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【室町編】⑬★~天敵に会いました~

細川勝元様がおこした事件以来、私の周りでは平和な日々が続いている。


・・まあいまのところ破滅を予想させるものもないし・・

・・周りの人たちとの関係性も悪くはないし・・・

・・しかし気がかりはある、いまだ今参局との邂逅がない・・


なので私は遊びにきていた義政様に尋ねてみた。


「今参局ですか?聞いたことありませんし、大舘満冬に娘などおりませんよ」

「では、義政様の乳母のお名前は?」

「私に乳母などはおりません」

「では、他に身近に親しい女性などは?」

「富子以外におりません。」

「ありがと、いや私以外で」

「義政くん、そういえば有馬持家くんの娘さんと仲良くなかった?」


・・良子、なんで、みんな「くん」付けなんだよ・・・


「有馬持家の娘さんはよく屋敷に来てましたが、そんなに仲がいいわけではないですよ。そもそも怖いしあの人」

「富子忘れたの?あんなにいつも喧嘩していたのに」

「良子姉ぇ、誰だっけ、それ」

「今でしょ。今」

あっ 思い出した!

それと良子ねぇ、それ古いわ、ドヤ顔して言う決めセリフじゃないわ

「ああ、お今ちゃんね、確かに喧嘩してたわ。毎日。」


・・そういえば、前世の記憶が蘇って以来、お今にはあってないわね・・


「まあ絶対に仲良くなれない人っているしね、でも私には菫も桜ちゃんいるし無敵だわ」

「富子様、私の力は癒しの力ですので、魔の攻撃に対して闇にしか通用しないのです。」

「しか?桜ちゃん、どういうこと」

「五大の術式、地水火風空に対しては無力なのです」

「そういえば有馬家は、日本を代表する五大術式の大家、魔法豪族ですね」



・・「魔法豪族?」何それ、なんか聞いたことがある・・

あっ思い出したわ。

あの応仁の乱を題材したシミュレーションゲームのスピンオフとしてリリースされたソシャゲだわ。

「魔法豪族に恋したい」とかいう。あれには確か5大魔法設定にみたいのがあったけ?

微課金だったけど、あのガチャは惨かった・・・



桜ちゃんが説明してくれる。

「魔法豪族、魔家系の人は先天的な遺伝要素やその後の訓練などにより、発現し使える魔法系統が異なるのです。

それぞれの属性には、得意・不得意の相手があって。火と水みたいな感じで。

あと基本的には一人は一つの魔法属性しか持ちえないのですが、稀に複数の魔法属性をもっている人がいますが。

「まじかよ、じゃあ私はあと魔法サイドで5人もの能力者を仲間にしないといけないの?あと科学サイドとかもあんの?」

「あのう、富子様は何と戦っておられるのですか?」


「そんなことより、富子が行きたいと言っていた大農家の視察とやら、摂津あたりでよいか?」

「義政様!ありがとうございます。」

「この際、途中で有馬の屋敷に行っているか。お今もそこにいると聞いている」

「ああ、それで最近、お今に会わなかったんだ。うん、いいよ。久しぶりに喧嘩してやるわ」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

挿絵(By みてみん)



「なんで、あんたがそこにいんのよ!」

「いや、偶然、近くを通ったからご挨拶にと」

「私があんたのこと大きっらいなこと知ってんでしょ?」

「お今?あんた雰囲気変わった?」


きれいな鼻筋と涼やかな目元。腰まで伸びた美しい黒髪の美少女が私をなじっている。


・・そうだ、変わったのは私のほうだ。百合として生まれ変わったんだ。

・・おっとり恥ずかしがり屋さんとか、クール系とかもとも違う、こういったツンツン系も、また堪りませんなー

でござる、ブヒッブヒッブヒッ」



「富っ、何ニヤニヤしてんので、まじで気持ち悪い、ほんと嫌い」

「まあ、久しぶりにあったので身の上話でもしようかと」

「はあ?なんで私がお前の近況を?

そんなのどーでもいいわよ!

花の御所で大怪我して顔に傷つけたことなんか心配してないわよ!

その顔の傷なんか気にもせずなんか毎日畑作業をしてる事どーしてとか疑問を抱かないわよ!

あの無気力な義政や根暗な義視の性格をあんたが変えたって噂本当なのって?確認したくないわよ!

宗全の娘を助けて、あまつさえ勝元の憑き物を落としたとか、そんな話も知らないわよ!

何十人もの武士相手に立ち回りをして怪我とかしてないだろうかとすごく心配なんかしないわよ!」


・・・まだ、何も話してないのだが・・・


・・・いや、お前


・・・相当、あたしのこと気にしてるだろ・・


・・・つーか


・・・ぶっちゃけ、あたしのこと好きだろ、好きすぎるだろw・・


・・・デレさせるか?デレさせちゃうか?・・・


「おい、二人とも仲良くしようぜ」

いいタイミングで義政がぶっこんできた


「お!(お)前!(前)は!(は)黙!(黙)っ!(っ)て!(て)ろ!(ろ)」

お今と私は同時に義政のほうに向かって声を合わせる。


「お今、義政様はこれから領地を視察されるとのこと、長居させてはならぬゆえ、それくらいに」

「お、お父様、これは失礼いたしました。」

「お今、じゃあまたね」

「塩撒いて待っててやるわ。富っ」

・・2度とくるなとは言わないだな、ういやつういやつ・・・


こうして私たちは、有馬の屋敷を後にしたのでした。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここはとある公家の屋敷。

屋敷の主は、側近を集めて謀議をしていた。


「御所様、細川勝元の憑き物が落ちたとのこと」

「ふん、やつの力など所詮は飯綱の法、幻術の類、亜流に過ぎぬわ」

「勝元と言えばやつが拘っていた宗全の娘ですが、今は蔵人右少弁殿に匿われているとのことで」

「そうか、しかしあの娘も、とんだ見込み違いであったのう。

まあ、そもそも当家は五大術式の本流。五大の理から外れたものなど捨て置け。捨て置け。

そんな事よりあの計画はどうなっている。あれは捨てがたい」

「はい、準備は着実に進めております。いずれ御所様のもとに」

「あれさえ手に入れば有馬などに要はない。有馬の本家とともに潰してやるわ」

「は、赤松満祐への洗脳はうまくいっております。もやは時間の問題ではないかと」

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