第22話(AH1-22)
俺はほんの一瞬、隙を見せた。
その刹那、騎士団長が打ち込んできた。
わざととはいえ隙を見せた分、俺の回避行動はワンテンポおくれる。
騎士団長の一撃はかするだけでも大ダメージなのだが、その一撃が俺の左腕をかする。
痛いーーーーー。
左腕が複雑骨折だ。
でも、この一撃の後に生まれる騎士団長の隙を見逃すわけにはいかない。
一瞬、動きが止まっている騎士団長のみぞおちに重い一撃を与える。
騎士団長は崩れ落ちた。
俺は複雑骨折した左腕を押さえながら勝利を確信した。
静かにミシェルが俺たちのもとにきて、傷を回復してくれた。
さすが聖女の回復魔法である。何もなかったかのように完璧に治っている。
俺は二人に連れられて公爵邸の一室に案内された。
まさに貴族というドレスに着替えたミシェルは美しかった。
女頭領のボディーラインが強調された衣装もいいが、胸が強調された貴族ドレスもいい。
どちらもいい、選べない。
もちろん、ミシェルも花嫁候補のひとりである。
俺はファイヤードラゴン討伐の作戦を説明した。
ミシェルと騎士団長は、だまって聞いている。
説明後、ミシェルはしばらくだまって考えているようだった。
騎士団長は何も言わずにひかえている。
ミシェル:「あなたの作戦はわかったわ。同意するわ」
騎士団長:「ミシェル様!お嬢さま自ら戦闘に参加するなどありえません!」
ミシェル:「でも、私ほどの回復魔法の使い手はビーナスにはいませんわ。彼のいうことは試してみる価値があります」
騎士団長:「しかし、失敗したときはお嬢様のお命がなくなります。私は同意することはできません!」
ミシェル:「いずれにせよファイヤードラゴンが討伐できないときは、遅かれ早かれこのビーナスは滅びるでしょう。私にはビーナスの皆さんを守る使命があります。逃げるということはないのです。それに心配なら、騎士団長、あなたが私を守ってくれればよいのでは?」
騎士団長:「・・・わかりました。お供いたします」
そういうと、騎士団長は胸に手をあて、軽くお辞儀をした。
ミシェル:「よろしくお願いしますね、騎士団長」
・第1陣が 俺、メアリ、エリザベス、ミシェル、騎士団長
・第2陣が 副騎士団長率いる騎士団精鋭30名+回復魔法使い10名
となった。
結局のところ、ファイヤードラゴンの全体攻撃である灼熱ブレスをあびてしまうと、回復魔法が必要である。人数が多いほど、回復が大変なのである。
少数精鋭で戦ったほうが戦場での刻々と変化する状況にも対応しやすいし、崩れた時の立て直しも行いやすいのである。
事実上、第1陣で討伐できなければ、勝ち目はない。




