二日目 テスト返しの日には
「いってきます。」
いつもと同じようにそう言って家を出た。土日を挟んで月曜日、今日はテスト返しのはずだ。中学のときよりテストを返すのが早くてめちゃくちゃ驚いていた記憶がまだある。
そして、いつものように十字路に着く。そこにはもう陽香がいた。
「今日は早いな。」
いつものように制服を着ている。いつも思ってしまうのだが、足を出していて寒くはないのだろうか。まぁ、そこを指摘したら変な目で見られそうなので言わないが。
「でしょ。ちょっと早起きして。」
「なんでだ?」
俺の記憶が正しいなら、あんまり陽香は早起きを得意としていないと思うのだが。
「別にいいでしょ。」
まぁいいや。別に早起きして悪いことなどないかな。
「じゃ、行くぞ。」
十字路から歩き始めた。
「そういえばテストはどうだった?」
テストがあった日はその話をするなオーラに気圧され、言ってはいなかったが、土日を挟んだ今なら大丈夫だろう。
「う、うえ、う、う、うえ」
駄目らしい。向上心しかない化け物となっている。
「赤点になりそうなのか。」
「え?いや。赤点。とかない。うん。うん。」
手を組んで頷いている。つまり駄目らしい。
「まぁ、駄目だったら駄目だったで教えてやるから」
すると、陽香は驚いた様子で「えっ、いいの?」と言った。
「別にテスト前に教えてるんだから変わらないだろ。」
陽香は喜んでいたが、少し落ちこんでいたような気もした。
学校まで後10分くらいの地点で陽香が突然つついてきた。
「なんだよ。」
「うーん、いや、部活どうかなって。」
この学校の部活はあまり多くないが、俺は剣道部、陽香はテニス部に入っている。
「どうかなって?別にあんまり変わってないぞ。」
「いや、新入部員とかって?」
「まだ、学校始まったばかりだぞ。新入部員とかいるわけないだろ。」
「それもそうだよね。でも、…まあいいや。」
「あっ、そうだ。ねえ、今日お昼一緒に食べない?」
「別にいいが、どうしてだ?いつも友達と食べてるのに。あっ、さてはもう勉強を教えてほしいのか?」
陽香がそんな殊勝なわけないのだが、
「いや、えっと。じゃ、またあそこの階段でね!!」
顔を赤くしながら、陽香はもう近くにあった。校舎へ駆け出していってしまった。
次回、一つの刺激




