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セツナレンサ  作者: uta
19/20

ⅩⅨ



 水溜りで溺死した人間は聞いたことがある。都会の真ん中で凍死する人間なんて聞いたことがなかった。


 降り止むことを知らない雪に浸されて、ぐっしょりと濡れたコートが重く感じられた。凍てつく仲春の風が外気に晒された肌を突き刺すたび、雪で濡れた身体が小刻みに震えた。


 空っぽになった心が、思考を止めさせる。頭がまっさらになってしまい、何も考えられなくなった。くるくると螺旋を描いて舞う雪の華が、朧気に霞む視界を覆いつくしていった。


 合格発表の掲示板の前に群がっていた人たちは、もう殆どいなくなっていた。少し離れた場所から、その光景を虚ろな瞳に映し出す。本降りになった雪の中で、僕は身動きが取れなかった。


 いや、むしろ取ろうとしなかったと言う方が正しいのかもしれない。動こうとする気力が、出来あがったそばから崩れ、深い溜め息と共にすべて抜け落ちていった。


 生きることを放棄してしまいそうになる。でも死にたいわけじゃない。そんな大仰なことではなくて、ただこの世界からふっと塵のように消えてしまいたかった。ケータイのデータみたいに自分の存在をボタンひとつであっさりと消去したかった。


 入試の合否を確認し終わった人々が、目を合わさぬようにしながら、ちらちらと好奇の視線を向けて通り過ぎる。表情を無くして、傘もささずに立ち尽くす姿は、さぞかし滑稽に映っただろう。


 突然、視界がふっと鮮明になる。降りしきる雪が止んでしまったのか、それとも僕自身がこの世界から消されてしまったのか、判断は付かなかった。ただ、後者だったら良い。そう、頭の片隅で考えていた。


――お前、大丈夫か?


 その問い掛けに促されるようにして、僕はゆっくりと顔を上げた。ぼやけてピントの合わない視界をたっぷり十秒かけて調節する。霧のかかったように視界が白んで、いつもより狭く感じられた。


 周りにあれほど溢れかえっていた人は、もう皆どこかへ消えてしまっていた。どれほどの時が過ぎ去ったのだろうか。薄暗くなり始めた空を、透明なビニル越しに見上げた。


 鈍色の空と降りしきる雪を背景に、着崩した黒い学ランを着た少年が一人立っていた。立ち尽くす僕に差し出された一本のビニル傘が、とどまることを知らずに降り続く雪を遮る。透明な傘の上に積もった雪がとけて一筋の雫となり、濡れたコンクリートの地面へ吸い込まれていく。


 返事をしようとするが、唇は凍ってしまったかのように動かない。濡れて強張った頬は、感情を何一つ描き出してくれなかった。


 沈黙が滞る中、僕は表情の消えた顔をゆっくりと縦に振った。濡れて束になった前髪から、澄んだ雫が数滴零れ落ちるのを感じた。


――ほら、どっちにする?


 傘を持っていないほうの手で、彼は上着のポケットから二本の缶を器用に取り出した。視線を合わせるように軽く腰を屈めて、救い上げるような視線で尋ねてくる。彼の首に巻いた黒いマフラーがほどけて、ぶらんと宙に垂れ下がった。


 コーヒーとミルクティの缶が、彼の手の中にすっぽりと収まっている。大きな手のひらだ、と痺れが残る頭でぼんやり思った。震える人差し指で、ゆっくりとミルクティの缶を指差した。


――オッケー、こっちな。


 雪で赤く染まった手のひらを開いてミルクティの缶を受け取った。


 僕に傘を差し出しているため、彼の髪や制服には白い雪が降り積もっていた。それを気にする素振りを見せずに、彼は垂れたマフラーを肩に掛け直した。




 渡された缶を包みこむようにして持っていると、手のひらの感覚がゆっくりと戻ってくるのを感じた。冷え切った手にミルクティの缶が痛いくらいあたたかかった。


 雪で凍える指先が缶のプルトップを開けられないでいると、彼は手にしたもう一本の缶をポケットに戻し、笑いながら僕の缶を開けてくれた。それは、自分の中に心があることを思い出させるようなあったかい笑顔だった。


 彼から手渡された缶を震える手のひらで包み込むように持ち、そっと唇をつける。あたたかなミルクティが、冷え切った身体の中へ染み渡るように広がって行き、僕はやっと息をつくことができた。温かくなった息を白く吐き出して、ゆっくりとミルクティを口に含んだ。


