用語集
【ホルトゥス=クラウスス大陸】
本作の舞台となる大陸。
東西の幅はおよそ 四千キロ、南北の幅はおよそ 三千キロ。
北東から中央部にかけて大きな山脈が走り、東西を分断している。
大陸には多種多様な人の種族が暮らしており、五つの国家または集落が存在する。
人々の他に動植物、そして外の世界から到来し、定着した魔物たちが住んでいる。
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【エンリック王国】
ホルトゥス=クラウスス大陸に存在する最大の国家。
大陸の南西に位置する。
生前のアウレクス神が建国し、彼が生み出した人間たちが暮らす。
異人種の受け入れにも寛容で、エルフ、ドワーフ、稀にオーガも見かける。
首都は王都アウレクス。
人口は郊外の街、村を含め七万人程度。
国土は平野が大部分を占めるため、農業に適しており食料生産も盛ん。
大陸内国家では一番新しい。
シルウェやドワーフの集落と細い貿易、人的交流があるが、基本的には経済は国内で回っている。
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【ヴェトス国】
ホルトゥス=クラウスス大陸に存在する最古の国家。
大陸の北西に位置する。
人口は二~三万人程度。ヴェトス(魔族)たちのみで暮らす。
首都はロマ。
他に各部族が別れて暮らす集落が点在している。
他国との貿易、人的交流は無く孤立している。王都アウレクスから首都ロマへ続く道はなく、荒野を行かなければならない。
そのため、馬車であっても一月半ほどの時間がかかる。
本作が始まる数年前にエンリック王国に攻め込まれ敗北。首都と王城を占拠されている。
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【シルウェ】
ホルトゥス=クラウスス大陸に存在するエルフたちの国家。
大陸南東のシルウェの森の中に位置する。
人口は一万人程度。殆どがエルフだが、稀にドワーフや人間も見かける。
エルフを創造したエルウィンヌ神を崇める独自の宗教を国教とする。
他国と比べて特異な文化を持つ。
王都アウレクスとシルウェの間には街道が整備されており、馬車であれば二週間ほどの距離にある。
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【ドワーフの集落】
ホルトゥス=クラウスス大陸の中央山脈の麓に位置する。
人口百人程度の集落が二つ、それより少ない集落が十ほど点在している。
ドワーフたちは中央山脈で採掘を行い、それをもとにものを作って暮らしている。
エンリック王国やシルウェと交易をしているが、街道は途中で途切れており、最大集落まで王都アウレクスからは馬車で一月ほどかかる。
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【オーガの国】
ホルトゥス=クラウスス大陸の北東に位置する。
人口は数千人ほど。漁業が盛んな海洋国家。大陸国家で唯一海軍を持つ。
オーガたちもヴェトスほどではないが、孤立気味。
エンリック王国から一番遠い国で、街道も整備されておらず、馬車で四ヶ月ほどで到達できる。
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【王都アウレクス】
エンリック王国の王都。
街の西側から南側にかけて流れるヘルメア川のほとりに建てられている。
直径二キロ、周囲六キロの城壁に囲まれた大陸最大の都市。
人口は約五万人。東側に正門があり、そこから中央を貫くベオルスリック大通りが走る。
大通りの終点、街の西端にはルセアル大聖堂が建つ。
街の北側は高台になっており、王城がそびえる。
商業の中心のベオルスリック大通り、大通りの途中にある中央広場、南東には魔法具店が軒を連ねる魔法街、ほかに職人たちがあつまる職人街も内包する。
大聖堂のやや南側に位置する傭兵騎士団本営、王城へと続く坂道の中程に聖騎士団本営が存在する。
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【ルクサウレア教】
エンリック王国の国教。
建国王アウレクスを神として崇める。
アウレクスは死後天に昇り神となった、という伝説を持ち、紋章は翼、階段、太陽をモチーフとする。
王都の民は慣習で幼い頃に洗礼をうけるため、殆どが信徒だが信仰の度合いは様々で、熱心な者もいれば、いい加減な者もいる。
他国からきたエルフやドワーフには入信の強制はない。
教皇を頂点とし、各教区を大司教や司教が束ねる。王都アウレクスの大司教は枢機卿キネムド。
アウレクス神に生み出してもらった感謝を行い、神に恥じぬ人生を送らねばならない、という教え。
お祈りの言葉は「ルクシート」
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【ルセアル大聖堂】
ルクサウレア教の本拠地。アウレクスの光の梯という異名を持つ。
王都の西端にあり、大聖堂前には大きな広場と中央にアウレクス神像が設置されている。
尖塔やバラ窓を持つゴシック様式で、大聖堂の裏側には中庭を挟んで教皇の館がある。
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【エンリック王国傭兵騎士団】
メアウェンたちが所属する国営の騎士団。
平民や他国からの帰化人で構成される。
王国内の治安維持が主任務で、王都の事件の制圧や郊外での盗賊の討伐、魔族残党の掃討などを行う。
事件捜査よりも制圧、討伐が主だが、まったく捜査を行わないわけでもない。
翼、盾、松明をモチーフにした紋章を持つ。
常設は四百名、戦時には傭兵の募集を行い、六百から八百ほどの軍になる。
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【エンリック王国聖騎士団】
傭兵騎士団とは別の国営騎士団。
聖騎士団は貴族の子弟で構成され、平民は入団することができない。
王国の騎士団ではあるが、ルクサウレア教の影響力が強く、団長もルクサウレア教の枢機卿が務める。現在の団長はキネムド枢機卿。
国防を担い、エンリック王国軍の主力となるほか、平時は国境警備なども担当する。
翼、剣、太陽、階段をモチーフにした紋章を持つ。
貴族階級の常設聖騎士が千二百名、戦時は徴発を行い最大八千名規模の軍となる。
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【エンリック王国衛士団】
王都の警備を行う国営の衛士団。構成員は平民階級が主。
通常の警備や事件捜査を行う、王都の警察組織。王都の門衛たちもここに所属する。
