↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
季節はめぐる  作者: 明月莉婭
春のソナタ
PR
40/46

第26話 "秋"の脅かし

 水風湖白(みずかぜこはく)、陽虫朝日(ひむしあさひ)、花舞櫻(はなまいさくら)は今日も北に向かっていた。

 エゾより南、下総半島に晴れの家はある。


「あさひさん、こはくさん、あそこにおんなのこ、いるよ」

「ん、どこどこ?」

「あ、あそこ」

「んん、ほんとだ」

「くるまいす、だね」

「車椅子?うーんうーん、誰か車椅子の人いたようないなかったような…」

「あ、七宮花奏(ななみやかなで)さんじゃない?」

「あー!!そうそう、その子その子」

「ななみや、かなで、さん?」

「うん、曇りの女の子、だったよね?」

「うん」

「…あ、」

「どした?」

「かなでさん、くるまいす…?」

「そうだけど…」

「まえ、あきのとこいたときにみました」

「あー、花奏さんって秋の護衛官の娘らしいよね〜」

「曇りの神になる可能性も秋の神になる可能性もたったとか…」

「うんうん、でもあたし、あんま話したことないなあ。こはちゃんは?」

「うーん、こはもあんま話したことないかも。なんかお母さんが怖くて近寄れなかった気がする…」

「あーね、お母さん怖いよね」

「うんうん」

「それで…あの子はどうする?」

「もちろんたすけよう、よ」


 櫻は車椅子の少女に近づいた。


「てつだいましょう、か?」


 振り向いた少女は、思い浮かんだ少女と重なった。



      * * *



「  」


 静かな車内。


 春になったばかりの外は見えず、薄暗く感じる。


 車内には冬主従、冬御用達運転手、そして秋の護衛官がいた。




 数日前のこと。


『白城(しらぎ)様、冷寒(れいかん)様、"秋"にきていただけませんか?』


 秋の護衛官から電話が来て、何だろうと思いながら取ってみれば、開口一番こう言われた。


『秋は今、雪に狙われ始めています。助けて、いただけませんか?』

『…秋は雪と接触したと聞いた』


 言葉を選びながら、白城は言う。


『ええ、その通りです』


 相手は悪びることなく肯定した。


『なら、なぜ"冬"に助けを求める?"夏"や"春"もいるだろう』

『"冬"は"春"と仲がいいと聞きました。"春"は"夏"とも仲良くしているようですので、最悪他の季節につながるかと思ったまでです』


ー思惑があるようでない、か


『"春"なら1発で済むだろ』

『そうですね』


ーなんだ、この女は


『そのとおりです』


 得体の知れない何かが襲ってきているような感覚がした。


『私についてきていただけますか?』


 秋の護衛官は冬の神に銃口を向けた。

 あってはならないことだ。


『奪い取って撃つこともできますよね?でも、貴方様はそうなさらない』


 全てを読まれているような言葉にぞっとする。


『私は秋と夏と曇、三つの御家と関わりがあります』


 ただの女が「怖い」。


『ついてきてくださいますか?』


 女は不気味な笑いを浮かべた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。