 一缶を僕が飲み干すまで、彼は傘をさしかけながら何も訊かずに待っていてくれた。最後に飲み込んだミルクティは、随分と冷たくなっていた。


――ここだと、雪が酷いからな。……来いよ、俺、ここの生徒なんだ。


 空っぽになった缶を僕の手から抜き取り、近くのゴミ箱へ投げ捨てた。綺麗な放物線を描いて、ゴミ箱に吸い込まれる空き缶を視線が追いかける。カラン、と高い音が響いたのと同時に、彼は僕の手首を掴んだ。突然のことに目を白黒させながらも、僕はその手を振り払えなかった。彼の手のひらの大きさに心を奪われていた。


 僕に傘を手渡し、そのまま目の前にある昇降口に向かって澱みなく歩き始める。彼に手を引かれて、濡れた傘を畳む間もなく靴を脱ぎ捨てながら校舎内へと足を踏み入れた。傘の持ち手が指先をすり抜けて、昇降口のタイルの上へと雫を跳ねさせながら落ちて行った。


 ぺたぺたと濡れた音を立てながら、靴下が廊下に足跡をつけていく。そのまま彼の速い歩調に引っ張られるようにして階段をいくつか昇り、最上階にある教室へと辿り着いた。僕等の足音と息遣いだけが、校舎の冷たい壁に木霊した。


 彼が扉のノブを回すと、そこには誰もいない薄暗がりの空間が広がっていた。初めて訪れる場所なのに、五線の入った黒板と窓際に置かれたグランドピアノを見て、すぐにそこが音楽室だと解った。


 扉の閉まる音を背中で聞いていると、きつく握られた彼の手のひらが離れ、電気と暖房のスイッチが入れられた。真っ白な明りに照らされた身体が、乾いた温風に包まれる。ピリピリと痺れる真っ赤な指先に、はぁっと息を吹きかけて、両の手を擦り合わせた。


 コートから染み出た水滴が床に水溜りを作る。ぴちょんぴちょん、と狭まる間隔にぼんやり目を落としながら重いコートを脱いだ。自然な動作で彼はそれを僕の手から受けとって、扉近くに置かれたアップライトピアノの椅子の上にそっと置いた。


 くしゅん、と僕の冷えた身体が小さなくしゃみをした。それを見た彼は急いで自分の学ランを脱ぎ、僕の肩に優しくかけてくれた。


 髪の先から水滴が零れていることに気付いた僕は、慌ててそれを脱ごうとする。そのことなどお構いなしに、彼は自分の首に巻いた黒いマフラーを外して、肩を細げに震わせる僕の首へぐるぐると巻きつけた。呆気にとられながら、面映さをごまかすようにマフラーの端を指先で遊ばせる。それは、彼の体温が伝わってくるあたたかいマフラーだった。




 ありがとう、と口にしようとしたら、彼は思い出したようにグランドピアノの脇にある扉を開いて、足早にその中へ消えてしまった。閉じられた扉の上で『音楽準備室』と書かれたプレートがゆらゆらと揺れていた。


 さっきまで感じていた空虚な想いがよみがえってくる。スイッチを消したように、世界から音と色が消えてしまった。世界で僕一人だけが取り残されてしまったような気持ちに襲われる。


 窓の外では、真っ白な雪が音を吸い込みながら舞い狂っていた。耳が痛くなるほどの静けさに包まれた部屋の片隅で、濡れねずみのまま立ち竦んでいた。


 少なくとも、あの雪に命を奪われることはなかった。そのことを思い出し、泣きたいほどの安堵に心をとかされる。濡れた胸から命の欠片が零れ落ちてしまいそうだった。自分がまだここに生きていることを確認するかのように、ぎゅっと両手で学ランの前を合わせた。


――突然一人にしちゃって、ごめんな。


 閉じられた扉から彼が戻って来る。どこかへ消えたと思っていた音や色が世界に甦るのを感じた。モノクロームの世界に取り残された僕を、彼の笑顔がふわりと包みこむ。それは、あたたかな色彩を感じさせる笑顔だった。


 突然、視界が白く覆われて、思わず肩を跳ねさせる。正面から乾いたタオルを頭に被せられた。それが彼の手だと気付いた途端に、ゆるゆると緊張がほどけていった。柔らかなタオルでわしわしと髪を拭く彼に、僕は大人しく身を任せることにした。俯いた視線の先には、髪から零れた雫と僕等の向かい合う四本の足が映った。


