動く人形 中編3
「どうせてめえも似た感じでお邪魔したんだろ。……なにしてんだ?」
「おめえの仕業じゃねえのか? フレイン人形」
「あ? …………なんだ、フレインに人形あげたのか? 一緒に大きめの鶏小屋みたいなドールハウスでもつけてやろうか?」
「冗談言ってんじゃねえよ。おめえに依頼した人形だけど、作ったのは何体だ」
「んなの1体に決まってんだろ。フレインもセレジアもこれ以上増やされちゃあかなわん」
(ジュリアと同じこと言うんだもんなあ……)
フレインはそう心の中で思った。
「嘘つくんじゃねえよ」
ジュリアがダンテに言った。
「んだよ、話が見えねえな! 人形が増えてんのか? それならてめえの自演じゃねえのか? ジュリア」
「2人が口裏合わせてるんじゃないの?」
フレインがあられもないことを言い出した。
「…………」
「…………」
2人は一瞬だけ、フレインの顔を見ながら硬直した。最初に口を開いたのはジュリアだた。
「おうおう、言うじゃねえか! なんか慣れてきたって感じか? あ?」
ダンテも続ける。
「絡み始めてからだいたい4ヶ月だもんな! それくらいじゃなきゃ面白くねえよ」
「えぇ……」
「まあいいや。ダンテと一緒に俺の部屋のモニターでじっくり見ててやっから、存分とその人形と遊んでな! 俺とダンテが関わってねえんだから危険度はガクンと下がるんじゃねえか?」
「はあ? 俺は用事がある。見んなら1人で見ろ。どうせお前も俺が関わってねえってわかって少し興味なくしたんだろ?」
「でだ、フレイン。あの人形、おめえの危機感知能力だったら結局のところどうなんだよ」
「えぇ……どうって言われても……。でも……見た瞬間とかは、『気味が悪い』とは思ったけど、『危ない』とは感じなかった……かも」
「ほらな! はい解散解散!」
ジュリアとダンテはそそくさとフレインの部屋を出て行った。
「…………結局なにしに来たの……」
それから5分後のことだった。
「邪魔する」
またフレインの部屋にジュリアが勝手に入ってきた。
「えぇ……今度はなに!?」
ジュリアはなにも言わずデスクの前に立った。遠慮することなく人形に顔を近づけ、睨みつけるようにじっくり観察するジュリア。
「……あ? ……なんでだ?」
「ど……どうしたの……?」
「え……ああ……なかったから……」
「え? なにが?」
「俺の部屋に人形がなかったから……よ……。やっぱりこいつモノホンのオリジナルだ……」




