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16 レオンの涙


翌。キルトの町は、雨だった。空は、どんよりとした暗い雨雲に覆われている。窓から外を見ても昨日までの活気はなく、人があまり歩いていない。朝からレオン、フィオナの二人は、部屋からいなくなっていた。

「二人はどこに行ったのでしょう」

「フィオナは、恐らく雷鳴の情報を探しに行ってるんだと思います」

「じゃあ、レオンは?」

「……レオン様は恐らく」

それ以上何も言わないシルヴィにアレシアは、首かしげた。イリスに同じように聞いたがイリスも何も言わなかった」

 その時だった。ガチャッと部屋の扉が開き雨でびしょびしょに濡れたフィオナが戻ってきた。

「レオン殿はいるか!?」

息が切れていて急いでるのが分かる。

「レオン様は、まだ帰って来てない」

「クソッ」

「とりあえず落ち着いて下さい。イリスさん拭く物を貰ってきてもらってもいい?」

「は~い」


濡れた服を脱いでタオルで体を覆う。

「それでフィオナ何があったの?」

「雷鳴の一団の居場所が分かった」

テーブルに地図を広げる。

「ここがキルトで西の門を出るとすぐに二本道に分かれてるんだけど、右の道約10キロほどのとこに雷鳴の一団がいる」

「そうか。じゃ、分かれ道の所でこっちの左に行くとどうなるの?」

「左の道を行くと洞窟があってその先に村がある」

「ってことは、この洞窟に行く道だな」

「確かにそうだけどこの洞窟は、足場が悪いしいつ崩れてもおかしくない」

シルヴィとフィオナがルート確認していると隣のレオンの部屋の扉が閉まる音が聞こえた。

「レオン殿帰ってきたか。さっそく話を」

立ち上がるフィオナの腕をガシッと掴むシルヴィ。

「待った。今日は、一人にしてあげてくれ」

「どうしてだ!」

「行けば分かる」


レオンの扉の前で四人が立つ。

――コンコン。シルヴィが扉をノックする。

「レオン様。入りますよ」

ゆっくり扉を開くとレオンもびしょびしょに濡れて窓の近くの椅子に座って。

「れ、レオン殿?」

泣いていた。号泣ではないがすすり泣き。

「……レオン様。大丈夫ですよ」

ゆっくり近づいていくシルヴィ。そして、座っているレオンの後ろから優しく抱きしめる。

「あなたは、一人じゃないですよ」

「い、いったいどいう」

スッとイリスがタオルを持ってそれを頭にかける。

「マスター。風邪ひくから拭こうね」

「イリス。今回は、私に任せて」

「分かった。あの二人には、イリスが話しておくよ」

「ありがとう」


部屋に戻ったイリスたち。

「マスターの両親は、雨が強い日に亡くなってね。それでいつも雨が降ると両親のことを思い出しちゃって、いつも一人で泣いてるの。雨の日いつの間にか屋敷からいなくなってて、戻ってくるとさっきみたいにズブ濡れ。イリスたちマスターが寂しくならないように朝まで傍にいてあげてるの」

「……レオンは、弱いのね」

「いつもは、優しく強いけど本当は、弱くて孤独なの。この旅は、自分を変えたいから始めたんじゃないのかなってイリスは、思うんだ」


身体を吹いてタオルで包み、一緒にベットで横になるシルヴィ。自分の胸元にレオンを押し当て頭を優しく撫でる。

「さぁ、レオン様。今日は、私が朝まで一緒に居ますから安心して眠ってください。次、目が覚める頃雨は止んでいますよきっと」

愛おしく抱きしめる。まるで恋人のようだ。

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