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ダンテ行方不明 終

「頭のいい野郎だな。次は刀で勝負といこうや……」


 ダンテはエイロを構えながらじりじりと敵へ近づく。敵は後退せず、そのままじっと刀を構えるだけだった。


 ダンテは正面から敵へ突きを放った。敵は刀でエイロを左斜め下へ打ち付け、攻撃を逸らす。


 敵はそのままダンテの頭部を狙い斬撃を放つが、身を低くしてそれをかわすダンテは再び下から斬り上げるように攻撃、敵はそれを刀で受け止め、つばぜり合いの形になる。

 さらにダンテはすかさず、力を抜き、敵の刀を横へいなす。さらに、右足で敵を足払いする。


 敵はダンテの一瞬の攻撃に、バランスを崩す。ダンテはできた隙に乗じて素早く敵の背中に回りこみ、斬撃を振るうが、敵は《排他》でそれを防ぎ、《加速》でたちまちダンテの目の前から消えた。


 距離をとったかと思われたが、敵は一瞬でダンテの後ろに回りこみ、ダンテの頭部を狙い横から刀を振った。


 一瞬のカウンターにダンテの《排他》が遅れた。敵の刀身はインカムごとダンテの右耳を斬りつけた。


 ダンテは後方を振り返り、敵の刀をエイロで打ち、《加速》で敵から距離をとる。


 暗闇の中で対峙する2人。


「ちっ……ぱっくりいっちまったな」


 ダンテは右耳から流れ出る血の多さから判断。真っ二つになったインカムの残骸を耳から外し、捨てる。


 刀術士であるダンテは指輪の能力で《加速》を使えはするが、動術士と比べると小さくない差が出てくる。敵は《加速》の能力値が高く、さらにそれをうまく戦闘に生かしている。



「楽に帰してはくれそうにねえな」



 ダンテは背負っていたバックパックを下ろし、ポイっと捨て去った。敵との戦闘が長引くことを悟ったのだ。


「着かず離れずの鬼ごっこといこうか?」


 ダンテは言った途端に《加速》し、後方の茂みの中へ姿を消した。

 敵もそれに気づいた瞬間にダンテを追い始めるが、ダンテの姿をすぐに見失った。


 ただし、《加速》することによって生じる、植物の葉がこすれる音は敵の耳にしっかり届いていた。




 






<ダンテ発見後>


「以上、報告おわり」


「はい、ごくろーさん」


「お疲れ様です、と言えガキが」


「うるせえな! 逃げられなかった能無しが」



 ダンテとフレインは帰投するために近くの基地へ向かっていた。


 そんな中、セレジアから通信が入った。



「こちらセレジア・アンデルスタ。戦闘不能だった敵は姿を消していました」



 なんか通信の時はセレジアの口調が普通に戻る気がする……気のせいか?



「本部了解。気にせず帰投しろ」



 イーロスがセレジアに返す。


 戦闘を行っていた3人が基地へ帰投する。作戦はこれにて終了だった。



「ジュリア・ブール少尉、ダンテ・インプ少尉の捜索および救出作戦の顧問役、感謝する。以後の処理はこちらが行う。ありがとうございました!」


 イーロスが俺に向かって敬礼をする。


 俺も敬礼しながら、


「今後、俺の寝起きを邪魔することのないよう重々注意しろ! あと、フレインへの態度にも気をつけろ! 以上!」


 イーロスに向かってそう言い放ち、回れ右をして、司令室から退出した。


 イーロスの野郎はなにも言ってこなかったが、額に怒りマークを浮き上がらせているのは容易に想像できた。



 さて……次のドッキリでも考えねえとな……。どっちにかましてやろうかな……。



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