事の始まり
私には、視界がない。
それでも春の花々に目を輝かせて、夏の空の青さが眩しく映る。秋は落ちゆく葉の色鮮やかさにため息をこぼし、冬には雪の白さに見惚れる。
でもそれは、純粋な私の視界ではない。これを見るべき人は、もうこの世にはいないのだ。
事故だった。中学の、もうみんな進路が確定して気が緩み始めた頃。教室で友達と話していたら、近くで掃除用のほうきで遊んでいた男子の輪からそのほうきが飛んできた。
たまたま目の近くに当たり、慌てて行った医者にも視力の劇的な回復は見込めないと診断された。
別に悲観はしなかった。男子達に悪意はなかったわけだし、全盲になったわけでもない。日常生活は多少不便することはあるだろうが、見えているなら別にそこまで不幸でもない。
それでも周りはそうは思わなかったらしく、両親はひどく落ち込み涙を流した。生徒の管理不足を責められた先生達からは土下座するのではないかと思うほど謝られ、私に怪我をさせた男子生徒とその親御さんからも菓子折りを持参された上でしつこいくらいに謝られた。
そんな中、悲観していた周りには朗報が入った。私の目の移植手術が決まったのだ。これにより、私の視力は劇的に回復し日常生活も問題なく送れるようになった。正直私よりドナーが必要な人はいるのではないかと思ったが、その人と適合したのがたまたま私だったらしい。
そんな偶然が重なり、私は入院の影響で遅くなったが立派な高校生になった。私の視力が回復したことで、両親も周りも喜んでいたし退院祝いでお菓子やお金ももらえた。……まあ、結果的にはよかったのかな、と私は楽観的に考えていた。
いまいち使い方分かっていないので読みづらいかもですが、生温かい目で応援していただけますと幸いです…




