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INFINITY STORY'S ONLINE  作者: 藤花 藤花
第1章 始まりの町と復讐鬼の軍勢
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第11話 今度こそ冒険者ギルドと初めてのクエストは修行?

「よしっ、サクヤ! 改めてこれから冒険者ギルドに行くぞ!」

 

 宿を出たところで俺は改めてサクヤにこの後の予定を伝えていた。


「冒険者ギルドですか?」

「ああ! そこでいろいろな講習? のようなものを受けられるらしいんだ」

「なるほど! それを受けに行くのですね?」

「そういうことだ。っと話している間に着いたぞ」


 見上げるとそこには2階建ての漫画やアニメなんかに出てきそうな建物が立っていた。トレスさんの言っていた狼と剣の看板もある。

 そこにはたくさんの様々な種族の人が出入りしていて、その光景はまさにファンタジーだと感じた。意味もなくワクワクしてきてしまう。


「入るぞ?」


 興奮で思わず言葉少なになりながらもサクヤと共にギルドの中に入る。


~~始まりの町 アルヒ 冒険者ギルド~~


 中に入ると正面に大きな横長の受付カウンターがあり、ここでもファンタジー定番の受付嬢が横並びに並んでいる。

 右手奥には酒場が併設されており、俺は思わず心の中で開発を称賛してしまっていた。


「サクヤ。まずは受付に行こう」

 

 ゲームが始まってそこそこ立っているためか受付に人の数は少ない。

 おそらくみんなフィールドに出ているのだろう。5人いる受付嬢のうち、真ん中が空いていたためそちらに向かう。


「冒険者ギルドにようこそ! 本日はどのようなご用件でしょうか?」

「講習を受けたいのですが受付はこちらでいいですか?」

「はい! こちらで問題ありません。どのような講習を希望いたしますか?」

「武器を使った戦闘と召喚術士についてのものをお願いいたします」


 ここまで話したところで受付嬢は俺の腰にある刀を見て困ったような顔をした。


「ご希望は召喚術士と武器の講習ですね? 武器はお客様の腰にある刀でよろしいでしょうか?」

「はい」

「申し訳ありません。当ギルドではその二つの講習を行うことはできません」


 そしてそのまま困ったように謝罪共に頭を下げた。


「えっとそれはなぜでしょうか?」

「はい。理由はいくつかありますが、まず今は当ギルドには召喚術士と刀、そのどちらも扱えるものがおりません。刀は東の方にある島国では扱うものが多いそうですが、この辺りでは剣が主流なため扱える者が少ないのです。召喚術士に関してはそもそもとして全体数が少なく、すぐに国で確保してしまうため、国と反りが合わずにどこかに隠れ住んでいる者を見つけるか王都のような大都市に行かねば、会うことはできないと思います」


 まじで? ここでチュートリアルを受けられるんじゃないの? こんなところまでこの二つは不遇なのか! 


「そのため大変申し訳ありませんが、当ギルドではご希望に添うことはできません」


 そう言って受付嬢さんは頭を下げた。

 そうなるとどうすればいいんだろうか? 

