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一人目

五話くらいで完結予定です。

お気に召したら評価、ブクマ等よろしくお願いします。


 僕は高校二年生になったばかり。


 実は今、復讐したい人間が三人いる。

 いや、本当は四人なのだが、今の時点では三人でいいだろう。


 臆病な僕は今までずっと逃げ腰で何もできずにいた。

 あいつらを殺してやりたい、或いは僕が消えてなくなろうか、と考えた事もある。


 だがそのどれも、結果は最悪だ。

 僕以外の残された人間も最悪だ。


 僕の人生において、最高な形で結果を残したい。

 そこでこれからの人生を有意義なものにする為、長い計画を立てた。

 あいつらへの復讐を一年掛けて実行するのだ。


 だが、それには今後一年間の猶予が必要だ。

 誰にも悟られず、知られず、着々と遂行する必要がある。


 そして高校を卒業する際には胸を張って、正門を出て行くのだ。

 過去の自分にサヨナラする為にも。




 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆




 目標というのは本当に厄介だ。

 こんな僕にもあっさりクリアできてしまうのだから。


 この一年間、朝から朝まで……つまり、寝る間を惜しんだ。


 母親からは毎日何をしているのかと不審に思われていたようだが、関係ない。


 とりあえず部屋を漁られたくないので、ドアに鍵をつけた。

 元々、内鍵のついた部屋だったのに壊れてしまい、鍵無しで過ごしていたのだ。

 そこで変に内鍵をつけ直して母親に怪しまれても面倒なので留守にする時だけ、外鍵をして出掛けるようにした。


『勝手に部屋に入られたくないから』


 その一言だけで理解してもらえたようだ。

 思春期の男子あるあるというやつなのだろう。 実際はそんな色気づいたものではなかったが。


 アルバイトも始めた。


『欲しいゲームがあるから小遣いを稼ぐ』


 母親世代にはそんな理由でじゅうぶんだった。


『ゲーム機を揃えるのは物凄くお金が掛かるんだ』


 ゲームなんて全くわからない僕の母親だから通用したのかもわからないが。


 ただ、高校生のアルバイトなんてレベルは今の僕には物足りない。 こんな金額では全く足りないのだ。

 そこで僕にしかできない、高校生の僕にもできるアルバイトを始めた。

 もちろん健全な内容で、危ないものではない。

 これが意外と収入になり、一年間でかなりの額になった。


 毎日毎日眠くても、あいつらの顔を浮かべたらやる気が沸々とわいて頑張れた。

 夜な夜な、机に向かって想像すると可笑しくて仕方なかった。

 多分、こんな自分を誰かが見たら気味悪いと思っただろう。


 そして大事なのが、事前の下調べだ。


 復讐するにおいて、あいつらの行動を知らなければ意味がない。

 これも長い期間、一歩一歩念入りに調べた。

 おかげで思わぬ情報まで手に入ったのはラッキーと言えるだろう。


 とにかくこの一年間、長かった。 いや、あっという間だったかもしれない。

 する事が多すぎて寝る暇が無さすぎて、一年後の僕は過労でダウンし、復讐するどころではないのではないか、とも思えるほどだったからだ。



 そして一年が経ち、僕は高校三年生に進級した。


 高校生活、残り一年。

 ここからが本当の勝負だ。


 来春、卒業する時のあいつらの顔がどんな風に歪むのか、今から楽しみだ。



 ☆ ☆ ☆



 僕にはいじめっ子の同級生がいる。

 正確に言うと、僕がいじめられているのだ。


 別にトイレに閉じ込められるとか、教科書や上靴を隠されるとか、そんなやり方ではない。

 あいつのいじめ方は単純で、金を巻き上げるのだ。

 小遣いが足りないのか、使い方が荒いのか、僕に貸せと要求する。 その金額は、万単位だ。

 僕が金が無いと言うと、家の金なり盗むなり何でもして持って来いと言う。

 挙げ句、母親に夜の仕事に行かせろと言うのだ。

 金が欲しければ自分で稼げと思ったが、その気はないらしい。

 腹が煮え繰り返りそうだったが、逆に利用する事にした。


 その同級生には取り巻きが二人いる。

 どんな弱味を握られているのか知らないが、彼に逆らえない二人はいつも言いなりだ。


 例えば父親が上司と部下の間柄とか先輩後輩とか、そんな程度かと思ったが、どうやら違っていた。


 それを知った僕は一人で大笑い。

 こいつら、馬鹿だ。 大馬鹿だ。


 だから僕の最初の標的は、中心人物のいじめっ子一人に決まった。

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