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9、物真似少女は友達を紹介する

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「お邪魔しますなのである!」

「何もないところだけどね」


可奈が合格記念に遊ぼうと連絡してくれたのでご飯を食べた私は可奈を家に招待した。夜は一緒に焼肉も食べるよ、お父さんにもちゃんと許可を取ってある。


ギルドで貸切にした為、少し増える程度なら問題ないそうだ。

ギルドメンバー全員払いにするとか父さんやるね。名目は私の合格祝いらしいよ。


「それにしても無事に2人とも合格出来てよかったのである。まあ、模擬戦や体力測定の様子で心配はしていなかったのであるが」

「面接がちょっと不安だよね」

「であるな」


そもそも可奈は異能で滑ってる感じだったし体力測定でもなんでもないよね、あれ。

私と違って体力は使ってないもん。


「綺麗な家である」

「暇な時に掃除してるし必要なもの以外何にも置いてないからね」


ごちゃごちゃしているのは料理道具くらいでテレビとかも置いてないよ。


「綾那はここで一人暮らししているのであるか?」

「父さんと二人暮らしだね。でも父さんは仕事でほとんど帰ってこないから一人暮らしと言っても過言ではない」

「なるほど……」


母親の事に関して可奈は何も言ってこなかった。まあ、リビングに遺影とか線香とか置いてあるしなんとなく察するか。

普通にチラチラとバレないように見てるみたいだし。


「今更であるが綾那の合格祝いに僕も参加しちゃって良かったのか?」

「全然良いよ?支払いは父さんとその他がするし、そもそも可奈の合格祝いでもあるよね?」

「支払いくらいはするのであるよ!これでもそこそこ稼いるのだ!」


あー、Dランク冒険者だもんね、そこらの人よりは稼いでるのは分かる。でも場所が場所だから流石に支払えなさそう。


「あのね……私たちが夜行く場所は竜炎門っていうお店なんだよ」

「竜炎門……ってそれは!」


そう、その竜炎門というのは例のモンスター肉専門の事だ。


「そ、そ、そんな高級なお店を貸切……綾那はもしかしなくても超お金持ち?!」

「残念だけど私は絶賛金欠中なんだよね……お金持ちなのは父さんとそのギルドメンバー達」

「な、なるほど?そのギルドってどこのギルドなのであるか?有名だったりするのか?」


有名……ではあると思うんだけどギルド名、知らないんだよねぇ。聞いた覚えはあるんだけど忘れちゃった。


「そこまで興味無かったからギルド名忘れちゃった。ごめんね」

「そ、そうか……」

「とにかく有名なら会えば分かるんじゃない?ほら、そろそろ時間だし行こう」


目的地まで電車で1時間くらいかかるから遅延することも考えて早めに行っておこう。

電車はよくトラブルで止まるから心配だな。


という事で私は可奈を連れて目的の場所まで向かった。


「可奈の家は私の家から近いの?連絡してからすぐに来たけど」

「隣の駅前であるな」

「それはそれは随分と近いね」


歩こうと思えば歩いて行ける距離だ。


「お、綾那じゃん!合格おめ――綾那が友達を連れてきてる?!」

「いや、普通に失礼だよ」


目的地近くまで来ると見知った顔の奴らが沢山いた。私が友達を連れているのを見てめっちゃ驚いていた。


「だって……綾那だぞ?今まで知り合いすらギルドに連れてこなかったってのに!」

「早速綾那ちゃんに友達が出来たみたいで私は安心したよ」

「あの綾那が……感動的だわ」


ええ……なんでそんなに感動してるの?私の事を馬鹿にしすぎだよね、てか涙流してるやついない?!


「はぁ、とりあえず紹介するよ。受験の時に出会った菊池可奈……可奈?こいつら見て固まってどうしたの?」


なんか静かだなと思って可奈の方を見たら私の事を馬鹿にしてるギルドの奴らを見て固まっていた。

誰か知り合いでもいた?


「あ、あの!ギルド"月光の影"の皆さんですか?!」


なんか可奈が敬語になって丁寧に話し始めた。え、父さんのギルド名そんなのだったの?


……思い返してみればそんな名前だった気がする。


「俺らの事知ってるのか?」

「それはもちろん!テレビなどでも有名ですよね?魔剣聖様!」

「魔剣聖って誰?!」


思わず叫んじゃったけどそんな二つ名持ってる人いたの?


二つ名自体は有名になると勝手に付けられる事あるけど……


「俺俺、俺の事だよ。てかやっぱり綾那は知らんかったのか……ギルドに興味全く無いもんな」

「そういえば魔剣を持っていた……気が、する?多分」


思い出した、なんか昔に魔剣を手に入れたとか自慢してきたんだ。なんの魔剣かはすっかり忘れたけど。


「綾那!こんな凄いギルドと知り合いとかずるいのである!もしかして綾那も月光の影に……?」

「いや、違うけど……」

「昔誘った事あるんだがこいつ、断ったんだよな」

「ええ!勿体ないのである……」

「だって父さんの部下とか嫌じゃん」


ただでさえ娘だからとこき使われるのに正式に部下になったらそれこそ存分にこき使われるに決まってる。


「綾那のお父さんってもしかしなくても……」

「俺らのギルド会長だな」

「おお!かの有名な拳王である人が!」


いや拳王って……父さんそんな二つ名だったんだ。確かに身体強化でぶん殴ってばっかりだったもんね。


「君たち、そろそろ時間だから入るぞー」


話している間に時間になったらしく全員でお店に入っていった。

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