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神と魔法と転生が、世界を結ぶ物語。  作者: 安全シフト
第三章 人鬼戦争編
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31話 事前準備

「あと1日だと・・・」

「そう、あと1日」

「ほかのことは予知できてないのか?」

「できてるよ。」

「具体的には?」

「多く見積もってこの戦争による犠牲者は両軍合わせて8万人だ。」

「それは、多いのか少ないのか・・・」

「ちなみにすでに犠牲者は出ているのだが・・・まぁ、これはどうにかなるからいいとして、キーパーソンが頑張れば犠牲者は0にできるらしい。アト曰く、だけれども。」

「それって、アトの未来予知が単純に未来を予知しているのではなく、可能性の未来を複数予知しているということでは?」

「さあね。そこらへんはわからないけど、犠牲者0人にしたいとは思わないかい?」

「あー、キーパーソンは俺なのね。」

「そうだよ。もちろん。」

「なんでだよ。」

「転生者ってそういうものなんじゃない?俺も昔そういうことあったし。」

「お前、昔があるほど年老いた・・・大人な格好してるか?」

「見た目は転生当時から変わってないからね。」

「あぁ、そうなのね。」

「まぁ、あれだ、ずっと立ってるのもつらいからいったん席につこうじゃないか。」


ギルドのメニュー表を見る。そういえばこれ頼んだことないなとかと思いながら見る。


「じゃあ、これ頼もうかな。あ、キルトのおごりね。」

「おい、なんか最近財布の中身がよくなくなるのは人におごっているからか?」

「で、気になってたんだけど、もしもだけれども、俺が素早くその鬼の王を倒したとするじゃん、でもすでに鬼の軍はそのころには侵攻しているだろうし、『犠牲者が出ない』は無理なのでは?」

「あぁ、ちょっと誤解が生じてるかな?ここでいう犠牲者とは死者のことだ。まぁそんなことはわかっているんだろうけど、肝心なのはここから、この世界には『死者蘇生』の方法がある。」

「まぁ、異世界なんだからあるかもしれないとは思ってたよ。」

「それで、死者蘇生によって蘇生可能なのが、すでに犠牲になっている人だ。これはもう、魂を集め終わっているから、蘇生可能だ。あ、言い忘れてたけど、魂無かったら蘇生不可能だからね。魂破壊されたら、それこそ基本的には終わりだよ。」

「基本的にってことは例外はあるんだ・・・」

「一応ね。俺は知ってるけど使ってるのは見たことないかな・・・コスパ超絶悪いし。」

「で、戦争の最中にでた犠牲者はどうするの?」

「そこは、『犠牲者を出さない。』という作戦でいこうかと思っている。」

「それは・・・無理だろ。」

「それが可能なんですよ。少数精鋭で挑めばね。」

「あー、分かってきたかも、あれか、この剣と魔法の世界ならば雑魚が大量にいるよりもボスクラスのやつが1人いた方が強いってことね。」

「そういうこと、幸いにも今回進軍している鬼国の軍には強力な者が少ないからね。基本的には強力な広範囲殲滅魔法で殺せ・・・間違えた。気絶させることができるんだよ。」

「それだとたぶん広範囲気絶魔法になるでしょ。」

「確かにそうか・・・でも、名前一気にダサくなってない?」

「漢字にすればそこまで気にならなくもない気がするけど?」

「確かに?」

「まぁ、理屈はわかったよ。で、その殲滅は誰がやるの?」

「そこはまぁ、国にいるの強い人たちを今頑張って集めてるよ。10人もいれば足りるだろ。」

「鬼国ってもしかしてくそ雑魚・・・」

「そうだよ。」

「よし、いけそうな気がしてきた。」

「よし、その調子だ!がんばれ!快成!」

「お前に言われるとなんかちょっとむかつくな・・・」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これで作戦資料は全部?」

「あぁ、今回はイレギュラーが多いが、特段作戦に変更は加えていない。」

「それで?あの馬鹿将軍はアリス領を攻めそう?」

「上空監視で見てみたが、たぶん、いや、今までの傾向からして絶対攻める。」

「ほんと馬鹿よね、あいつ、まぁその分使いやすくていいんだけど。」

「お前はアリス領の守護を敵に回す覚悟はあるか?」

「無いわよそんなもの。だから私の指示では攻めないようにって言っているんじゃない。一応友好的な関係を結んでおきたいからね。あくまでも、私個人としては。あんたはどうなの?」

