テスト……勉強……? 対セレジア 前編
「おう、セレジア。奇遇だな」
俺は廊下でセレジアにあった。だが、セレジアの様子がいつもと違う。
「あら、ジュリアさん。ごきげんよう」
……………………?
いつものセレジアはもっと螺旋的だった……はず……。それになんか、背中側に髪の毛があることにも違和感を覚える……。
「セレジア、お前……………………イメチェンした?」
「そんなことありませんわ」
セレジアはそう言うと、髪をファサーっと回しながら背をむける。
「セレ…………ジア……? いや…………お前誰だ!?」
「はっ!?
…………。
なんだ夢か……」
おは……よう……視聴者のみなさん……。ジュリア・ブールのドッキリTVの時間です…………なんか変な夢見た……。
今日も、ドッキリのためにこの命捧げます。
『この番組はターゲットに人道的なドッキリを仕掛けて、それを撮影、編集し、非公式電波に乗っけて放送するという形でお送りいたします』
<ジュリアの部屋1026時>
さて!! 気を取り直すっぞ!! 俺はPCを起動し、最新の動画をチェックする。
前回の再生数!! 前回は…………ああ、笑ってはいけない軍+年越しだったな。再生数は…………68再生!! うーん…………、年越し、年明け暇だったのかな?
そういえば、ダンテのところに、定期試験の通達が来たらしい。
え? 学校かって? いや、学校ではないけどよ、軍学校を卒業したら、筆記というか座学というか、そういうのを忘れてもいいかって言われたら、そんなことねえだろ? だから、軍に所属してる時でも、年一回テストがあるんだよ。
え? 俺? 俺は、厳密には軍所属じゃないし、軍学校だって退学させられてる。んなもんねえよ。
俺がPCの前でぶつぶつ言ってると、ダンテがノックもなしに部屋に入ってきた。
「おい、ジュリア、起きってっか。頼まれたもんだ」
ダンテが、小脇に抱えた袋のようなものを俺に投げる。俺はそれを器用にキャッチする。
「あんがとさん。そういえば、テストの勉強は進んでのか?」
「はあ? あんなテスト、ノー勉で余裕だ」
「あ? ほんとかよ……」
と言うも、こいつ、ダンテ・インプの軍学校時の座学成績はかなり良かったらしい。まあ、テスト自体は、簡単でもねえが、難しいわけでもねえ。ダンテに限っては問題ないんだろ……たぶん。
でも?
ダンテ以外は?
ターゲットの2人はどうでしょう!!
フレインとセレジアの2人はどうでしょう!!
そう、今日のドッキリはこのテスト勉強に漬け込む!!
「あ、そういや、フレインが任務でしばらくいねえぞ」
「のおおおおおおおおおお!!!!」
なんでだよ!! くっそ!!
「そういや、封筒がコーンに立てかけてあったぞ」
ダンテはそういい、俺に封筒を投げる。
俺は、両手でそれをキャッチして、雑に破いて、中身を確認する。軍からの書類だった。
『定期試験受験のお知らせ』
「のおおおおおおおお!!!」
「おめえ受かんのか!? そのざまでで勉強かよww、珍妙だなwww!!」
なんでこの俺が、テストなんて受けにゃいかんのだ!! 去年はなかったぞ!!
じっくり書類を読むと、軍に所属してなくても、所属してる組織が、それっぽい部署だから、軍に適応する法? ルール? 規則? を広げて、俺の所蔵してる組織にも適応するようになったそうだ。
…………
…………
…………
え!? ドッキリTV、まさかの勉強回!?