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浪漫 寝具 讃歌  作者: 尾生 礼人
8/10

(古の魔導具 使いか。おもしろそ……)


我こそは、(いにしえ)の魔導具 使い。

その名も、リ・ユース!


今日も壊れた魔導具や動かなくなった魔導おもちゃを直すのだ!


ハーッ、ハッハッハ!



‘いや、だぁかぁらぁ~!

なんでもかんでも、私の方に持ってこないでくれたまえ!’


テレビの取材を受けたのが運の尽き……。

『テレビに出てたから信用できる(ハズ)』、と地元の同業者をガン無視して、遠く離れた町からも私一人に注文が殺到。


得意 分野も 揃えてる機材や替えの部品も、それぞれ異なると言うに……。


ばかりか、私ばかりに依頼が集中すると、各地の同業者が廃業してしまう。


いっそ、同業者 同士の横のネットワークを作って割り振るのも手だが、どんな業界も聖人 君子ばかりではない。


トラブルに巻き込まれたら怖いので、とりま、近場にも同業者がいますよ~? 送料も高くつきまっせ~?と、念を押してから引き受けている。


こちらも顔が見えない相手とのやりとりは、ストレスが大きい……。人となりをみてから引き受けるか決めたいのだが……。



修理といっても、手順はシンプルだ。


付喪神(つくもがみ)に故障の原因を尋ね、問題点を把握。魔法でバラし、手直し もしくは部品 交換。それから魔法で元に戻す。


そう言えば簡単そうだが、最初の付喪神に尋ねるところからして既に難題だ……。


付いてるのは大抵、持ち主やらの残留 思念的なもので、付喪神(つくもがみ)なんて 大層なシロモノは めった に宿っちゃいない。


調べながら、なんらかのサインが示されるのを待たないといけないのだ。


しかも、問題の箇所は直しても、後日、別の箇所がおかしくなったとなれば、あの時の修理 作業に問題があったのでは?とか、

ひょっとしたら状態の良い部品を引っこ抜いて壊れかけと差し替えたんじゃ?と疑われるなど、トラブルも珍しくない。


手直しも、魔石の寿命が持ちそうなら魔力充填、古ければ交換。魔力 回路 基板の不具合も 直せるレベルなら手直し、無理なら交換。


交換する場合、手持ちにない魔石なら取り寄せか採取。基板も、慣れてる同業者に製作を依頼するか、自作となるが、これが結構 金も手間も かかる。


高い金をとるためにデタラメを言ってるんじゃないか?とか、そこまでは出せない、とか なれば、修理は中断……。

最低限の手間賃は頂くルールだが、直せなかったんだから……とタダ働きをねだる あつかましい輩も少なくない。


いっそ、一見(いちげん)さん お断りにしたいところだが、門戸は広くしとかないとメシは食えない。


(何かあった時に責任もって後始末してくれる人の紹介なら、安心できるのだが……)



in 骨董市


(魔導具は便利だが、かさばるのがなぁ……)


毎度 恒例、知り合いの店を回っては頼んでいた品を購入。その後は(いち)をブラブラ見て回る。


伝説の機械 文明では、豆より小さな装置が ちまたに溢れ、機能も今日の魔導具とは比べ物にならなかったそうだが、あくまで おとぎ話の域を出ない。


(……せめて見つかれ、古導具さま)


出店を留守を使い魔に任せ、めぼしいものを一漁りしていると……


(……おや? おんやぁ~?)


うっかり目の色を変えると ふっかけられる。

ポーカーフェイスでブツの確認だけにとどめ、その場を あとにする。


(あとでショーンに買いに行かせよう……)


使い魔が少ない小遣いをはたいて買い物……ともなれば、そう ふっかけられは すまい。


取れるだけ 取ろうとするのがヒトのサガだが、あくまで 目の前の相手から 取れそうな分だけだ。



あ~た! そこの、あ~た!

いーい もうけ話があるんだけど……

聞きたい?

ねーえ、聞きたいわよねぇ~?


