表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48歳、6億当たったら人生が壊れた件 〜底辺おじさんと国民的アイドルの秘密の恋〜  作者: れいじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/37

第22話 違和感の正体

第22話を読んでいただきありがとうございます。


今回は、これまでの流れの中で感じていた“違和感”に、

少しずつ向き合っていく回になります。


まだはっきりとは見えませんが、

何かが変わり始めている——


そんな空気を感じていただけたら嬉しいです。

事務所の空気は、重かった。


 いつもの喧騒が消えている。


 誰も、大きな声を出さない。


 静かな緊張だけが残っていた。


「……容体は?」


 黒沢恒一が低く聞く。


 佐倉が短く答える。


「命に別状はない」


「でも、しばらくは現場復帰は無理」


「……そうか」


 それだけで十分だった。


 最悪は避けられた。


 だが。


 何もなかったわけじゃない。


 確実に、何かが起きた。


 レイナは、少し離れた場所で座っていた。


 スマホを見ている。


 だが、画面はほとんど動いていない。


「……大丈夫か」


 恒一が声をかける。


「……うん」


 小さく答える。


 だが、その声には力がなかった。


「ごめん」


 ぽつりとこぼす。


「私のせいかもしれない」


「違うだろ」


 すぐに否定する。


「関係ねぇよ」


 そう言いながら。


 自分の中に、引っかかるものがある。


 消えない違和感。


 あの瞬間。


 静寂。


 歪み。


 そして。


 事故。


 頭の中で、ゆっくりと繋がり始める。


(……いや、まさか)


 否定する。


 だが。


 消えない。


 むしろ、強くなる。


「……黒沢?」


 レイナが見る。


 何かを感じ取ったように。


「……なんでもねぇ」


 そう答える。


 だが。


 その言葉は、自分に向けたものでもあった。



 夜。


 一人。


 恒一は、部屋にいた。


 静かな空間。


 テレビもつけていない。


 ただ、考えている。


 これまでの流れ。


 最初の当たり。


 そのあと。


 何度も当ててきた。


 だが。


(……何も起きてなかった)


 そう思っていた。


 だが、本当にそうか。


 思い返す。


 レイナと出会ってから。


 うまくいき始めた。


 流れが変わった。


 だが。


 その裏で。


 何もなかったのか。


(……いや)


 小さく息を吐く。


 完全に“何もない”わけじゃない。


 細かい違和感。


 気づかないレベルのズレ。


 それが、積み重なっていた気がする。


 そして。


 今日。


 初めて。


 はっきりと形になった。


 事故。


「……」


 目を閉じる。


 思い出す。


 あの瞬間。


 当たった瞬間。


 音が消えた。


 時間がズレた。


 あの感覚。


(……関係あるのか)


 問いかける。


 答えは出ない。


 だが。


 ひとつだけ、確かなことがある。


(……今までと違う)


 今回だけ、明らかに違う。


 理由。


 それを考える。


 何が違った。


 これまでと。


 今回。


「……」


 ゆっくりと整理する。


 これまで。


 使ってきた。


 だが。


 意識はしていなかった。


 流れに乗っていた。


 自然に。


 だが、今回は違う。


(……自分のために使った)


 その事実が、残る。


 事務所のため。


 レイナのため。


 そう言い聞かせた。


 だが。


 本当は違う。


 自分が楽になるため。


 それが、一番近い。


「……」


 胸の奥が、重くなる。


 もし。


 もしそれが原因なら。


 もし。


 何かの“代償”だとしたら。


「……ふざけんな」


 思わず声が出る。


 そんなもの、あるわけがない。


 都合が良すぎる。


 ありえない。


 だが。


 否定しきれない。


 あの感覚。


 あのタイミング。


 あまりにも、出来すぎている。


「……」


 スマホを手に取る。


 過去の履歴。


 レース。


 結果。


 すべてを見返す。


 そして。


 気づく。


 共通点。


 いや。


 違い。


 今回だけ。


 明確に違う。


「……マジかよ」


 小さくつぶやく。


 まだ、確信じゃない。


 ただの仮説。


 だが。


 もしこれが本当なら。


 この力は。


 ただの“幸運”じゃない。


 何かと引き換えにしている。


 その可能性がある。


 部屋の中が、やけに静かに感じる。


 さっきの静寂を思い出す。


 音が消えた瞬間。


 あの違和感。


 そして。


 事故。


(……繋がってるのか)


 答えは、まだ出ない。


 だが。


 もう、無視はできなかった。


第22話を読んでいただきありがとうございました。


順調だったはずの流れの中に現れた、わずかなズレ。

そして、それを無視できなくなった恒一。


まだ答えは出ていません。

ですが、確実に何かが繋がり始めています。


この違和感の正体は何なのか。

そして、この力は本当に“幸運”なのか——


物語はここから、さらに核心へと近づいていきます。


よろしければブックマークや評価、感想をいただけると励みになります。

引き続きよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