第30話 再会
「これより、即位の礼を始めます」
京都市の昼の熱い空気の中に、ある男性の声が響き渡った。
王族ならば戴冠式、皇族ならば即位の礼といったところだろう。
そして、今代の天皇は崩御していない。彼の娘が後を継ぐのである。
天皇になると、龍の加護をいただき、次代の天皇に移るまで所有権は今代の天皇にある。そして今、今代の天皇が龍の加護を娘を渡す会を開いている。
天皇には神の名が与えられる。
今代の天皇は須佐之男命。
「始めに国歌斉唱」
「続いては次代天皇即位式」
「あやめ、ちゃんっ!!」
会場内に1人の少女の声が響いた。
会場はざわつく。
邪魔された少女は怒るわけでもなく、ただ息を呑んだ。
ー櫻様櫻様
一気に愛焦がれる。
ーさくら、さま
一生会うことがないと思っていた少女が、そこにいる。
ーごめんな、さい…
喜びよりも先にごめんなさいの言葉がくる。
「……」
「……あやめ…ちゃん…?…あっ、あやめちゃんじゃないよ、ね、ごめんね、ごめんね、えらいひとなるんだね
櫻は泣きそうな顔で言った。
ーさくらさまさく、ら、さま
「ちが…」
「星華ッ!」
少女の父親は睨んでいた。
いつもなら怯んで何もできずに終わるけれど、今は言わなければいけない。
「須佐之男っ」
「恥晒しな。お父様と呼びなさい」
「今のこの国の長は私だっ」
須佐之男命は怯んだ。
ーしめた
「さくら、さまっ」
「あやめ、ちゃんっ!!」
「はぁっはぁっ、櫻ちゃん、待っ…え、あやめ…さん…?」
朝日の声など耳に届く暇もなく、櫻とあやめは見つめあっていた。
もっと近づきたい。でも迷惑になるだらう。
そんな気持ちで見つめあっている。
「瞬間移動」
「……っ!」
「さあ、椿ちゃん、お母さんについてきなさい」
櫻とあやめの間に1人の女性が現れた。
櫻ちゃんの言葉の変なところはわざとです
最近投稿できてなくてすみませんでしたーっ




