四日目 やっぱりあなたが
陽香は待っていた。
秀と陽香、いつもどっちが先に来るかと言われれば、五分五分である。
しかし、いつもの時間になっても来ない。
なぜ来ないのか考えていると、1つ思い当たるのことがあった。
端道 燐だ。
中学校時代もいつの間にか一緒に遊んでいたが、改めて見ると、秀のタイプすぎる。
あのダウナーな感じと頭を撫でられる身長差、ゲームの好みも合っている。バッチリ、秀のタイプだ。
約束をしてるわけでは無いので、燐と先に行ってしまったのかもしれないと想像を巡らせていると、スマホが鳴る。
ラインを見てみると、秀から熱が出たらしく、今日は休むということだった。
休むときは結構早めに言ってくれるので、相当辛いのだろう。
そして、陽香は一人で学校へ歩き始めた。
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スラッとした手足とキリっとした目元の乗町 進乃はいつものように自転車に乗っていた。
すると、陽香がトボトボと一人で歩いているのが見えた。
進乃は、自転車を降り、後ろからゆっくりと音を立てずに近づき、そして、後ろから肩に手を置く。
「おはよう!陽香」
すると、陽香は驚いたような様子を見せず、ただ後ろを向いて、おはようと言ってくる。
「どうした、陽香?また喧嘩か?」
秀と陽香は度々喧嘩をするが、高校に入り、陽香に仲直りするように説得するのはいつも進乃であった。ちなみにそれが嫌という訳では無く、むしろ、おもしろいとすら思っている。
「いや、そうじゃないんだけど……」
陽香は、ゴニョゴニョとしながら言う。
進乃は、1年足らずの経験からぶつかった拍子にキスしたみたいな感じの進展があったのかと察する。
「なんだい、なんだい?何かあったなら進乃さんが相談に乗ってあげるよ!」
進乃は興味が抑えられず、愉悦した声で言う。
「それがね………」
陽香は話し始めた。
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学校までもう少しぐらいの距離で陽香の話は終わった。
「そうか、つまり、後輩に秀が取られるかもしれないということか。」
「違っ!………違わないけど…」
陽香は、咄嗟に否定しようとするが、思い返すとそんな感じだったと思い、言い直す。
「陽香と秀には小学校から高校までの十数年の絆があるんだろう。なら、問題ないさ。私の目から見ると秀は100%陽香のことが好きだぞ。」
「でもさ。十数年友達だから、恋愛相手として見れないとか、違う人が好きになるとかあるんじゃないの?」
「ふむ。」
進乃は、何も言えなかった。それは、陽香と秀が付き合っていない原因はそこにあるとも言えるからだった。
進乃は、たまに陽香にどこまで進んでいるのか聞いてみたりしているが、その成果のすべてが軽度のスキンシップであり、幼馴染なら子供の頃に一緒にお風呂入るぐらいしているだろうと思っている進乃にとっては、なぜそうなるのか訳がわからなかった。
「そうだ!試してみればいいじゃないか!」
進乃は画期的なアイデアを思いつく。
「試してみる?」
「あぁ、女として見られているのか気になるんだろう。
そして、秀は今熱を出し、弱っている!チャンスじゃないか!あぁそうだ!学校が終わったら、時間はあるか?」
「あるけど………?」
「よかった!ちょっと先に行くから!」
「え?」
困惑する陽香を置いて、進乃は自転車に乗り、立ちこぎをして、最高速度で学校へ向かって行こうとすると、急ブレーキをして、こっちを向くと
「あと秀に今日、親いるのか聞いておいてくれ!」
そんなことを言い捨てて、進乃は学校へと向かって行ってしまった。




