↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/225

死なないとわかってても恐怖は感じる

 ネルの師匠との勝負に勝って、蔵にある杖をもらう事になった。

 蔵の中は意外にちゃんと整頓されているようで、何本もの剣が棚に置かれている。


 杖はないかと探すと、端の方に長い杖が1本樽に入れられていた。

 小さい杖も何本があったが、大きい方に目が行くのは仕方ないだろう。

 それにしても長杖だぞ?管理が雑じゃないか?


 見た目は特に何も装飾はなく普通の長い木に見える、特徴といえば先の方がL字に曲がっているだけだ。


 早速杖を手に取り鑑定する。


[世界樹の怒り]

自然を軽んじる者は自然に殺される。

持続時間4分

1、MP200

2、MP400

3、MP800

4、MP1600

5、MP3200


 今までと表記がだいぶ違う、やはり長杖は異質な物らしい。

 MPの左にある数字は何だろうか、増えるごとにMPも倍に増えているし、嫌な予感しかしない。


 まぁ、これにするんだけど。


「アキ、いいの見つかった?」


「ああ、これにするよ。 どんなのかは師匠さんに聞けば分かるかな?」


 蔵を出て師匠さんの元へ、戻ってきた。


「それを選んだか…でも…うーん…」


 そりゃ、そうだろう。

 魔宝具店で売っていた長杖は、最低でも金貨200枚からだった、ただであげるのはさぞ悩む事だろう。


「いいだろう。 アキ、もう一度戦ってくれ。 次はその杖を使ってだ」


 どういった杖か聞くと、木を自在に操る事ができるそうだ。

 横の数字は本数だったか。


 一本で試してみると、俺の目の前から太さ50cmはある木がニョキニョキと生えて来る。

 地面には何にも影響がない事から召喚しているのだろう。 

 操ってみると、先の尖った木が思った通りに動いてくれる。

 射程は10mはあるだろうか、効果時間が終わると木は徐々に薄くなって、何事もなかったように消えた。


「私が戦った時は3本の木が私に迫ってきて、それを私はバッサバッサと切り刻み、最高に楽しい試合だったのを覚えている!」


 この人あげる事に悩んでいたんじゃなくて、もう一度戦いたいとか、そんな理由で悩んでたな。


「さっき戦ったばかりたからな、今からは無理だろう。 今日は泊まって行くといい! ユジャくーん。 2人追加だ!」


 師匠さんが家の中に叫ぶと、大人しそうな男の人がエプロン姿で出てきた。


「師匠の旦那さん。 師匠と同じくらい強い」


 ネルが隣でそう教えてくれた。

 マジか、こんな大人しそうな人が師匠さんと同じくらい強いのか。


「君がアキくんだね、僕と同じ匂いがする子だね、マキネさんに勝負でも吹っかけられなかったかい?」


「大丈夫、師匠、手も足も出なかった」


「ほう、それはすごい。 僕も手合わせしてもらっていいかな?」


「遠慮しときます。 卑怯な手を使ったんで、勝ちと誇っていいものか」


「いやいや、君は見た目的に魔法使いだろ?卑怯な手を使ってなんぼさ」


 なんか、久しぶりにまともな人と出会った気がする。


「アキ、師匠と戦ってくる」


 ネルは縁側をぴょんと降りて、生徒と試合をしていた師匠の元へ走っていった。


「アキくん、苦手な物はあるかい? 出来るだけ入れない事はできるけど」


 多分昼食の事だろう。


「ないです。 そうだ、これ使ってください」


 アイテムボックスから灰色熊の肉を出して、ユジャさんにあげる。


「いいのかい? ありがたく使わせてもらうよ」

 

 みんなで昼食を食べた後、少し休憩したところで師匠さんが早速始めようと言い出し、俺の腕を引っ張って庭に連れ出された。


 MPってこんなに早く回復するものだろうか?

 まあ、いいか。


 師匠さんの武器がさっきまで使っていた物と変わっていた、刀のような薄い刃物になっている。

 あれが本来の愛刀だろう。


「じゃあ、行きますねー!」


 合図を送って、まずは3本の木を正面と左右に退路を断つように伸ばした。

 上か下、どう避けるかで残り2本の木を召喚せずに待機させる。


「は?」


 衝撃的な現象に声が漏れる。

 正面から襲いに行った木が半分に割れた。 そして、その割れ目の間を一直線に走ってくる。

 俺は慌てて左右に伸ばしていた木をハサミのように閉じると、師匠さんはその木の上に乗った、それを好機とみて、師匠さんを空に打ち上げる。


 空中なら避けれないし、切る力も入らないと思い、待機させていた2本の木も使い、五方向から一気に攻撃をするが、師匠さんは刀から片手を放し、その手で木を掴み逆立ちするようしにて回避し、木をバラバラにする。


「ハハハハハ!!楽しいな!アキ!まだ出てくるとは思わなかったぞ!」


 怖い怖い怖い!化け物かよ!体感どうなってんだ!


 師匠が地面に着地すると、一つの足跡を地面に残してその場から消えていた。


 これはこの前訓練所でネルにやられた技! 身長的に下はないから上か後!

 そう思い後ろから木を召喚して、頭上を護るように俺を囲う。

 しかし、すでに遅かったようで後ろから抱きつくように捕まり、首に刃物の裏を押し付けられていた。


「前の魔法使いより楽しかったぞ!満足した!」


 俺は死んだかと思った!


 弟子たちが歓喜の声を上げるが、俺の心臓はバックバクだ。


「アキ、私もあれと戦いたい」


 ネルが近づいてきて戯言を言いよる。


「もうしません!!!!」


 山の頂上だったからか、全力で否定する叫びはやまびこになって反響した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。