24 死なないよ
「GO!」
イリスの合図で一列に並んだシルヴィたちが走り出した。スピードを落さず一気に雷鳴の一団がいるところへ。
「おい!何か来るぞ!」
一人の下っ端がシルヴィたちに気がつき指をさす。
「あの後ろにいるマントを付けてる奴アレシア姫だ!あいつらを捕まえろ!」
誰よりも早くアレシアと気がついたのは、雷鳴のリーダー、バルゾフだった。下っ端たちは、武器を手に取りシルヴィたちを向かい討つ態勢に入った。それを見た真ん中にいたイリスが、リボルバーを雷鳴たち向ける。
――バン!バン!バン!バン!。四発発砲した。すると、雷鳴の一団を白い煙が包み込んだ。そして、シルヴィたちは、その煙に突入した。時々、男の悲鳴が聞こえる。それは、シルヴィが目の前に現れた男たち倒しているからだ。止まることなくスピードも落ちずに煙を抜けた。
「行って!フィオナ!」
煙を抜けるとシルヴィとイリスは、くるっと回れ右をしてその場に残った。
「死ぬなよ二人とも!」
振りかえらずそのまま走りって行くフィオナ。再びリボルバーを向けておまけと言って三発発砲した。
まだ、煙が晴れずにその中で雷鳴たちの声が聞こえる。それを少し離れたところから見ているシルヴィとイリス。
「買っておいて良かった煙弾」
「キルトで買ったの?」
「うん。面白いと思って」
「イリスにしては、良かったんじゃない今回」
「シルヴィに言われてもなぁ~」
「レオン様なら褒めてたんじゃないかな」
「それならいいんだけど」
「……ねぇ。イリス。私が死んだらさ。屋敷にレオン様のお墓作ってあげて。それで、その隣に私のも」
「バカ。それは、イリスも同じ」
お互いの顔を見て笑い合う。
「じゃ、二人死んだらどうするの?」
「フィオナにお願いしよう」
「死んだあとじゃ駄目じゃん!教えないと!てか、屋敷の場所知らないし」
「そうだな。でも、フィオナなら分かると私は思う」
次第に煙が晴れてきた。シルヴィとイリスを見つけたバルゾフ。
「そこの女ども!アレシア姫をどこにやった!」
「姫様ならとっくに行ってしまった」
「残念でした~。バ~カ~」
「この野郎!殺せ!」
こっちに押し寄せてくる雷鳴の一団。
「イリス!最初から全力でいくよ!」
「すぐに疲れないでよね」
「そっちこそ弾切れは、やめてよね」