31 一か月
「……ん。ここは」
レオンが目を覚ますと大きなベットの上だった。周りを見ると部屋の大きさに少し驚いた。
「あれ、左腕がある」
失ったはずの左腕があることに気がついた。着ていた服も新品に取りかえられていた。とりあえずベットから降りて部屋から出てみる。
部屋を出ると大きな廊下が伸びている。壁の周りには、色んな装飾品が埋め込まれている。窓の外を見るとレオンがいるところが5階らしく、中庭が広がっている。
「ここ城の中か……おっ」
下を見ると中庭でシルヴィたちを確認。
「みんな元気そうだな」
「来い!フィオナ!」
「負けない!」
中庭でシルヴィとフィオナが剣を交えていて、その二人を少し離れたところから見守るイリス。
「そこだ!」
「甘いっ!」
フィオナの仕掛けをヒラリとかわしてシルヴィが剣を下から上に振るうと、フィオナの剣は、弾かれ上空を舞いクルクルと落ちてきて地面に突き刺さった。
「はい、そこまでだ」
二人の手合せに拍手をしながらレオンが中庭にやって来た。
「レオン様!」
「マスター!」
「レオン殿!」
三人は、レオンの元に小走りでやって来た。イリスがレオンに飛びついて抱きしめる。
「イリス。あんまり強く抱きしめないで痛いよ」
「わ~マスターだ」
レオンの胸元に自分の顔をスリスリとこすり付ける。
「コラッ|イリス止めなさい」
「む~。シルヴィのヤキモチ屋」
「だ、誰がヤキモチ屋だ!」
「まぁまぁ。落ちつけ二人とも」
中庭にあるベンチに座るレオン。その目の前に三人が並ぶ。
「俺は、どれくらい眠ってたんだ?」
「約一か月です」
「一か月……この左腕は?」
「姫様のお父上。つまりここの王様。キメルト・ミル・バロッタ王が数十人の義手を呼んで作らせたんだよ。マスター」
「なるほど。……まだ、上手く動かせないな」
「でもよかった。もしかしたらこのままレオン殿が眠り続けちゃうって思ってたから」
「沢山心配かけてすまなかった」
頭を下げるレオンに止めてくださいと慌てる三人。
「召使いの私たちに頭を下げないでください!」
「そ、そうだよマスター!」
「私は、召使いじゃないけどレオン殿に頭を下げられると困ります!」
スッと立ち上がると三人をまとめて抱きしめるレオン。
「なななな何を!」
顔を真っ赤にするシルヴィ。
「わ~い。マスター」
喜ぶイリス。
「全くレオン殿は」
嬉しそうなフィオナ。
「俺を支えてくれてありがとう」




