの向こうにいるあいつから、元気と勇気を貰わないとな。


「大吾。」


『理香ちゃん?!なにかあった?葉月ちゃんがまだ帰って来ないの?』


ごめんな…葉月の事を内緒にして。




「あぁ…悪い、あたしがちょっと用事を頼んだんだ。」


『そう、それならいいの。葉月ちゃん、久住さんのことで泣いていたから…心配だったの。』


相変わらず…おまえは優しいよな。




「大丈夫だ。樹が…いろいろ乗り越えて、葉月の元へ行ってくれると思う。まぁ…そのいろいろが…超大変なんだけどな。」


『理香ちゃん…』


「なんだ?!」


『なにか…あった?』


「えっ?」


『なんとなくなんだけど…ちょっと…』


そう、大吾だけだ。あたしの中の微妙な心の動きを読めるのは…

こいつと…いつまで一緒にいられるかなぁ。

一緒にいたいなぁ、友達という立場でも…この際我慢するから


クスッ…


なんでこんな事思うんだろう…あたしらしくないよな…笑える。

いつもぶち当たって行くあたしなのに。


「なぁ…大吾。」


久住のばあさん相手に、あたしごときが持てる剣はない。捨て身しかない。

弁護士はやめるしかないな。いや…その前にクビかな。あの所長、結構ビビリだからなぁ。


『…やっぱりなにか…』


「なんにもねぇーよ。お前は、昔から心配性だよな。」


『嘘…!理香ちゃん、なんか変だもの。』


「ひでぇーな。この理香さんにそんな事を言えるのは、お前だけだぞ。他の奴らが言ったら…タダではすまねぇところだぞ。」


『…特別ってこと?』


「あぁ…大吾はあたしの特別。」


惚れてる男だ。


『じゃぁ聞かせて、いったいどうしたの?特別なら…あたしに聞かせて。理香ちゃんはあたしにとっても特別なのよ。だから、お願い。』


そんな事…言うなよ。

今日のあたしは、気弱なんだよ。信じられないだろうけど、気弱なんだから、特別なんて言われたら…頼りたくなるじゃんか…。


『理香ちゃん言って』



「弁護士…さ、結構…好きな仕事なんだ。」


あっ…つい、ポロッと心の声がでちゃったよ。


今からあのばあさんに脅迫じみた事を言おうと考えている。

でも、そんなあたしに、あのばあさんは黙ってはいないだろう。いろいろな圧力をかけてくるだろう。


そして、それは…どこまで及ぶかわからない…。

だがあのばあさんなら、どうすれば人をどん底に落とせるか、やり方を知っている。

どん底に落としたい人物の周りの大事な人達を、まず先に落として行くってことだ。


法曹界から身を引くことだけで、両親や大吾の壁になれるかはわからないけど…直撃は免れるかもしれないから…辞めようと思っている。


大吾…

でも…ちょっぴり寂しいんだ。この仕事…好きだったから



『どういう意味?』



あたしの好きなものは、仕事とおまえだ。そのひとつを失うと思うと…なんだか寂しくて、心細くて…なぁ…大吾。

「なぁ大吾…仕事をあたしが辞めることになったら……おまえの嫁にしてくれないか?」


『理香ちゃん?!!』


「料理、洗濯、掃除、ぜんぜんダメだけど…、性格もちょぃ問題ありだけど……なんかますます落ち込むよな。はぁ~何言ってんだろう。悪い…今、不安定な状態らしい。」


『…料理、洗濯、掃除…あたしは得意よ。そのちょぃ問題ありの性格も…あたしは素敵だと思うわ。』



大吾?



『だから…理香ちゃんが大好きな仕事を、もう満足って思って辞めるんだったら…いいわよ。』


「行く!惚れてる男が自分のところに、嫁に来いって言ってんだから、行くにきまってる。」


『り、理香ちゃん?!』


「なんだよ。返品不可だぞ!」


『だ、だって…ほ、惚れてるって、理香ちゃんが…』


「あたしは、昔から大吾に惚れてたよ。おまえは…そういう意味で言ったんじゃないのか?おまえは…あたしと同じじゃないのか?違うのか?」


『そ、そう言う意味!!同じ!!同じよ!』


「じゃぁ、おまえはあたしに惚れてんだな。」


『うん。』


「なんだよ…大吾もあたしに惚れているんだったら…もっと早く言ってれば良かった。

なぁ…大吾、仕事を片付けたらすぐ戻る。だから、帰ったらキスしような!」


『り、り、り…りかちゃん~!!』


「よっしゃ…元気と勇気と…愛をもらいました!これでHPは満タン、やれそうだぜ。」


『…うん。』


「じゃぁ、ちょっくら行ってくる。妖怪退治に」


『理香ちゃん…』


「帰ったら、キスな。」


『り、理香ちゃん!!』



さて、行きますか。早く終わらせないと、大吾が待っているからな。


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