みんな揃ってのクリスマス会スペシャル!! 中編
「おいセレジア! 俺の刀返せよ!」
ダンテが笑うのを止め、セレジアに言った。
「良くってよ」
セレジアは左手で持っていたダンテの刀である「エイロ」をあっさりと手渡した。
「…………あ、おう…………」
俺もそれなりに驚いたし、ダンテも変な反応になってる。
「おい! なんで返しちゃうんだよ! つまんねえだろうが!!」
なんか面白くなかった。
「最初はフレインさんにあげるつもりでしたが……」
「私だって……い……いらないもん……」
「ということで、お返しすることにしまして」
「じゃあなんで奪ったんだよ!」
ダンテがセレジアに問いただす。
「懲りるかと思いまして。わたくしがジュリアさんの首を落とそうとしたのと同じですわ。でも、刀を持ってるのもトラブルが寄ってきそうですから」
もう刀の話は飽きた。
「もう何でもいいや! おい、飯が届くぞ! テーブル用意しろ!」
俺たち4人はそんなこんなでクリスマス会をスタートさせた。
「おお! 結構豪華じゃねえか!」
俺とダンテが部屋を片付けてる時に、出前もとっておいた。テーブルに並んでるのは、寿司、フライドチキン、ケーキ、酒だ。それぞれ結構量ある。
「じゃあ、かんぱーい!」
俺だけ声を出して言う。他の3人はカップを少し持ち上げる動作だけ行った。
俺はオレンジジュース、ダンテはビール、フレインは緑茶、セレジアは水だった。
そして、乾杯のあとに飲み物を飲んだのは俺だけだった。
「なんで飲まねえんだよ!! しらけるなあ!」
「えぇ……なんか入ってそうなんだもん……」
「右に同じですわ」
「油断ならねえからな!」
こいつら…………。
「じゃあ! おれがお前らのもの飲めばいいんだろ!!」
俺はフレインとセレジアが持ってるカップを奪うと半分ほど飲んだ。
「どうよ!」
「…………」
「…………」
「おい、ダンテ! ビールよこせよ!」
「ガキが酒飲むなよ。いいや、俺もお茶飲むわ」
といってダンテは安全が保障された緑茶を新しいカップについで飲んだ。
「法律? 軍規? 知ったことかよ!! 飲ませろよ!」
「甘酒でも飲んでろよ。未成年のお子ちゃまでも大丈夫でちゅよ」
「ムカつく野郎だ。じゃあ甘酒よこせよ。甘酒は度数が1%以下なんだろ? 大量に飲めば何%かにはなるだろ」
と言って俺は甘酒をガブガブ飲み始めた。さらに、フライドチキンを食べ始めた。
他3人は食べ物を食べようとはしなかった。
「食えよ! 食え食え!!」
「じゃあ毒味しやがれ」
「ああいいぜ!」
俺は3人が指定したものを毒味して回った。何も異常はない。3人はしぶしぶ料理を食べ始めた。
フレインは寿司を食べる時、いちいち、ネタとシャリを一回剥がして、大量のわさびが入ってないかどうかチェックする始末。セレジアもどうも怪しがってる。
ふふふ……見てておもしれえ……。
視聴者の皆さんは気付いたかな? このクリスマス会がどういう意味を持っているか……。