装備欄を見てみよう!
ゆっくりやっていきます。
学院長室をあとにした俺は、自分の住む小屋へと戻り、ベットの上で寝転がる。時間的にはまだ八時くらいなのであまり眠くない。
今日は疲れた………いや、今日もか。なんだかここへ転移されてから落ち着く時間がほとんどなかったからな…。こうやってベットに寝転んで考え事するのなんて、久しぶりのように感じる。元の世界では当たり前だったが、今になってそのありがたさを痛感した。
さて、こうやってゆっくりする時間ができたことだし……何をしようかな…。まだまだ試したい事が沢山あるのでどれから始ようかと迷ってしまう。
俺は取り敢えずメニュー画面を開き、まだ表示したことのないアイテムボックスの装備欄を見てみることにした。
ふむふむ……俺がMMORPGアルザストルーナをやってた頃の武器やら防具がいっぱいあった。ちなみに、最後にやった大決戦イベントの報酬まで入っている。
そういえば、報酬の武器とか防具の性能を確認してなかったなと思い出した。俺は装備一つ一つにタップして詳細を開いた。
――――――――《詳細》――――――――
・『暴君の重鎧』
[聖騎士、剣士、鍛冶師、グランドマスターなら装備可能。種族制限なし]
【固有能力:エレメンタルカット】
・説明:十秒間、使用者から半径二メートル以内の全ての魔法効果を遮断する。使用後、半日はこの能力を再度使用する事が出来ない。
・『タイラントハンマー』
[鍛冶師、グランドマスター、またはドワーフ族なら装備可能]
【固有能力:グランドブレイク】
・説明:大地を破壊する。地震を起こす事も可能。ただし、使用者の魔力を半分消費する。
・『タイラントグローブ』
[装備制限なし]
【固有能力:ギガントパワー】
・説明:腕力や握力が上昇する。拳サイズのミスリル鉱石なら軽く握り潰すことが可能。ただし、使用者のレベルに応じて威力は変動する。
・『聖天龍の翼』
[装備制限なし]
【固有能力:フライ】
・説明:空を飛ぶことが可能。神々しさが増す。本当に翼が生えているように見える。
・『ホーリーナイトアーマー』
[聖騎士、グランドマスター、竜人族なら装備可能]
【固有能力:聖域結界】
・説明:魔物のエンカウント率が激減する。また、神聖魔法【サンクチュアリ】でも同じ効果が得られる。魔物や魔族がこの鎧に触れた場合、少量のダメージを負う。
・『ホーリーランス』
[聖騎士、グランドマスター、竜人族なら装備可能]
【固有能力:神罰】
・説明:聖属性の落雷を発生させる。天候が雨や曇りの場合、更に威力が増加する。
・『ホーリーナイトセイバー』
[聖騎士、剣士、魔法剣士、グランドマスター、竜人族なら装備可能]
【固有能力:裁きの斬撃】
・説明:聖属性の斬撃を飛ばす。抜刀攻撃力も上昇する。
・妖刀『白夜』
[サムライ、アサシン、グランドマスターなら装備可能。種族制限なし]
【固有能力:不殺の誓い】
・説明:この妖刀での攻撃は全て精神ダメージへと変換され、それと同時に攻撃した相手の魔力を削る事が可能。
・『女神の指輪』
[魔族以外の種族なら装備可能]
【固有能力:魔力操作・魔力感知】
・説明:魔力の扱いが大幅に上昇する。他人の魔力に、少し干渉することも可能。魔力を感知しやすくなる。
・『漆黒の羽衣』
[サムライ、巫女、マジックキャスター、死霊術師、呪術師、グランドマスターなら装備可能]
【固有能力:女神の祝福】
・説明:魔法耐性が大幅に上昇する。また、装備者のレベルに応じて一定の魔法を無効化する。運気も少し上昇する。
・『女神のドレスアーマー』
[聖騎士、剣士、魔法剣士、グランドマスターなら装備可能。また、魔族は装備出来ない]
【固有能力:戦女神の祝福】
・説明:攻撃力が大幅に上昇する。ただし、その分防御力が落ちる。
