最終話 気ままな旅
「うん。いい感じ」
「イリスの銃たちよぉ~」
「以前より軽いな」
今日。レオンたちに新しく調整された武器と洋服を渡された。シルヴィの細剣は、綺麗に磨がれ、イリスのライフルとリボルバーは、一見変わっていないように見えるがイリスが言うには、違うらしい。フィオナの大量のナイフは、一本一本が軽量化されそれを収納していたマントも、以前より多く入るようになっていた。
「これでどうかなレオン」
「はい。十分です王様。ありがとうございます」
「うむ。レオンは、本当にいいのか武器は?」
「はい。この刀は、大丈夫です。自分は、洋服だけで満足です」
「そうか。……今後のお主らの旅が無事なことを祈っておるぞ」
「レオン」
中庭を横切ろうとした時アレシアに呼び止められた。
「アレシア姫。何ですか?」
「お父上から聞きました。旅の準備が出来たとか」
「はい。明日の朝に出発しようと思います」
明日出発と聞いて寂しそうな顔になるアレシア。何かを言おうと口を動かすが声が出ない、拳をギューッと握って。
「私の婚約者になって!」
やっと出たその声は、辺りに響き渡った。
「え、あ、えっと。……今なんと」
「だから、私の婚約者になってください!」
もう一度確認したレオンは、首を横に振った。
「それは、出来ません」
「どうして!」
「俺なんかがアレシア姫の婚約者なんて……駄目ですよ。アレシア姫には、立派な人が必ずいますよ」
すると、アレシアがレオンの胸にポカポカと叩く。
「バカです。レオンは、バカなのです」
「今更気がついたんですか?」
レオンからパッと離れてどこかに行ってしまった。その後ろ姿をただ見ていたレオン。
そして、翌朝。お城の入り口。すべての支度を済ませたレオンたち。
「色々お世話になりました」
レオンたちの出発に王様をはじめ、兵士たち、メイドたち城にいるすべての人たちがレオンたちの出発を見送りにきていた。もちろんアレシアも。
「気をつけてな」
「はい」
レオンと王様がガッチリと固い握手をした。後ろを振りかえりながら手を振ると、みんなが手を振りかえしてくれた。
城と町を繋ぐ長い道を歩く。レオンの後ろをシルヴィ、イリス、フィオナが横に並んで歩く。
「今、何か聞こえなかった?」
不意にイリスが言った。
「いや、何も」
「……待って!!」
歩いてきた方から誰かがこちらに走って来た。目を細めてようく見るとそれは、アレシアだった。息を切らせながらレオンたちの元に来ると、四角い小さな箱をレオンに渡した。
「あ、開けて」
その箱を開けると中には、指輪が入っていた。
「こ、婚約者が駄目なら、婚約者候補じゃ駄目かな?」
「な、何故指輪なんですか?」
「どうしてもそれを渡したかったから。今度レオンたちがここに戻ってきた時に聞かせて、私と結婚するかしないか。……レオンが私と結婚しないのならそれを返して」
「……分かりました。旅をしながらゆっくり考えておきます」
「絶対よ」
そう言ってアレシアは、レオンの口にキスをした。
「私は、レオンが好きなんだからね」
顔を赤く染めながらアレシアは、戻って行った。
「……」
呆然と立ち尽くすレオンに三人が。
「マスターの唇を奪っていった!」
「意外と姫様大胆だな」
「レ、レオン様大丈夫ですか」
ハッと我に返るレオン。
「さ、さぁ。行こうか」
動揺を隠せてないレオンの後ろをついて行く三人。
「マスターを好きなるなんて姫様も分かってるな~。将来だれと結婚するのかな?姫様?マリカ様?ユリエ様?気になるなぁ~」
「マリカ様とユリエ様って?」
「イリスたちが住んでる町でね。マスターのことが好きな人たちだよ」
「へぇ~」
「イリス!」
「いいじゃん!」
「すいませんレオン様」
「いいよ」
「あ、そうだ。レオン殿。雷鳴との時一緒に来たシャールが言ってました。どこかで会ったら酒を飲もうって」
「そうか。それは、飲みたいな」
他愛もない話をしているといつの間にか、町の門に到着した。
「レオン様。これからどこに行くんですか?また海を渡るんですか?」
「あえて屋敷に戻ったりして」
「もう少しこの辺を回って見たりは?」
三人がレオンに聞く。
「そうだな~。とりあえず気ままに行こう!」
「はい!召使いの私は、何処でもご一緒にします」
「イリスもいいよ~」
「レオン殿について行くだけです」
「うん!よろしくなみんな」
目的先を決めない気ままな旅がまた始まる。
皆さんこんにちは、@ナイトホークです。
無事に4作目を終えることが出来ました。読んで下さった方ありがとうございました。
毎度のことですが誤字なのがたくさんあって、読みづらいときもあったと思います。すいませんでした。時間がありましたら修正しようと思います。
大変でしたが無事に終わることが出来て良かったです。
やっぱり慣れてないのを書くのは、難しかったです。
感想、評価などありましたらよろしくお願いします。
それでは、また会える日を楽しみにしています。