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創世のクリスタル  作者: ペペペルチーノ!
第一章 動き出すまで
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第一話 平和の時間

 

 

 時は夏、よく澄んだ青空のなか七つぐらいかと思われる子供達が野原で遊んでいた。

 

 一人はシーナという名の少女だ。

 可愛らしい整った顔立ちでいかにも少女が着そうな白のワンピースを身に付けており、金色の光を放つ優しそうな瞳、綺麗な長い銀髪が風になびいている。将来は美人になりそうだ

 男の子の一人はアイザードという名前の少年だ。顔はなかなかに整っており、灰色の髪と眼をしている。

 

「わーい。シーナ、こんなでかいトンボ捕まえたぞ~」

 

「あぅ、私は虫は無理だっていってるじゃんアイ~」

 

「その可愛らしい呼び方やめてくれ!最近あいつがそのあだ名で呼んでくるから!それにシーナは魔獸にすら好かれるじゃないか、虫ぐらいへいきだって、ホレホレ~」

 

「無理!無理なものは無理ー」

 

 アイザードがシーナを追いかけているうちにアイザードが転けてしまい、その隙にトンボは飛んでいってしまう。

 

「いてて」

 

「だ、大丈夫?」

 

 こけたアイザードにシーナがかけよる。心配してくれるシーナにアイザードが少し見惚れてしまう。

 

「アイ?」

 

 首をかしげるシーナにアイザードは慌てて。

 

「あ、ううん、大丈夫大丈夫。平気平気さ」

 

 とそっぽをむいてこたえる。そしてそっぽをむいているのは不自然かとおもい、顔をむけている場所にいこうと誘う。

 

「いつもの丘にいこうよ、シーナ」

 

 

 

「うん!今日はなにして遊ぶ?」

 

 

 パアッと顔を輝かせるシーナ。

 

 アイザードがなけなしの勇気を振り絞ってシーナの手を握り、シーナと一緒に歩きだすと……。

 

 

 

「おーい」

 

 

 アイザード達の背中に声がかかる。

 その声の主は太陽のようなオレンジ色の髪をした元気そうな少年だ。

 と、いっても走ってきたのかゼェゼェと呼吸している。

 いまはあまり元気ではなさそうだ。

 

 

「ようやく来た、フレイム」

 

 

 アイザードはオレンジ色の髪をした友の名を呼んだ。

 

 

「わはは、皿割りにてまどってね!」

 

 

 

「皿、洗いだからね?」

 

 

 

 どこか抜けた友達の言葉に苦笑する。

 

 

「いーや、途中で割っちゃったんだよ」

 

 

「あちゃー」

 

 

 そんなフレイムにシーナは苦笑する。

 

 

「あ、二人とも、もう帰りなさいって母さんが呼んでたよ。」

 

 

 

 

「えー、まだ日が暮れてないのに?」

 

 

 

「アイー、今日は大事な話があるって母さん母さんがいってたじゃない」

 

 

 

 相変わらずアイと呼んでくるシーナに一言言いたいがここで反応するとフレイムに後でからかわれる可能性がある。

 アイザードは言い返すのをグッと堪える。

 

 

「あー、そんなことがあったような。でもフレイムが遊べてないね」

 

 

「だから明日いっぱい遊ぼう!」

 

 

「うん。そうしよっか!」

 

 

 そうしてアイザードはやや急な斜面となっている坂をズサーと滑りながら下る。

 

 

「よっとっと。ほいシーナ」

 

 

 てを差し出すアイザード。

 

 

 お礼をいい、斜面を滑るシーナ。

 

 

「あ、わわわわ」

 

 

 だが途中でバランスを崩し、転倒しかけてアイザードに頭突きが炸裂。

 後ろにいたフレイムも巻き込まれ、二人はは同時に『わ、』と声をあげながらドミノのように倒れた。

 

 

 起き上がった子供たちはなんとなくそれが可笑しくて笑い合う。

 

 

「あはは、ごめんねアイザード、フレイム」

 

 

「いやー、ビックリしたよ~」

 

 

「わははは」

 

 

 そのままゆっくり家である寺院へと歩き、今日の遊びの内容を語り合う。

 例えばシーナが突然降ってきた毛虫に驚いたとか、アイザードが転びそうになったときに奇跡的な着地を見せたとか。

 他愛のない楽しい会話、そうしているうちに寺院が見えてきた。

 

 

 

 と、そこで声が聞こえてくる。

 

 

「三人ともー、ナギル兄さんが帰ってきたわよー、はやくしないとおみやげのお菓子なくなっちゃうわよー」

 

 

 

 子供たちが母のように慕う者の声がしたあと、三人は全力で走り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

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