――……ありがとう。


 消え入りそうな声で僕は呟いた。彼の手のひらがピタリと止まって、言い難そうに口を開く。


――そっか、今日、ウチの高等部、合格発表だっけ。あー、何ていうか……ごめんな、いきなりこんな所に連れてきたりして。


――ううん、合格はできてたんだ。


――あ、ごめん。その、合格、おめでとう。


 厚手のタオル越しに、彼の手がゆっくりと動きを再開させた。鼻の奥で鋭い痺れが走るのを感じた。彼の優しさが出来たばかりの傷口に染みて切ないほどに痛んだ。


 唇を噛み締めながら垂らした両手をぎゅっと握って、その痛みに耐えようとする。心の中が言葉に出来ない気持ちでぐしゃぐしゃになり、どうしたらいいか解らなくなった。


 今から何を言えば良いか、次にどんな表情をすれば良いか、これからどこに行けば良いか、すべてが解らず、途方に暮れる僕がそこにいた。


――よしっ、髪の毛は乾いたっ。


 湿ったタオルが頭から取り去られて、蛍光灯に照らされた明るい世界が戻って来る。顔を上げて、やわらかな笑みを浮かべる彼の表情を見つめた。


 視界がぐにゃりと歪んでしまう。拳に力を入れながら、慌てて顔を背けた。


――……泣いちゃえよ。嫌なことあったならさ。


 まだ湿り気の残る髪の毛をぽんぽんと労わるように撫ぜながら、彼は囁くように言った。呼吸する度、その優しさにひりつく喉が言葉を紡ぎたいと疼いた。


――だ、大丈夫です……。あの、その……色々と、ありがとうございました。


 溢れそうな涙を押し戻すように瞬きを強く二、三回して、無理やり口元を引き上げる。下手くそな笑みを頬に張り付けたまま後ろに一歩下がって深々と腰を折った。彼の表情を見るのが怖くて、顔を上げることが出来なかった。




 初めて足を踏み入れたこの場所で、初めて言葉を交わした人の前で、情けないくらい大声を上げて泣いてしまいそうになる。差し出された優しさに甘えてしまいたかった。


 誰かに話を聞いて欲しかった。たとえ、僕のことを何一つ解ってくれなくても、僕の言葉に耳を傾けて欲しかった。


 今、この瞬間だけでいい。ほんのちょっとの間だけでも、誰かのあたたかさに寄り掛かりたかった。


 彼の優しさは、乾き切る前の生傷に染みる消毒液のようだった。その優しさに触れて、僕の傷は酷く痛んだが、涙が出そうなくらいに嬉しかった。


 だから、これ以上、彼を関わらせてはならないと思った。


 男の僕が男に失恋したという事実を話したら、手のひらを返されてしまう。気持ち悪いと侮蔑の視線を浮かべて、引いてしまうに違いない。僕は、もうこれ以上、傷付きたくなかった。


 想いを振り切るように顔を上げた。つらそうに歪んだ彼の表情を見て、胸がひしゃげるのを感じる。心が挫かれ、現実から逃げ出したくなった。


――大丈夫、じゃないだろ……。あんな顔して、雪の中に立って。


 彼の手のひらから、湿ったタオルが床に滑り落ちる。とんっと、身体と身体が優しく触れ合う音がした。冷え切った沈黙をあたためるように、彼は力強い腕で僕を抱きしめた。


 張り詰めていた緊張が一気に緩みそうになる。足元から抜け落ちる力をどうにか振り絞って抑揚のない口調で言葉を紡いだ。


――僕、帰ります。


――ちゃんと素直に泣いて、笑えるようになるまで、帰しません。


 彼の優しさが、誰にも見せたことのない心の深い部分に触れた気がした。吐き出そうとした拒絶の言葉が途中で勢いを奪われる。


 髪の先から一筋の雫が彼のベストの上に零れ落ちた。グレイの柔らかな毛の上に、水滴がくるんと玉になって残る。自分の瞳が涙を流してしまったのかと思った。


 どうして、彼はそんな風に言うのだろう。どうして、こんな優しさを僕にくれるのだろう。彼の好意に戸惑う僕が、胸の内で小さく疑問を口にした。


 初対面の人間に、いきなり見返りもなしに手を差し伸べるなんて、普通は有り得ないことだろう。


 こんな僕に優しさを惜しみなく注いでくれる彼は、きっと誰にでも良い顔をしているはずだ。他人に「優しい人」だと言われて自己満足に酔える人だ。


 傷付くことを恐れた僕は、身体にまとった棘を逆立てた。薄汚い感情で頑なに穿った考えをし続けた。周りを疑い、否定することで、僕は弱い自分を守っていた。


 人を信じたかった。信じられる自分になりたかった。


 そう強く願った僕は、その何倍も人に裏切られるのが怖かった。崩れそうなボロボロの心をこれ以上傷付けられたら、僕は二度と立ち上がれなくなってしまいそうだった。


 彼が僕に差し出しているのは優しさではなく、優しい嘘なのかもしれない。それを自分が日常的に口にしている事実を棚に上げて、彼に疑いの眼差しを送る。


 途方もない諦めに犯され、大袈裟な溜め息と共に口を開いた。


――……じゃあ、一生帰れないじゃないですか。僕、人前で泣くの嫌いなんですよ。


――そうやって、自分に嘘ついて、逃げるのか?


