第3章 再会
妹は、長い病の果てに死んだのに、そのやつれの後も消えて、青ざめてはいたが元気そうだった。
「森の奥では、死者たちが、深夜、宴を張るということを聞いたことがあるな」ケルビノは、そう、一人ごちて、妹のあとをついていった。
妹がささげる灯りが、瞬きふと消えた。
するとまるで、時が逆流したかのように、ケルビノの頭をかきむしり激しい頭痛が襲うのだった。
彼はその場にうずくまり、気を失ってしまった。
どのぐらい時がたったのだろうか?
妹の歌う声にふと気がついた。
あたりを見回すと、そこは、古い朽ち果てた、城跡で、紫色の微光の中に、数人の仙女たちが歌を歌っているのだった。
朽ち果てた鐘楼には大きなふくろうが無言でとまっていた。
乙女たちの歌は物悲しく、ケルビノに深い郷愁を呼び覚ますのであった。
それは風にかき消されながらもおおよそはこんな、内容であった。
森林に朝が来ると
小鳥は死んで、
草の褥に横たわる。
やさしい春の日が過ぎ去っても、
小鳥は眠りから覚めない。
夏の暑さも知らず、
秋の実りも知らず、
私の小鳥は死の床に眠る続ける。
冬の雪が白く降り積もるころ
小鳥は雪のひとひらになって
天に帰っていくのだろうか?
そうしてそのころ、
私の心の痛手もようやく、癒えて、
雪がそっと覆ってくれるのだろう。
妹は、ようやく私が目覚めたことを知って
近寄ってきた。
その目は涙にぬれているのだった。
「お兄様、私たちの心もとなさをわかってくれるかしら?」
「ほら、あそこにいるむすめたちも、この別れ路に立って、惑い、苦しんでいるのよ」
ケルビノは立ち上がろうとしたが、足がふらつきまた倒れてしまった。
森はまばらな樹木がまるで古代ギリシャ神殿の用の林立しているのであった。
ケルビノは再び深いまどろみが襲ってくるのをどうしようもなかった。
つづく。




