↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/23

第八話 地球の異変③

 龍之介は今アラサーだ。


 この年になるまでに大体のことは経験してきた。もちろん、女系統は抜いて、だが。


 だからこそ、そんじょそこらのことでは驚かない。その自身がある。


 だが、こればっかりは無理であった。


「うわあああああ」


 左ハンドルを急いで切る。


 目の前の、よくわからない、狼の姿をした怪物が襲いかかってきていた。


 狼だけど狼じゃない。第一、眼球が腐ってる。それに3メートル以上はあるその体躯。狼では考えられなかった。


 そいつは急に出てきた。


 彼が山道を運転していると、山から落ちてきたんだ。


 そしてそのまま襲いかかり、今に至る。


 車は、その場で180度回転し、きた道を戻り始める。


 後ろからは、なお怪物が追ってきていた。


「流石に車よりは早くないか」


 龍之介は少し安心しながら車を走らせる。


「それにしても、今のは一体・・・」


 だが、彼が思考の沼にはまることは許されないようだ。


「おいおい、嘘だろう」



 なぜなら、彼の目の前には、もう一匹、狼の魔物がいたのだから。



 急ブレーキをかけ、車から降りる。


 後ろを振り返れば、そこにはまた、同じ光景が、狼の魔物が住んでいた。


「これ、つんだな」


 龍之介は、少し伸びてきたひげを触りながらつぶやく。


 そしておもむろに武術の構えをした。


 彼は己を至って普通のサラリーマンと称しているが、その実、そうではない。


 その理由は、彼の経験の多さにある。


 性欲を犠牲に、人間ができるほぼすべての経験をしてきた。


 それが彼だ。


 もちろんその中には武術も含まれているし、狼を殺したことだってある。


 だが、本来ならば、かじった程度の武術では、狼、ましてや魔獣を殺すことなど不可能出会った。


 そう、それだけであれば。



ーーー龍之介殿 あなたを世界で最初の、『勇気あるもの』と認めますーーーー


 この声は、龍之介のみに届いた。


 そして、次の瞬間、龍之介の肉体に光が宿る。



「こ、これは・・・」




 その光は数十秒続いた。


 そして、その光が収まる頃には、彼の手には、一本の剣が握られていた。


 其の名を


 勇者の剣




 混沌とした世の中に、秩序と正義をもたらす剣である。


 本来であれば、地球に存在はするはずがなかったが、なぜか剣のみ存在が証明されている。



 龍之介は剣を持った瞬間、その命運を悟る。


 己のではない。


 醜き狼たちのだ。


「さあ、始めようか」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。