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15、物真似少女は車椅子に乗る

「……はぁ」


ガラガラとなる車椅子に乗る私。校門を通るとチラッと他の人たちが見てくる。


そりゃ、車椅子の人がいたら気になるよね……うん。


「綾那!昨日の火傷、そんなに酷かったのあるかー!」


この有様を見て可奈が駆け寄ってきてくれた。


「可奈の火傷は関係ないよ……その後にちょっとあってね、詳しくは中西先生っていう人に聞くといいよ」


なぜ車椅子なのかは筋肉痛が酷すぎて歩けなかったからだ。

怪我自体は朝起きてから上級ポーションを飲んだら治ったんだけど筋肉痛は治らなかった。

いや実際には筋肉痛じゃなくて限界突破の副作用だからポーションでは治らないんだよね。普通の筋肉痛ならポーションで治るはずだし。


「確かに足には包帯ぐるぐる巻きであるが腕はなんとも無いであるな」

「うん、可奈のせいじゃないから安心していいよ」


包帯をする必要は無いんだけど怪我に見せる為だけに自分で適当に巻いておいた。こうしとけば怪我に見えるでしょ?


なんで思っていたら可奈が後ろから車椅子を押してくれた。


「1人で動かすの大変であろう?僕が押してあげるのである」

「ありがとう、助かる」


実は副作用の筋肉痛は全身なんだよね、足だけ動かないだけで腕とかは痛いけど動く。


車椅子自体は家にあったけど電動のやつじゃ無いから大変だった。もういっそのこと電動か魔力で動く魔道具の車椅子を父さんに買ってもらうのありだな。自分では高いから買わないよ。


「さて、私のクラスは何組かな?」

「綾那と一緒だと嬉しいのであるが……」


私も可奈と一緒だと嬉しい、何より車椅子を自分で動かさなくていいのが。


クラスの表示がある掲示板を見るとすぐに自分の名前があった。


「見つけた。Aクラスだ」

「僕も綾那と同じAクラスである!」


2人とも名字的に早めだし1番最初のクラスだしですぐに見つかった。

菊池と白百合だもんね。


「む、階段は……無理であるしエレベーターないのであるか?」

「何処かは知らないけどあったはず」


学校の構造、そこまで覚えてないからどこに何があるかは先生に聞くか別の掲示板に表示されている地図を見るかしないと。


「もういっそのこと逆立ちして階段登ろうかな」

「だ、ダメである!怪我人である前に綾那のし、下着が!」

「そうだった……危なっ」


スカートで逆立ちなんてしたら大変なことになるじゃん。


結局、近くの先生に聞いてエレベーターに乗って教室まで到着した。


「席は自由だって」

「黒板にでっかく書いてあるな」


教室に入ると真っ先に目につくように"席は自由"と大きく書いてあった。


「よし、後ろの方の窓側にしよう」

「車椅子だし廊下側の方が良いのではないか?」

「車椅子生活も1週間くらいだし良いでしょ」


1番後ろは既に人がいたので後ろから2番目と3番目に私たちは座った。

1番後ろの席の人は寝てた、枕まで持ってきててぐっすりだね。


そして可奈と雑談して時間を潰した。


「お、お前らちゃんといるかー?」


バンっと勢いよく扉から中西先生が現れる。


え、中西先生が担任なの?


「Aクラスの担任をする中西だ――って白百合!その怪我はどうしたんだ?!」


ガタンと前から私の方に走って……いや跳んで来て肩を揺すってくる。

ただでさえ車椅子で目立っているのに中西先生のせいで凄く目立ってしまった。


いや、中西先生の気持ちも分かるよ?上級ポーションを払わされたのに次の日に車椅子姿で現れたら驚くのも無理はない。

それになっちゃん先生に見られたらやばいもんね。


見られたら正直に異能の副作用で怪我は治っているというだけなんだけど。


「私の怪我とかどうでもいいんでちゃんと授業してくださいよ」

「いや、しかしだな……」

「なっちゃん先生に昨日の事言いますよ?」

「よし、授業を再開しよう!」


サッと元の場所に跳んで戻っていった。


これ以上目立つのは勘弁してもらいたいからね。


「授業といっても最初だし今後の予定を話すくらいしかやる事ないけど……自己紹介でもするか?」


自己紹介ねぇ……普通に苦手だからやりたくない。ていうか自己紹介が得意な人っているの?いないでしょ。


「とりあえず今後の予定が書いてあるプリント配るか」


プリントの束を手に持ったと思ったらいきなり投げ飛ばし始めた。


いや、中西先生何やってるの?!お前らプリントくらい自分で取りに来いって言う意味なの?


とか思っていたら空中に散らばったプリントは何故か落ちる事なく空中に浮いていた。


「お前ら驚いたか?これが私の異能、念力だ。手で持てる物体ならば自在に動かす事が出来る」


浮いていたプリントは各生徒のいる机に一枚ずつ分かれて移動していく。


凄い便利そうな異能じゃん、家の中とか動かずゴロゴロしながら食べ物とか持って来れそうだし。


欲しいけど物真似したら何か忘れる可能性があるからなぁ……身体強化とかなら忘れてもすぐに父さんに会いに行けば物真似し直せる。ただ異空間収納とかはすぐに物真似し直せないから我慢しよう。


ちなみに異空間収納を忘れるともう一つ問題があって忘れた瞬間に収納しているアイテムなどが私の周囲にぶち撒けられるから大惨事になるんだよ。


貴重なアイテムとかは別の倉庫に保管してあるけど現金とか冒険装備とか……あと衣服、特に下着はぶち撒けるのダメ。


「プリントに書いてあるが明日は新入生歓迎会があるから楽しみにしてろよー、では解散」


そう言って中西先生は教室から出ていった。


結局、自己紹介はしないのね。

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