0.胎動
一人称でさせてください!
お待たせいたしました。ほんとどこから手を付けるか迷っていたんですが、胎児から始まります。
地味に感じられる方もいらっしゃると思うので、その辺りは生まれるまでまだまだお待ちくださいませぇ~
それは、どこまでも心地のよい寝落ち寸前と酷似していた。
それは、起きているようで寝ている不思議な感覚だった。
それは、闇のなかで、時折、身体が軽くなる。そして瞼や身体で感じる柔らかい光だった、これは間接的なぬくもり、ぼんやりと耳の奥で聞こえるのはずっと前から知っている一定のリズム。その音に導かれるように、袋小路に迷いこんだ小さな悪魔の意識はゆっくりと今回も覚醒した。
もう何度目になるだろう?少々なら動けるようで、けれど、ぎゅっと丸まった姿勢のままブルブルと震えるのが関の山で背筋を伸ばすことはできない。もどかしくて手足を突っ張ってみても、すぐに柔らかい壁に阻まれて伸びができないのは息が詰まりそう。それに目は開いているのだろうか。呼吸はできているのだろうか。深海に潜っているようで、これが文献で読んだ大いなる母は海というものであろうか。
そんな根源的な疑問を置き去りにしたまま、私は何度も、何度も、意識を失っては呼び戻されるだけの時間を近頃は過ごしている。
時折だが、私だけの世界にいくつものノイズが混ざる時がある。
そのウチの1つはこの優しくも暖かい鼓動の外から私の手足をそっと撫でる気配。そう、、、スライムに似たアレだ、人間が好き好んでよく食べている求肥の感触を楽しむように触れるそんな触り方と思うほどに感じられる。それは押し付けがましい温もりなどではなく、私という存在をただ全肯定してくれるような、初めて感じた愛おしい手つきだ。
まったく、どこのどいつだ?この私を、求肥を扱うみたいにおそるおそる、こんなに優しく愛撫する奴らは、お団子でも丸めるようにしおってからに。
それはそうと触れてくる大きさや気配から察するに、母親の親族か、近所のガキどもが俺の生存を面白がって確かめに集まっているのだろう。触られ方によってはこそばゆいくてたまらんぞ?このままではオチオチ寝てもいられん。そうだ、魔王のやつには1歩及ばなかったが、あの時の鬱憤をこやつらで晴らしてやる!さあこの私を愚弄した罪を思い知らせてやる。私の中のもと悪魔の血(今は人間の血だ)が騒いだ。悪戯こそ我が本望と解いたり!
ヨシ、さあ今はまだ驚いた姿を見ることはできぬが覚悟するといい。
1人テンションが上がり奇々怪界と私は撫でられている手のひらの位置とタイミングを見計らってココゾというタイミングで、小さな足を思いきり突っ張った。乾坤一擲のキック(胎動)だ。このケリを食らったものはしばらく動けない。
──トンーー
柔らかい壁の向こうで触っていたであろう大中小の人間たちが「うわっ、びっくりした〜!」「元気いっぱぁい!」と、触れようとした正体であろうガキどもの騒がしい歓声と、親族たちの破顔した気配が母体からもダイレクトに伝わってくる。
驚かすを通り越してしまったようで、彼らは大喜びでさらに優しく、よりいやらしく私の足を外から撫で回してきた。そのいやしい手つきから伝わってくるのは、私の誕生を心から待ち望んでいるという慈愛なのだろう
(ふん、、、調子が狂うな。人間ってやつは……)
私はロクに身動きの取れないこの小さなもどかしい暗闇のなかで、きっと人知れず口元を緩めていただろう。これほど熱烈に歓迎されているのなら、生まれた時に配下に加えてやっても悪くはない。弄ぶガキどもの正体を拝むその時まで、もう一時この不自由な揺り籠を渋々楽しんでやることにした。
現在就職活動も動画づくりもしておりますが、いかんせん手ごたえがないので息抜きに小説再開させていただきました。
めちゃくちゃ今後出てくるであろう師匠とか出会いに力注ぎまくっていたのですぅが、何歳からの話で始める?か葛藤も有、就活も有、子育ても、家族サービスも、
みんなが通っている道をのんびり疾走しております (笑)
この7月にブックマークしてくれた方ありがと~~
初ですよ
仮に誤操作でつけてしまったとしても私は忘れません。一生の宝物です(♪一番の宝物♪)