「俺か?俺なら友好関係とかそういう話じゃなくなってくるだろ。分かった上で聞いてたらかなりひどい質問だとは思うけが。」

「もちろん、分かって上で聞いてるわよ。」

「最低な性格してやがるな。」

「別に、この組織にいて最低もくそもないでしょ。」

「言われてみれば確かにそうだが。これでも犯罪組織としてはまだまともな方なんだ。」

「まともというより、犯罪組織として括るのが間違ってるでしょ。第一この組織は・・・」

「確かにそうかもな。本当に犯罪組織として成り立っていたのは最初期だけだからな。」

「どちらかというと今は慈善事業してる組織でしょ。」

「各組織上層部からしたら、そうかもな。」

「確かに、一般人からしてみたらただのテロ組織でもあるのだけれども。」

「上層部は秘密結社で下層部は犯罪集団、中層はテロ組織って感じの認識であってるのかな?」

「あってるんじゃない?所属しているのが自分たちだからあまり実感がないけれども。」

「まぁ、少なくとも俺たちのやっていることは『天改』よりはましだよな。」

「ましというか、善と悪とか白と黒くらい違うじゃない。世界的に見たら私達なんてまだ白な方よ。」

「ちなみに黒は?」

「もちろん天改とかだけど、他にはナノ国とかかな?まぁ、白な方とは言ったけど私たちが中間くらいでしょ。」

「ここまでくると白を探す方が難しいってことか。」

「まぁ、そうなるわよね。」

「っと、そろそろ時間だ。仕事に戻らなくちゃな。」

「あら?あなたに今仕事なんてあったかしら?」

「俺の仕事は偵察だよ。しばらくは周辺諸国の偵察・・・監視って言った方があっているのか、をする。俺はずっと忙しいが、お前はここの山場を乗り切れば後はしばらく楽だろ。」

「そうね。ただ、この山場がものすごく大変なんだけどね。」

「ま、頑張れよ。俺ら『ミカエル』のためというより世界のためにな。」

「わかってるわよ。別に組織としてのミカエルには何の思い入れもないもの。」

「あっ、そうなの。」

「私が忠誠を誓っているのはボスだけね。」

「まぁ、お前がボスを守ってくれるなら、それはそれでこちらとしても人員を割かなくていいから楽なんだがな。」

「ただし、組織のことはあなたたち・・・特にあなたに任せたわよ。」

「任せとけ、心配いらないさ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


先ほどの会話から1時間後


「ということで、これが資料ね。」

「今回はとことん雑だな。」


今渡された資料には鬼国とその迎撃メンバーについてが書いてある。

まずは鬼国の説明、簡単にまとめると、王政をとっており、君主は百夜(ひゃくや)。国民のほとんどが鬼族またはその派生種族である。人種差別等はあまり行われていない一方、一般的な鬼族は人を食べないと生きていけないので、周辺諸国が死体を輸出している。ここで今回の戦争の原因として考えられるのが、鬼国の食糧不足・・・要するに人の死体不足である。ここ最近は魔法の発達や転生者が持ち込んだ技術により、各国の死者数が減ってきているらしい。これによって鬼国に輸出される死体の量が減り、結果として食糧難に陥り、その食料を確保するために今回の戦争を起こしたといえる。国としての治安はいい方であり、団結力も高い、ただし、技術力は低く、軍事的にも弱いと思われる。


迎撃メンバーについて迎撃メンバーについては特秘とする。


最後に君主の百夜について能力は鬼姫(きひめ)血を操る能力だとされる。それ以外不明。


「・・・」

「どうした?何か問題が?」

「情報量少ねぇ・・・」

「まぁ、思うところはあると思うけど、大丈夫だよ。」

「いや、普通作戦くらい書いてあるものじゃないの?ほかの迎撃メンバーが書かれていないのも異常だと思うよ。あと、敵の戦力とか戦闘能力とかだけど、百夜しかわかってないよね。くそ雑魚国家じゃなかったの?」

「そんなこと言われても資料作ったの俺じゃないからなぁ・・・」

「で、せめて俺がどうすればいいかくらいわからないの?」

「あ、それはわかるよ。」

「文書にすると奪われたときに危険だからって言って資料には載ってないけど、俺がゼナから聞いてきた。」

「あ、もしかして資料作ったの王様・・・」

「らしいよ。」

「雑すぎるって。よく王なんて職業やってられるな。」

「あんまり言ってると首が刎ねるから注意ね。」

「・・・」


それで、俺がどうすればいいかだが、頑張って百夜のもとにたどり着いて倒せばいいらしい。

要するに、計画もくそもないのである。


「いや、さすがにひどすぎると思わないの?これ?」

「俺は今回関係ないからね。知らないよ。」

「これって戦争だよね?そして完全に鬼国に対する舐めプだよね?」

「まぁ、俺もそう思うけどさ?ちょっとは落ち着こうぜ。」

「いや、無理だろ、普通。」

「ゼナが君のことを信頼して今回の作戦を作ったんだ。きっと大丈夫さ。」

「いや、でもさすがにねぇ・・・」

「一応ゼナが言い訳してたけど、内容知りたい?」

「めっちゃ知りたい。」

「えぇっとねぇ、たしか・・・」


曰く、無駄に作戦を作るより自由に動いてもらった方がいいのではないか。国の駒として動くより少しでも個人的にモチベーションが上がるのではないか。百夜は相手がどんな相手かわからず混乱するのではないか。とのことらしい。


「絶対言い訳じゃん。」

「うん。言い訳でないわけがないよね。たぶんこないだの王宮の復旧作業で予算が足りないんだと思う。」

「いや、でもさ、さすがにね。」

「まぁ、とにかく頑張ってくれよ。」

「えぇ・・・」

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