ガラス割り2 対セレジア 前編
おはようございます。今日も「ジュリア・ブールのドッキリTV」の時間です。
睡眠薬でぐっすり寝ちまった後、目を覚ましたら、フレインの部屋。腹の調子もよくなってて、完全回復! 床で寝てたせいで体は痛いが……。
前回の再生数は30再生。普通だな。
『この番組はターゲットに人道的なドッキリを仕掛けて、それを撮影、編集し、非公式電波に乗っけて放送するという形でお送りいたします』
ということで、今回のターゲットはセレジア。
●今回の作戦
「 睡眠時襲撃して驚かすリターンズ」
帰ってきましたこの企画! やることは前回と同じ。 今度こそ驚かしてやる!
●準備
敵情視察
「あっ…………しまった…………」
セレジアの部屋を外から覗き見したら、なんとまあ、ガラス以外に、鉄格子みたいなものが設置されてるじゃねえか。
「あーあ……対策されてんじゃんww」
隣にはダンテ。楽観的なこと言いやがる……。
●打開方法
・無理やり突入する
・秘密裏に鉄格子の撤去→秘密裏に部屋に入るのが無理
・引越しさせる→鉄格子も一緒に持って行きそう。てか、そんなに待ってられねえ!
・窓以外から侵入する→壁? ドア? をつき破る? 鉄格子とどっちが簡単かな……。
・諦める→俺の辞書に諦めるの文字はねえ!!
・無理やり突入する
不可能ではない。能力を最大限使えば、あれらは壊せるし。
ベッドから遠いドアを壊すのも、セレジアの反応が見られねえし、隣の部屋から、壁ぶっ壊すにはちょっと助走が足りねえかな。
そういや、身術については説明したが、刀術については説明してなかった。以下、説明。読み飛ばしてもいいぞ。
刀術士が発動できる能力である刀術は7種類。
刀術:
《印加》刀に備わった能力を引き出す
《理解》刀に備わった能力を読み取り、理解する
《取扱》刀を自由自在に操る
《内包》刀を体の中に入れる。その状態で《印加》を発動する
《不壊》《付加》された刀が絶対的な強度を得る
《解放》《付加》された刀の能力を解放する
《付加》刀に能力を与える
俺たち刀術士は、《排他》と《加速》を発動できる指輪をもってる。刀術士ってのは能力を《付加》された特殊な日本刀を握り、力を《印加》することで、その能力を発動させる。
《付加》するのも刀術士の能力(刀術)なんだが、なにも能力を《付加》できるのは日本刀に限らない。金属であれば一応なんでも能力を《付加》させることはできる。まあ、刀以外は 相 当 難しいらしいが……。
で、本来身術である《排他》や《加速》を指輪に《付加》させ、指輪を身につけ、《印加》することで、刀術経由で《排他》や《加速》が使えるわけだ。俺もダンテもセレジアも《排他》と《加速》の指輪を身につけてる。フレインは身術士だから持ってないし、いらない。
説明ここまで。
ごめん、長くなった。つうことで、以上が俺たち刀術士が《排他》と《加速》を使える理由だ。
鉄格子窓を突っ切るには《排他》と《加速》を最大限使ってぶち破る必要がある。
「ダンテ、またぶち破ってくれな!! と言いたいところだが、今回は俺がやる」
「いや、本来はそれが当然だろ」
「……うっせえ!! ……………………練習が必要だ……」
「えらく、本気じゃねえか。まあいい、練習するなら付き合ってやる。やるなら地方の基地でやって、セレジアにばれないようにしないとな」
ということで、翌日シャール基地にて、ダンテと特訓をすることになった。施設を借りる時間は12時間。 え? 短い? 技術の上達は時間じゃねえよ。内容の濃さだ。
そして、翌日…………
次回特訓のシーンはロッキーのテーマを脳内に流してお読みください。