表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界に転移したら、俺だけ世界設定に存在しなかった』  作者: 一ノ瀬 律
八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
178/280

第177話 外圧が心を揺らす瞬間

 外圧の影が空気の層をなぞったあと、その痕跡は消えずに残り続けた。

残った痕跡は、ただの影ではなく、世界の内側に“触れた感覚”を刻みつけているような、そんな奇妙な重さを持っていた。


 その重さは、誰かの心を選んでいるわけではなく、複数の心の奥に同時に沈み込んでいった。

沈み込むたびに、心の形がわずかに揺れ、揺れた部分が世界の層に反応していた。


 リーナはその揺れに気づき、胸の奥を押さえた。


「……心が……勝手に揺れてる……誰かに触られたわけじゃないのに……外側の圧が……心の奥に入り込んでる……そんな感じ……」


 カイはゆっくりと周囲を見渡した。その瞳は、空気の奥の揺れを追うように揺れていた。


「……心って……自分の意思じゃない揺れ方するときあるよな……でも……外側の圧が入ってきたなら……それはもう自分だけの揺れじゃない……誰かがその揺れに気づいてる……そんな気配がする……」


 影は短く言った。


「外圧が心層に浸透している。」


 アークは空気の奥を見つめながら、眉をひそめた。


「浸透……ってことは……外側の存在が……心の中にまで入り込んでるってことか……」


 リーナは息を飲んだ。


「入り込む……世界の外側の何かが……私たちの心の形を変えようとしてるってこと……?」


 セイルは揺れの中心を見つめたまま、静かに言葉を落とした。


「変えようとしているというより……確かめている。」


 その声は説明ではなく、ただ“見えているもの”をそのまま言っただけのようだった。


 リーナは小さく瞬きをした。


「確かめてる……ってことは……外側の存在が……心のどこが動くのか見てるんだ……」


 カイはゆっくりと息を吸った。その表情は、どこか不安と期待が混ざっていた。


「……心の動きって……自分でもわからないときあるよな……でも……外側の存在が確かめてるってことは……世界が次の段階へ進む準備をしてるんだろうな……誰かがその中心にいる……そんな気配がする……」


 リーナはその言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。


「……確かめられるって……怖いけど……でも……それって……世界が私たちを選んでるってことだよね……」


 アークは腕を組みながら言った。


「心が確かめられると……奥が反応する。反応した部分が……その人の“外圧への耐性”になる。世界は……その耐性を見てる。」


 影は短く頷いた。


「耐性が変動している。」


 その瞬間、空気の中で“外圧の揺れ”が一段階強くなった。

それは光でも影でもなく、ただ、世界の外側の存在が心の奥を確かめ、その結果が空気の層に反映されているような、そんな感触だった。


 その感触は、まるで見えない指先が心の輪郭を押し、その押された部分がわずかに沈むような、そんな奇妙な広がり方をしていた。


 リーナは胸の奥が熱くなるのを止められなかった。


「……沈んでる……誰かの心の形が……外圧に触れられて……変わり始めてる……」


 カイはゆっくりと目を閉じた。


「……心って……外側から押された瞬間に……自分の形を変えるよな……誰かがその変化の真ん中にいる……そんな気配がする……」


 アークは揺れの中心を見つめながら言った。


「この変化……ひとりじゃない。複数の心が同時に“外圧の揺れ”に触れられてる。世界がそれを受け止めてる。」


 影は静かに言った。


「形が……再調整されている。」


 空気の中で、複数の心がそれぞれの新しい形を見つめていた。

その見つめ方は、これまでのどの現象とも違い、ただ静かで、しかし確かな意志を持っていた。


 その意志は、まるで外圧が押した揺れが未来の奥へ向かって伸び、その揺れが新しい心の形を描き始めるような、そんな新しい広がり方をしていた。


 空気が静かに沈み、次の段階が近づいていることを示していた。


 外圧の揺れが心の奥へ沈んでいくにつれ、空気の中に“別の層”が浮かび上がり始めた。

それは光でも影でもなく、ただ、世界の外側から押された圧が心の形を変えたことで生まれた“新しい内側の層”だった。


 その層は薄く、しかし確かに存在し、複数の心の近くで静かに震えていた。

震えるたびに、心の奥がわずかに反応し、その反応が空気の層に伝わっていった。


 リーナはその震えに気づき、胸の奥を押さえた。


「……何かが……心のすぐ近くにできてる……外圧に触れられたせいで……心の形が変わって……新しい層が生まれてる……そんな感じ……」


 カイはゆっくりと周囲を見渡した。その瞳は、空気の奥の震えを追うように揺れていた。


「……心って……変わるときに層ができるよな……でも……外側の圧が原因でできた層って……自分の意思じゃない……誰かがその層を見てる……そんな気配がする……」


 影は短く言った。


「新層が形成されている。」


 アークは空気の奥を見つめながら、眉をひそめた。


「新層……ってことは……心の形が変わった結果が……世界に反映されてるってことか……」


 リーナは息を飲んだ。


「反映……心の変化が……世界の中にそのまま出てるってこと……?」


 セイルは新層の震えを見つめたまま、静かに言葉を落とした。


「出ているというより……漏れている。」


 その声は説明ではなく、ただ“見えているもの”をそのまま言っただけのようだった。


 リーナは小さく瞬きをした。


「漏れてる……ってことは……心の奥の動きが……外側に流れ出してるんだ……」


 カイはゆっくりと息を吸った。その表情は、どこか不安と期待が混ざっていた。


「……心の奥って……普段は閉じてるよな……でも……外圧に押されたなら……閉じてた部分が開いて……中身が漏れる……誰かがその漏れた部分を感じてる……そんな気配がする……」


 リーナはその言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。


「……漏れるって……怖いけど……でも……それって……心が本当の形になろうとしてるってことだよね……」


 アークは腕を組みながら言った。


「心が漏れると……奥が反応する。反応した部分が……その人の“本質の断片”になる。世界は……その断片を見てる。」


 影は短く頷いた。


「断片が浮上している。」


 その瞬間、新層の震えが一段階強くなった。

それは光でも影でもなく、ただ、心の奥から漏れ出した断片が空気の層に触れ、その触れた部分が世界の側で反応しているような、そんな感触だった。


 その感触は、まるで見えない薄い膜が心の断片を包み、その膜が空気の中へ溶け出していくような、そんな奇妙な広がり方をしていた。


 リーナは胸の奥が熱くなるのを止められなかった。


「……溶けてる……誰かの心の断片が……空気の中に溶けて……新しい形を作り始めてる……」


 カイはゆっくりと目を閉じた。


「……心って……溶けた瞬間に……別の形を作るよな……誰かがその変化の中心にいる……そんな気配がする……」


 アークは新層の震えを見つめながら言った。


「この溶け方……ひとりじゃない。複数の心が同時に“断片の溶け出し”を起こしてる。世界がそれを受け止めてる。」


 影は静かに言った。


「形が……再生成されている。」


 空気の中で、複数の心がそれぞれの断片を見つめていた。

その見つめ方は、これまでのどの現象とも違い、ただ静かで、しかし確かな意志を持っていた。


 その意志は、まるで溶け出した断片が未来の奥へ向かって伸び、その断片が新しい心の形を描き始めるような、そんな新しい広がり方をしていた。


 空気が静かに揺れ、次の変化がすぐそこまで迫っていることを示していた。

面白いと思ったら、ページ下の【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