放課後の学校
目を開けると真っ白な世界があった。天井と今寝ている所から、おそらく保健室だろう。長く眠っていたのだろうか、目やにが目に当たって少し痛い。目やにを丁寧に取り起き上がると、横に……誰もいない。夢落ちなんかじゃなけりゃあ、俺は確か広島とかいう超絶鬼畜腹黒野郎にキレてパソコンのモニターをぶん投げようとしたら……誰かが取り押さえたんだよな……真正面から力はかかってなかったから、広島ではないと思うのだが。
それで背中に激痛が走って……それから先が思い出せない。
てか普通こういうときって隣に女の子がうたた寝してるんじゃないの?それで、「ハッ」って起きて、「あうぇううごめん吉留君」とか「大丈夫だよ。ほら涎ついてる。ウフフ」なんて言う展開じゃないの?そこからフラグ立つんじゃないの?漫画とアニメの世界だけですね。はい。
近くにあると時刻が六時を過ぎていたので、普段HRが終わってすぐ帰る俺にとってはちょっと不思議な気分だった。
靴を履き、バッグを担ぎ、プライバシーを保護しているカーテンを開ける。そういえば保健室に連れてきたのは一体誰なんだろう。
カーテンを開けると養護の先生、眞鍋先生が一人でパソコンで作業をしていた。
俺の方も向かず淡々と告げる。
「あ、やっと起きたね。早く先生を帰らせておくれよ」
いきなり保健室の先生に嫌味を言われた。カウンセリングでこの人と当たったら、どんな気持ちで帰るのだろう。今日は踏んだり蹴ったりだな。
「すんません、さっき起きたもんで……」
「まあいい、そこに保健室使用書に記入して退出してくれたまえ、治療はもう施しておいた」
「え、俺どこか怪我してたんですか?」
そういわれると背中に少し違和感を感じる。感覚から推定すると湿布だろう。
「背中に軽いあざがあったのでな」
壁に背中がぶち当たったときしか考えられない。そういえばモニターは壊れていないだろうか。場合によっては弁償しなきゃいけないし。帰るときに見にいっておくか。
使用書に記入し、保健室を出ようとするが一つ忘れていたことがあった。
「先生、俺はどうやってここに来たんですか?」
「プライバシーだ。そのことについては言うことができない」
「それプライバシーなんですか」
「という伝言だ。それ以上のことは言わないでくれと言わないでくれとも伝えた。なのでここまでしか君に情報を伝えることはできない」
「そ、そうっすか……」
なんだろうこの敗北感。
だが眞鍋先生はそのあとにこんなことを呟いた。
「ただ連れてきたのは女の子だということは伝えておこう。せめてその子とこのことを機に恋愛でもしてみたらどうだ。そうすればこれからの日本も1ナノくらいは良くなるだろう。どうせ私なんてそんなものできないのだからな」
褒めてるのか、嫌味をいっているのか。最後になんか呟いていたけど、よく聞き取れなかった。
「ま、まあそれなりに、ははは……」
なぜかこっちまでやり切れん気持ちになってきた。早くここから出よう。
吉留くんってイケメンじゃないのね。




