Cランク討伐に行ってみる
俺たちは師匠さんの所で一泊して昼くらいに帰る事にした。
それまでネルがマジでずっと戦っているけど疲れないんだろうか。
山を降りて街に帰ってきたが、時間的にも依頼を受けれそうにないし、適当に夕食を済ませて、宿に泊まった。
次の日ギルドに行くと、兄ちゃんから声がかかる。
「Cランク討伐の引率してくれる奴が見つかったがやるか?」
そういえばそんな約束してたわ。
「あー…じゃあ、ご迷惑でなければ」
「わかった、依頼書はこれだ。 引率の冒険者を呼んでくるから待っていなさい」
「あ、待って兄ちゃん。 新しい杖貰ったから登録したい」
「わかった先に手続きをしてからにしよう」
カウンターに杖を置くと、兄ちゃんが目を丸くしてため息をついた。
「これを貰った?一体何をしたら貰えるんだ」
「師匠さん。 マキネさんだっけ? 試合したら貰いました」
「剣豪夫妻か…」
そう兄ちゃんがつぶやくと、紙束をめくり何かを書き込んでいく。
「長杖を2本持っている冒険者はそういない、盗られないように注意しなさい」
登録が終わってしばらく待っていると、兄ちゃんが3人の男女を連れてきた。
「君たちがCランクの討伐をしたいと言っている新人か? まず1つ言う、身の程を弁えろ。 どれだけ腕に自信があるか知らないが、Cランクの討伐依頼を甘く見過ぎだ」
開幕もっともなことを言われてしまい、俺はそれに同意する。
「そうですよね、別にこれといって行きたいわけでは無かったんですが、流れでそうなっちゃって、お邪魔なら置いていって構いません。 兄ちゃん…受付の人には言っておきます」
ネルも師匠と一日中戦って満足してるので、マジで行く必要が無くなっていた。
「ねぇ、カズくん。 なんか噂と違くない? というか男女の二人組だっけ? 男だけって聞いてた気がするんだけど」
「うむ…」
たぶん、この人達クラスメイトの事言ってるな。
「それ、たぶん違う人ですね。 まぁ似たような事をしてる自覚はあるんで、なんもいえないですけど」
「あ、いや、そうだったのか…すまない。 えっと、Cランクは本当に危ないから気をつけるんだぞ」
なんか、ギクシャクした感じになってしまった。
「じゃあ断ってきますね。 なんかすいませんでした」
軽く会釈をして立ち去ろうとすると、注意してくれたお兄さんが肩を掴み止めた。
「待て待て待て、こっちは引率代を貰う事になっているんだ。 君達さえ良ければ、そのまま受けても構わない」
なんか立場逆になってません?
「えっと、じゃあそう言う事なら」
依頼書を見る前に自己紹介から始まった。
パーティー名は『銀の砂』というらしい。
3人とも砂漠の方の出身で、昔話に出てくる銀色に輝く大地を探しているらしい。
リーダーのカズナさんは最初に注意してくれた人だ、あと二人は魔法使いのメグルさんと、盾職のタクスさん。
こちらの自己紹介の時『食睡道楽』がパーティー名だと告げると、すごい微妙な顔をされた。
「まぁ、その、いい名前だと思うわよ?」
メグルさんがフォローしてくれるが、俺も微妙だと思っているから心が痛い。
ネルはなんで自慢げやねん、お世話だよ。
自己紹介も終わり、依頼の話を始める。
討伐対象は雪山にいるケーフノという体長5mで6本腕の化け物らしい。
この季節が繁殖期らしく、増えすぎると近隣の村に出没するため間引きをするようだ。
そのため討伐数は10体以上30体未満と数も多い。
Cランクって大変なんだな。
日程としては明日出発して、7日後に村に到着、討伐できるまで近隣の村に滞在するらしい。
雪山、というか、雪が積もったところを見たことがないので少しワクワクする。
色々と必要な物を教えてもらいながら準備するが、俺は防寒着くらいしか要らなかった。
魔装があるので防寒着すらいらないが、一日中発動してるわけにもいかないだろう。
ネルは何故かメグルさんに気に入られ、お昼なんかも食べさせてもらっていた。
カズナさんはAランクのモンスターをソロで討伐した事がある実力者らしく、本来ならAでもおかしく無いらしいが、Bランク以上は街に縛られる事が多いいらしく、Cランクで止めているそうだ。
そんな話を聞く限り、俺たちもCランクで止めておいた方がいいのかもしれない。
そのまま一日一緒に行動して、夕食時にはケーフノの討伐の仕方や、剥ぎ取る物を教えてもらい、準備が終わる。
ちなみにケーフノはあまり美味しくないらしい。
「ネルちゃーん!また明日ねー!」
「ん、よろしく」
なんか凄く仲良くなっている、別にいんだけどさ。
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クラスメイト紹介 4 佐藤くんと高野くんと工藤くんのその後
「教官、俺達は本当に勇者でこの世界を救えるのか?」
灰色熊に襲われた日、3人は訓練をしてもらっている王国の騎士に相談をしていた。
「お前たちは…城から抜け出したやつらか、モンスターにでも襲われたか? この時期だと灰色熊あたりか」
その言葉に3人はビクリと体とこわばらせ、青ざめる。
「俺も文献でしか知らないが、前の勇者も灰色熊に逃げ帰ったってのが残っているから今は気にするな。 冒険者の間ではあいつを倒せて一人前だと言われている。 まずは、あいつを倒せるようになるのを目標にしたらどうだ?」
「俺たちにできるかな?」
「それをできるようにするのが俺の役目だ、ドラゴンだって倒せるようにしてやるよ」
3人の背中を物理的に押して、訓練場に連れていく。
勇者だから、困っている人がいるから、帰りたいから、いろんな感情が3人にはあるが、もう少しだけ真面目に訓練しようと心に決めたのは、3人とも同じだった。




