第一話
これはギャグではありません!!
ホラーです!!
誰が何と言おうとギャグではありません!
そこはとある世界にある、とある国にある、とあるジャングルにある、とある施設。
そこには人間でありながら人間でない者たちが生活していた。いや人間だったというほうが正しいのかもしれない。
その者達は屍と呼ばれてガリ……プギャー!m9(;Д;)プギャー! 舌! 舌噛んだ! イタッ! イッタ!
あーやっぱ俺には無理だわ。丁寧語なんて似合わん。よし! 口調を戻していこう。
そいつらは屍と呼ばれていてだな。姿、形は確かに人間そのものだがそいつらが明らかに人間と違うのは体が取れやすいっということだ。少しの衝撃を加えられても手がポロリ、足がゴロリ時には頭が外れてしまうことだってある。プラモじゃねえぞ。
だがそんなことこいつらにとっては些細なこと。大丈夫だ問題ないこいつらには尋常ではない超再生力があるからだ。この能力はそこらへんの単細胞生物も真っ青の再生力は例え手が捥げようが、足が捥げようが首が飛ぼうが、体がミンチになろうが、瞬きする一瞬のうちに見た目全く変わらない姿に再生するのだ。そしてこれはそんな人間のような人間じゃない種族の悲しいお話。はじまりはじまり。(●´艸`)
そのジャングルの施設には約1000人の屍が集められて……いや……軟禁させられているといったほうが正しいな。
しかしそんな屍の施設にも普通の人間の姿もある。そいつは屍1000人を監視するために送られた一般人である。
いや、こいつを普通の人間と定義すると今の人間は全て腐っていることになる。名前は山田哲郎(神の視点命名)現在40歳、独身、職業監視員という名の自宅警備員、もちろん童貞。まぁここは人生のダメ人間の廃棄場も兼ねているからそんな奴しかいないのはしょうがない。
その山田がここに勤めて? すでに20年の月日が流れているがやった仕事といえばガンプラ作りオンリーだ。しかも終始その手からガンプラを手放さないというガンプラマニアだ。今は最大のガンプラであるデンドロビウム(3つ目)を鋭意製作中だ。だがこの山田自分の仕事はきちんとこなす珍しいダメ人間なのだ。仕事をしてるんならダメではないのではないかだって? 違う違う。ダメな人間は例え仕事していてもダメなんだ。
それにこいつが仕事をこなしている理由が仕事しないとガンプラが貰えないというどうしようもなくダメな理由だからだ。まぁこいつにとっては死活問題だろうが……(´Д`)=З
いつものように山田が食堂で屍と離れた席で一人黙々とガンプラ雑誌を読みながら食べていて(メニューはクロワッサンにサラダ、目玉焼き。普通にうまそう)目玉焼きに醤油をかけて食べようとした瞬間男の屍がその手を掴み、話しもといいちゃもんをつけてきた。
「おいおい。山田さんよ目玉焼きにはソースだろ。なぁみんな?」
食堂にいた男女全ての屍が首を縦に振った。その何人かが強く振り過ぎてポロリと落としたが問題ない。どうやら屍の好みは似通ってるらしい。山田は屍の手をうざったそうに払いのけ、雑誌を読む作業に戻りながら、
「お前ら悲しい奴らだよな。生まれたときからこんなとこにいるせいで味覚がおかしくなっちまったようだな」
苛立たせる声で笑いやがった。神であるはずの俺でさえもその笑い方を見た瞬間あーこいつ殴りてーと思ってしまった。右ストレートッッ!!( ●゜Д゜)━●)´Д`)・:'.がぁッ!
その気持ちは屍も同じだったらしく、
――ただ俺様と違ったのは本当に実力行使をしたことだが、
ベキッという音と、バキッという音が同時に聞こえ、数瞬後ドカンという音がした。
最初の音はもちろん屍が山田と殴り飛ばした音だ。そして次の音は殴った屍の腕が半ばからぽっきりと折れ、千切れてしまった。最後の音はぶっ飛んだ山田が壁に激突した音だ。
山田が激突した傍に屍の腕がポトリと落ちる。殴った屍はすでに腕の再生を終えていて止めと言わんばかりに再度山田の腹を殴りつける。
そして殴った屍が声高らかに宣言する。
「みんな~脱獄のときは来た! 今ここでこいつを黙らしておけば俺たちの自由は約束されたも当然だ!」
その言葉屍達はおおーと声を張り上げ、拳を天に突きだす。
「最初の仕事はこの役立たずをボコボコにするぞ!」
もう一度おおーと声を張り上げ、山田を殴り、蹴り、そのたびに腕が飛び、足が飛び、時には笑顔を湛えたままの顔が飛び(きもいよ)、そして事が済んだあとにはそこには文字通り屍の山が出来上がっていた。その姿を満足したように何度も頷きながら屍達は外に出ていく。
腕と足、時々顔という屍の山に埋まった山田は日が暮れ出したころようやくそこから這い出し、体中に体のパーツをくっつけたままガンプラを組み立て始めた。顔はボコボコに腫れ、目はマトモに開けることすらできず、体も至る所に紫に変色し、内出血をしている。そんな状態になってもガンプラを作る手をやめない。恐るべし山田のガンプラ魂!