・『空想神機』
[意志の強い者なら装備可能]
【固有能力:オールドアビリティ】
・説明:万物に干渉・変化する能力。装備者の意志の強弱によって威力が変動する。
――――――――――――――――――――――――
「……………………………………………」
一通り目を通したけど、今装備出来るのが『タイラントグローブ』に『聖天龍の翼』、『女神の指輪』くらいだ。『空想神機』はちょっと分からないので保留。装備出来ないものと一緒にアイテムボックスから出さずに仕舞っておく。
そして今すぐ装備出来るものを、取り敢えずアイテムボックスから取り出してみる。
『タイラントグローブ』の見た目は、黒色の革手袋だ。手に嵌めるが、全く違和感が感じられない。かなり軽く、まるで革手袋を着けてないように感じた。
俺は『タイラントグローブ』を外すと、次の装備へと視線を移した。
『聖天龍の翼』は、ヘブンズドラゴンの翼を人間サイズに縮小したような感じだ。白金色に輝く鱗に、ところどころ青色の模様が入った翼膜。そしてその翼が醸し出す神々しさは、大決戦で見た時と同じだ。
そして『女神の指輪』は、シンプルな銀一色で、他に何も装飾されておらず、アクセサリーショップで売ってそうな見た目である。
「さて……装備するにしても『聖天龍の翼』は目立ち過ぎるからアイテムボックスに仕舞っておくか…」
俺はそう言うとアイテムボックスへと『聖天龍の翼』を放り込んだ。メニュー画面に飲み込まれたかのようにスムーズに入った。
俺は『女神の指輪』を右手の親指に嵌めて、その上から『タイラントグローブ』を装備した。
「……おっ?」
この二つを装備した瞬間、俺は自分の変化に気が付いた。今までしなかった何かが、近くの森から感じられる。いや、それだけではない。なんだかこの空間からも僅かな何かを感じ取る事が出来た。
その何かは、今日の早朝に学院長から感じ取れたのと同じものなので、これが魔力なのだろうと一人納得する。つまり、空間にあるごく僅かな魔力まで感知出来たのだろう。しかも範囲は近くの森まであるし。
チートな装備しかないなと思ってはいたのだが、実際に装備してみるとその性能に驚かされる。やはりここは実践あるのみだと思い、俺は小屋の外へと出た。
小屋の近くにある小石を拾って『タイラントグローブ』でグッと力を入れて握ると、小さな音と共に粉々に砕けた。
「能力は本物か……」
粉々に砕けた小石を見て俺は確信した。どうやら装備の能力はこの世界でも反映されるようだ。ただの仮説でしかなかったのだがな。俺は少し満足気な笑みを浮かべる。
さて、今度は何をしようかな……と、考えたところで俺のお腹がグゥ…と鳴った。
「その前に飯でも食うか…」
お腹が減ったので俺は小屋に戻ると、適当に食材をアイテムボックスから取り出して調理した。食材の調理法が分からない場合は、アイテムボックスの貴重品欄にレシピが入っていた。ここもゲームの時と変わらずアイテム図鑑やモンスター図鑑、更には攻略本まで入っていた。
俺は手早く料理を食い終わり、アイテム図鑑を読み始める。この世界にも図鑑に載っているアイテムやモンスターがいるかもしれない……というのは単なる建前でしかなく、本当は暇潰ししているだけなのだけれど。
どれくらい時間が過ぎただろうか……。ペラペラとページをめくって図鑑を読み漁っていると、小屋の扉を軽くノックする音が聞こえた。
メニュー画面の隅に表示されている時計を見ると今は大体9時くらいだ。こんな時間に誰だろうと俺は疑問に思いながら扉を開けた。
「こんな遅くにすみません……。大事なお話があるのでここに来ました…」
俺の視界に入ってきたのは真剣な顔をしたミーナだった。
今後、少し短くなるかもしれません。




