32 残ってもいいんだぞ?
翌日。王の間に呼ばれたレオンは、王様を前にして片足を床をつけて頭を下げる。シルヴィ、イリス、フィオナは、中に入らず外で待機している。
「頭を上げてレオン」
椅子に座っている王様の隣に立つアレシアが言った。チラリと目線を上げると王様も頷いていた。スッと立ち上がる。
「レオン・カーティス。娘アレシアを救ってくれて感謝している」
「いえ、当然の事をしただけです」
「我々も兵士を出して捜索に出していたのだが、見当違いだったみたいでな……左腕は、どうだ?」
「はい、まだうまく動かせませんが大丈夫だと思います」
「そうか。本当は、もっと感謝の気持ちを表したいのだが……」
「いえいえ、この左腕だけで十分です」
「うむ。お主。アレシアに聞いたのだが旅の途中らしいが、これからどうするのだ?」
「準備が整えば今すぐにでもここから離れます。行先は、決めていません」
「ならお主とその仲間たちの武器や服は、こちらが整えらせる。万全と状態で出発できるように。それくらいこちらにやらせておくれ」
「……分かりました。ありがとうございます」
「それまでもう少しここで休むといい」
「はい、それでは、失礼します」
一礼をし部屋から出て行ったレオン。
「いい青年ではないか。アレシア」
「はい、お父上」
その日の夜。レオンは、部屋にフィオナを呼んだ。
「レオン殿。話とは?」
「うん。フィオナ。お前は、これからどうする?」
「質問の意味が分かりません」
「フィオナは、まだ17歳だ。俺といるよりもっといいことあると思うんだ。シルヴィやイリスは、俺の召使いだから一緒にいるけどフィオナは、違うだろ?」
「……」
「ここ王都に残って暮したらどうだ?」
「嫌です!私は、レオン殿と一緒にいたいんです!レオン殿の傍が私の帰る場所なんです!一緒に行けないなら召使いにしてください!」
ものすごい剣幕でレオンに詰め寄るフィオナ。
「王都に残ったら一人になるじゃないですか!……お願いですからもう私を一人にしないでください」
「……フィオナ」
――コンコン。不意にドアがノックされて入って来たのは、シルヴィとイリスだった。
「いいじゃないですかレオン様」
「そうそう」
「二人とも」
「レオン様の気持ちも分かりますが本人がそう言ってるんですから」
「多い方が旅も楽しいよぉ」
「フィオナは、これから先一緒にいたいんだな?」
「はい!」
「分かった。じゃあ四人で旅を続けよう。てか、二人は、よく話が聞こえてたな」