戦闘力が高い者は傭兵騎士団に配属されてしまうため、衛士団の戦力はあまり高くはない。
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【エンリック王国近衛衛士団】
エンリック王家直属の騎士団。王族の警備や宗教的でない王家の儀礼の進行などを行う。
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【ウィンステッド商会】
セオル達ウィンステッド家が営む商会。
王都トップレベルではないが、近年急成長中。
光り輝く太陽が照らす麦畑の意匠を会章として使っている。
創業者のオスリックが革袋ポーションを発売後、騎士団や郊外を旅する商人に大ヒットし、富を築いた。
もとは商社であったが、薬草畑やポーション工場を買収し、製造業も営んでいる。
跡取りが魔族と通じるというスキャンダルに見舞われたが、なんとか持ち直した。
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【革袋ポーション】
ウィンステッド商会が開発した革袋に入ったポーション。
従来のガラス瓶入りのポーションは持ち運びに難があり、出先で使おうとしても割れてしまっていたりと使い勝手が悪かった。
オスリックはそこに着目し、割れない革袋を保存容器に選択、防水加工に加え、魔力が揮発しない封魔加工も施され、数週間立ってもポーションの効果が落ちない革袋ポーションを開発した。
これは戦闘を主に行うものや郊外を旅するものに、爆発的にヒットし、ウィンステッド商会躍進のきっかけとなった。
近年は大型の大容量タイプや、詰め替え用樽入りポーションなども販売されている。
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【スウェテセルト菓子店】
ベオルスリック大通りに店を構える高級菓子店。
王宮や、ルクサウレア教にも納入している。王都に住む甘いもの好きのあこがれの的。
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【祝歌】
エルフに伝わる精霊交信の際に歌われる歌。
主に精霊に力の行使を依頼する際に歌われる。
その他、日常でも精霊とともに行われる儀式の際にも用いられる。
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【呪歌】
エルフに伝わる精霊交信の際に歌われる歌。
祝歌と違い力で精霊を押さえつけ無理やり使役する。
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【人間】
アウレクス神に創造された、新しい人族。
繁殖力が強く、大陸の人族の中で個体数が一番多い。
反面、魔力や体力などは他の人族に劣り、個体としては突出した特徴はない。
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【エルフ】
エルウィンヌ神によって創造された人族。
長く尖った耳を持つ。
魔力に優れ、戦闘に長ける。
世界を支える精霊と交信する術を持ち、精霊の召喚を行う事ができる。
殆どがシルウェに居住するが、街を出て旅をする者もいる。
寿命が長く、かなりの期間若い。
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【ドワーフ】
鍛冶や細工、物作りの得意な人族。
身長が低い個体が多い。
生まれた集落で暮らす者と、他国へでて鍛冶屋や道具屋を営む者と様々。
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【オーガ】
身体能力に恵まれた人族。
男女ともに身長が高く、筋骨逞しい。
地元で漁師として働く者がほとんどだが、武者修行として諸国を旅する者も少ないながら存在する。
王都アウレクスではあまり見かけない。
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【ヴェトス】
神によって作られた人族。
特に魔力に優れ、魔法の行使を得意とする。
同族だけで孤立しており、他国で見かけることはまずないが、近年エンリック王国との戦争で難民化しており、よく見られるようになった。
七つの部族に分かれている。これは七柱の神々がそれぞれ自らの眷属としてヴェトスを創造したため。
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【盗賊】
街や村などの共同体での生活に馴染めず、出奔し悪事を働くようになった者たち。
この世界では全ての生物が魔力を持つが、それを魔法として行使できるかは個々で差がある。
とはいえ、まったく使えないものは珍しく、そういった者は魔法行使者の助けを必要とするため、だんだんと共同体に居づらくなっていく。
盗賊はそういったはみ出し者たちの集団で、魔法が使えないためか非常に珍しい弓という武器を使う者もいる。
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【魔法と魔力】
この世界では全ての生物が体内に魔力を持つ。また、大気中にも魔力は漂っており、生物は魔力の呼吸と呼ばれる吸収と放散を繰り返している。
体内に残留する魔力や大気中の魔力を取り込んで、魔力を使って力の行使を行うことを魔法という。
生物が魔法を行使することは、彼らにとって特別なことではないので、呪文の詠唱などは行われない。
盾魔法などの魔法名は、組織だって行動する際に指揮命令の必要があってつけられただけで、発動にその名を呼ぶことなども必要はない。
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【ポーションと回復魔法】
この世界には回復魔法は存在するが、ほとんど用いられることはない。
回復魔法は時間の経過を早め、傷の治りを促進するというもの。
時間操作魔法は習得が非常に難しく、行使できる者がほとんどいない。また、傷を治す材料や体力は患者のものが用いられるため、重傷者は体力がもたず、傷は治っても力尽きてしまう者がでてくるなど、使い勝手が悪かった。
その最中、動物や植物、魔物たちも魔法を行使しており、薬草と呼ばれている植物は時間魔法を常に行使している事が発見された。
これによって特殊な手法でその成分を取り出し、更には滋養強壮の添加物が加えられたポーションが開発される。
ポーションは誰にでも使え、回復に使う体力も外部から取り入れられる、と回復魔法の使い勝手の悪さを改善したものになっており、一気に世界に広まった。
現在では、傷の治療はすべてポーションで行われるようになっている。