 当てにしていたものがなくなり、困り果てて思わず黙っていると後ろから唐突に声を掛けられた。


「おい、坊主! それとサラちゃん辛気臭い顔してどうしたんだ?」


 後ろを振り返ると赤い髪の頭を刈り上げ、巨大な剣を背負った大柄な男が立っていた。

 受付嬢、サラもその男に気が付いたのだろう丁度いいとばかりに男に声をかけた。


「ドルグさん! お疲れ様です。今少しいいですか?」

「おん? まあ俺でいいなら構わんが」

「ありがとうございます! お客様こちら当ギルドで戦闘講習を行ってくれているドルグさんです」

「ドルグだ。よろしくな坊主!」

「シュンです。こっちの子はサクヤ。こちらこそよろしくお願いします。それとサラさん? でいいですか? よろしくお願いします」


 そういえば自己紹介をしていなかったことを思い出しドルグと受付嬢、サラにも自己紹介をする。


「そういえば名乗っていませんでしたね。サラです。こちらこそよろしくお願いします」


 3人で自己紹介を交わしたところでサラは早速とばかりに本題に入った。


「それでドルグさん。こちらのシュンさんなのですが、刀の講習を希望しているのです」

「刀の?」

「はい。ですが当ギルドには刀を扱える者がおらず困っていたところにドルグさんがいらっしゃいましたので、ご相談させていただければと思いまして」


 サラから話を聞いて納得したようにドルグは頷いている。


「なるほどな。どっかのバカが因縁でもつけてんのかと思ったんだが、そういう事情か」

「はい。どうにかならないでしょうか?」

「そうだなぁ。あ~昔はいたんだがなぁ。いや、でもそうだな……。なあ坊主、「シュンです」ククッ、ならシュン。お前本気で刀術を修めたいか?」


 途中で坊主呼びを訂正しつつドルグにそう問われた。なぜそんなことを聞くんだ? まあ答えは決まっている。


「当然! やるからには手を抜くつもりなんてないですよ?」

「そうか……。ならこれをもって町の外れにある東方風の家に行け。お前が覚悟を示せたのならお前の得たいものが得られるだろう」


 そう言ってドルグが差し出してきたのは一通の手紙だった。受け取るとクエストが発生する。


■《修行クエスト》極みの道 ■

《内容》

▼紹介状を持って、町はずれの屋敷に住む者に会いに行け 

【ドルグから預かった手紙をもって町はずれの東方風の屋敷に行け。覚悟を示すことができればお前の得たいものを得ることができるだろう。(期限:1日)】


《報酬》【? ? ? 】


■《クエストアイテム》ドルグの手紙 ■

《備考》

【ドルグから預かった手紙。封をされているため内容はわからない。】

 


 修行クエスト! これはもしかするか? 


「ドルグさんありがとうございます! 俺、行ってみます! このお礼はいずれ必ず!」

「おう! 頑張って来いよ!」

「はい! サラさんもありがとうございました!」

「いえ。あまりお役に立てず申し訳ありませんでした。頑張ってくださいね!」

「頑張ります!」


 ずっと隣で控えていたサクヤに声をかけ、2人に見送られながら急いでギルドを後にする。

 召喚術士についてはまだ先は見えないけど、それでも1歩目は見つけられた。1歩目でこけないようにするためにも気合を入れてかからなければ! 

 そのためにも……


「まずは目的の家を見つけないとな」


 勢いで飛び出してしまったが街はずれにあるってこと以外なにもわからない。

 

「主様、なにか当てがあるのですか?」


 サクヤも俺の言葉を聞いて、その点に気が付いたようで小首を傾げながら訪ねてくる。

 それにしてもサクヤのこういった仕草を見ると口調とは裏腹にとても幼く見えるな……。

 気を付けないとラーナみたいなのに今後も絡まれるかもしれないな。流石にそう何度も絡まれるのはうっとおしいからな! 

 まあ今はクエストだ。

 

「そうだな。一応当てはあるぞ?」

「そうなのですか?」


 目を丸くして驚くサクヤ。こいつ俺が何にも考えていないと思っていたな? 

 ……まあ間違ってはいないが。


「まあな。とはいえそんな難しいことじゃないぞ?」

「どうするのでしょうか?」

 

 サクヤのその言葉に、俺はおもむろにある一角を見て、指を指す。

 つられてサクヤの視線も俺の指先に向かって動いていく。

 そしてその指先にあるものを見てとても微妙な顔になった。


「あの、主様? サクヤにはおしゃべりをしている3人の女性しか見えないのですが?」

「ああそのとおりだ」


 そう俺の当てというのは井戸端会議中のおばっ……お姉さま方だ。

 正確にはこの町に住んでいる住人だが町一番の情報通といえば井戸端会議のお姉さまだろう。

 アース達に聞いた話だが古き良きRPGではそれこそ町中に存在する全てのNPCに話しかけたりするらしい。

 それに、情報は足で稼ぐという言葉もある。今この状況においては至言だな。


「そういうわけで行くぞ。サクヤ!」


 サクヤに声をかけ、お姉さま方のいる方に向かって共に足を踏み出す。

 さてすぐに場所が分かればいいんだが……。

 

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