こちら、聲質研究部!
Lコンも終わり、打ち上げに行ったカラオケを楽しみ……そして、日常は元に戻りました。
どこか気怠く、柔らかく、素敵な日常です。
「雨野様、そのニヤニヤしたお顔、気色が悪いのでやめてくださる?」
はっ、学級委員長様ではないですか。
僕、そんなに気色悪くニヤついてましたか……。
「すみません、僕は気色が悪い社会カースト最底辺の元引きこもり野郎です、生きててごめんなさい」
「このクラスの学級委員長である間宮桃李の前で、無駄に自分を卑下するセリフを言わないでくださるかしら。気分が悪いです」
「ごめんなさい、女王様」
「……今、貴方、この間宮桃李に向かって何と呼んだのか、教えてくださる?」
「あっ! ごめんなさい間宮さんっ」
「……もういいです。雨野様、もう放課後ですから、すぐに部活に行ってくださるかしら」
「はい、仰せのままにです」
「……もう、気にしないことにします」
縦巻きロールの学級委員長様とも、すっかり仲良しさんです。
あの人、意外と良い人なのでした。
「おっ、アマノン来たね!」
「雨野さん、お菓子食べますか? 美味しいですよ」
「柳きゅん! そこ踏んじゃダメだから気をつけてねぇ、機材置いてあるからぁ♪」
部室に行くと、皆さんが笑顔で迎え入れてくださいます。
「あ、柳くん。今日の放送、君もするから準備しておくんだよ?」
「へ? えっ、聲研ラジオですか? 僕が出ても良いんですか?!」
「え? だって、柳くんも聲研部員じゃないか」
何を当たり前のことを、と有徳さんがキョトンとしました。
そして鷹野先輩は、和菓子を片手に、眼鏡のレンズをピカーンと光らせます。
「雨野さんも、とうとう聲ラジレビューなのですね。心配なのであれば、手取り足取り、あんなことやそんなことまで教えて差し上げましょう!」
「やめろ鷹野! アマノンは健全な良い子だから、やめなさい!」
「バナァナで練乳マンゴーですよ!」
「やめぇーいっ! 小日向チョップ!」
「あ、リツくん、オレの『鷹野チョップ★』パクりましたね? そんな人にはお仕置きですよ」
「バナナと和菓子片手に、何するつもりかなぁ?! それ混ぜたら、味がえげつないことになるよ!」
「バナァナとバナァナで、何がナニでも良いんですよ?」
「やめろ! 高度な下ネタを挟んでくるな!」
バナナ? え、あの黄色い果物は、下ネタなんですか?
「あっはぁ、リョンリョン、そのバナナ、太くておっきいねぇ♪ 食べて良いかなぁ?」
「ミミィもやめて! 悪ふざけしないの! バナナが太くておっきいなんて、言っちゃダメよっ、お母さんはそんな子に育てた覚えは無いわっ」
何気に小日向先輩の、お母さんの真似って上手いんですよね。
声も、まるでお母さんみたいに聞こえて、なんだか……不思議です。
「柳くん、それは不思議なんじゃ無くて、ただ単に小日向先輩が気持ち悪いだけだよ」
「ああ! そういうことですか」
「待って納得しないでアマノン?! てかウクルン、俺って一応、先輩だよね、そんな扱い方して良いの?!」
今日も、なんだか聲質研究部は、賑やかですね。
と、その時、部室の扉がノックされました。
扉の隙間から覗くのは制服。どうやら生徒さんみたいです。
もしかしたら、新入部員かもしれませんね。元気よく挨拶をしなくては!
「こんにちは。こちら、聲質研究部です!」
どうも、作者の緋和皐月です。
いやはや、無事に終わりました、こち聲!
投稿したての頃は、ブクマさんもあまり増えず、PVも数人、と低かったのですが、気がつけば総合評価も100に近づき、ブクマさんは現在16人!
大したことないじゃないか、と思われる方もおられるやもしれませんが、私にしては凄いことなのですよ。へへ。
今これをご覧になっている、読み手の皆様。
雨野柳の成長に、お気づき頂けましたか?
私が更新を忘れていたり、諸事情により完結を急いだりもしましたが、お楽しみ頂けたでしょうか。
「こちら、聲質研究部?」通称、こち聲。
最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました!




