↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

12

 女装パブ『マドモアゼル』は今夜も大盛況だ。


「シュウちゃんがこの店からいなくなったら、おじさんさみしいっ!!」


 お客さんが入店する前から桃子さんといちゃついていたから、お客さんも戸惑っているみたいだ。


「でも、僕よりずっと若い子たちがたくさん居るから、言うほどさみしくないでしょう?」


 僕なんて刺身のつまみたいなものだ。


 シマさんはツンデレだし、タリさんは小さくてかわいらしいし、カイさんはスレンダーだし、なによりアキナさんは年よりずっと若々しい。


「僕もさみしくなったら、このお店にお客として来ちゃうかもしれない」


 ふざけて言ったらどっと笑いがもれた。


「はいはい。シュウちゃんたちへのご祝儀でボトルをどんどんあけちゃってくださぁ〜いっ」


 このお客さんも常連だけど、最後まで気前がいいなぁ。


 あらためて、女装が趣味でよかった。


 たのしいし、ほめられたし、キレイだなんだとちやほやされたし。


 自己肯定感上がった感じがする。


 女装パブ『マドモアゼル』の客層は、女性から男性まで様々だ。


 今日はたまたまおじしんが多いけど、女性客からもずいぶんかをいがってもらったなぁ。


「シュウちゃん、みんなになにか言い忘れたことない?」


 アキナさんに聞かれて、僕はうん? と首を傾げた。


「これまでかわいがってくださり、ありがとうございました。これからの僕は、単なる女装趣味の男となりますが、街で見かけたりしてもそうっとしておいてください」


 言った。


 言ってやった。


 気分は一般人だ。


 そもそも女装なんて、今しかできない趣味だと思っていた。


 それをこうしてバイトとしてつづけられたことに満足している。


 みんなの笑い声を聞きながら、男装した桃子さんと手をつないだ。


 唇へのキスはまだ先にとっておくんだ。


 あなたの趣味はなんですか?  


 僕の趣味は、女装です。


     おしまい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。