 ポツリと呟くように彼が口を開いた。その言葉に胸を突かれて、僕は何も言えなくなる。


 一言ですべてを言い当てられた。羞恥と怒りで目の前が真っ赤になるのを感じた。あの時から逃げ回っていた自分が、その一言に捕まった。


 自分が他人に嘘をついていることは、知っていた。自分が自分に嘘をついていることも、知っていた。


 本音で話そうとすると誰かが傷付く。心を痛めた誰に、今度は自分が傷付けられる。そして、僕はまた誰かを傷付ける。そんな風に日常的に起こってしまう憎しみの連鎖反応が嫌だった。


 だから、自分にも相手にも優しい嘘をついた。そうすれば、相手も傷付かず、僕も傷付けられない。


 優しさから嘘をつき続けていた。そんな穏やかな日常を望んでいたのに、僕はその嘘に後ろめたさを感じていた。




 ぐいっと彼の胸に両手を押し当てて距離をとる。彼と僕の間に沈黙がピンと張り詰めた。下唇を噛み締めて、震えそうになる指先を叱咤する。俯いたまま、彼の表情を真直ぐに見ることが出来なかった。


 心臓が捻り潰されるような鈍痛が胸に走る。悲劇の主人公気取りの愚かで自分勝手な妄言が、喉の奥底から外に出される瞬間を今か今かと待ち受けていた。それは、ぞっとするくらいに、暗い欲望だった。


 気持ちを落ち着けるために、大きく息を吸いこんだはずだった。それなのに、血の滲む唇が僕を裏切る。気付いた時には、顔を上げて、胸の内でたまっている感情の塊を、鋭利な刃物を突き立てるように吐き出していた。


――……君に何が解るって言うんだ。


 呼吸の仕方を忘れてしまった僕は、痛みに喘ぐ喉で必死に酸素を取りこもうとする。唇に舌を這わせると、鉄に酷似した独特の匂いが口腔に広がった。


――自分にも、周りにも……嘘ついて、ごまかさなきゃ、抱えなきゃいけない想いだって、あるんだよ! 僕が、いくら……どんなに、頑張ったって、届かない想いだって、あるんだよっ! ふざけるなっ! 何にも解ってないくせに、解ったような口、きくなよっ……!


 上擦った嘆きを叫びながら、彼の広い胸を拳で叩いた。その衝撃に少しも揺らめくことなく、彼は寂しそうな表情で僕を見つめていた。


 誰も傷付けずに生きられる優しい人でありたかった。


 それと同じ位、傷付けられずに愛される人になりたかった。


 出来たばかりの傷が、蹲るくらいの鈍痛を放った。すばるさんのことを責められるはずがない。彼以上に、僕は嘘吐きだった。


 言葉なく頭を撫ぜてくれる彼の手のひらは、すばるさんのそれを思い出させた。ひりつく心に呼吸が間に合わない。彼のやわらかな笑顔を瞳が捉えた瞬間、せり上がってくる感情の波に僕は飲み込まれた。


 本当に惨めで、情けなくて、悔しくて悔しくて。


 何でこんな終わり方しなきゃならないんだろう。いつまでこんな想いを引きずり続けなきゃならないんだろう。どうしてあの人の隣にいるのは僕じゃないのだろう。


 その刹那、強がりが足元から崩れ落ちる。身勝手な唇が言葉を紡ぐことを忘れてしまい、震えが収まらなかった。涙で視界が歪んで、握り締めた手のひらから力が抜けていった。言葉を紡ごうにも、嗚咽が邪魔して何も言えなくなる。指先で縋るように彼のベストを掴んだ。こんな僕を、助けて欲しかった。


 自分が溺れていることに気付かされる。涙を通して見える世界は、光を反射する水面のようだ。水底に沈んでしまった僕は、助かろうと水面に向けて必死に手を伸ばした。


 彼の背に腕を回すと、そうするのが当たり前であるかのように、彼の腕が僕を抱き返した。背中を擦るのは、あたたかくて大きな手のひらだった。何度も何度も「大丈夫」と力強い響きで耳元に言葉を囁かれた。


 寂しさや虚しさから誰かに寄り掛かってはならないことを、僕は知っていた。計り知れない負担を受け止め切れずに共倒れしてしまい、お互いがお互いを駄目にしてしまうから。


 彼から離れねばならないと思った。それでも、僕はそのあたたかさを手放すことが出来なかった。もう痛みを自分一人で抱え続けるのは、限界だった。


 窓の外に漂う曖昧な夕闇の中、ふわふわと風に揺られて、雪が舞い踊っていた。音楽室から漏れ出る明かりを受けて、雪の華が淡い光を放っているかのように見えた。


 それは儚くて壊れそうな光だったが、まるで僕の心に、やっとの思いで舞い降りてきた希望の灯火のようだった。



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