見ると、怪しげな男、もといダアマスキーが純朴そうな若者に絡んでる……


(アイツから何か買ったら、よくてパチモノ。最悪 盗品で、つるんでる悪徳 警官に点数稼ぎで逮捕されるからなぁ……)


いつか騙されて酷い目に会わないよう、教訓を与えてやってるのだ、などと(うそぶ)くらしいが、説得力はゼロだ。


世の中には頭脳 勝負と称し、妙なスポーツマン シップを振りかざすハッカーもいるらしいが、その何倍もタチが悪い。


(途中で騙されたことに気付いて騒ぎ立てたヤツが殺された、なんて話もあるが、アイツのバックには警察がいるからな……)


タツノコ諸島あたりだと 待遇が悪いわりにマシな警官が揃ってるらしいが、それでも沢山の人を抱えるかぎり不祥事は避けられない。

握り潰したり、発覚したらしたでマスコミに手を回して扱いを小さくさせると聞く。


(不祥事は上司や同期、コネ入社ならコネ相手の出世に響くからなぁ………)


不祥事を握り潰しまくった挙げ句、“やらかしても、かばってもらえる……” と腐敗が蔓延した地域では、今では こりて、マメに不祥事を公表していてるそうだ。


まぁ、その辺をご存知ない方々からは、

“また あそこか! 警察のレベルが低い!”

と、陰口を叩かれるらしいが……。


(なんにしても、こコッチの国じゃあ、警察はマフィアと変わらんな……)



「見つけたぞ! ダアマスキー!」


「何者なのよ!?」


《宇宙警備! サリバン!!!》


ビシィッ!


(決まった……)


「宇宙警備? サリバン? 聞かない名なのねん……」


「銀河警察は、あなたたち宇宙犯罪者と結託してるからね。私たち民間の出番と言うわけよ」


「この星は未開惑星よ? 銀河 連盟 憲章に批准どころか、銀河連盟のことも異星人の存在すら知らないの。ワカル? この星の原住生物にナニをしよ~と、建前さえ整えればお咎めナッシー!なのねん!」


「……それで、マフィアと詐欺師に催眠術を教えたの?」


「い~い手足になったわよ? ‘これは恵まれなかったアナタたちの社会への復讐なの!’とか、‘なんにも知らない温室育ちを教育したげなさい!’とか、言い訳 あげたら良心ストッパーも無効化♪ 業績アップ!」


「同族相手の泣き落とし本能をレクチャーしたのも……?」


「あら、分かっちゃた~? 分かっちゃったぁ~?

それも、そうよねぇ~……あれだけハデにやったらねぇえ~♪

それでも銀河警察は動かないの。分かる? あーたたちの出る幕じゃないのよ!

出てきんさい、へッピりどんぶりメカ!」



『オオォ……! カラクリ フドゥソォ~ンゥ!!!』


“お寺の境内 下った池より、カラクリ不動尊、参上!”


「この声! 初詣神社の?!」


“ホントは三つ子です♪”


“私がヒミコ☆”


“私はフミコ☆”


“アタシはサミコ☆”



「こうまでなったら、我輩も戦うしかないな……。出でよ、わが使い魔ショーン!」


聞き付けたオオカミ娘が、弾丸ライナーのごとく駆け寄ってくる。


「あのヘッピリなんとやらを足止めするぞ!」


アヲーン!



“……アチチ! だぁれ?! こざかしいのよねん!”


「フハッハッ! この魔導具は、魔石に溜め込んだ陽の気を、レンズと鏡で増幅して放てるのだ!」


(本来は、室内干し用なんだけどな~……)


科学が復活した現代でも、日光消毒は基本だ。

問題は限界を超えた出力で連続使用している今、中の魔石が、いつまで持つか……。


‘ピシッ……!’


「……よし! 逃げるぞ、ショーン!」


アヲーン!


“あっ!? 待ちなさい、ヒキョーよ!”



ズズゥン……!


“ちょっと!? 動きなさいよ、このメカってば! 情けないわよ、このくらいで?!”


“ありがとう、みんな! 今から、トドメよ!”


“宿星剣!(しゅくせいけん)”


ゴロゴロ……ピシャア~ン!


カラクリ フドウソンが両手剣を空にかざすと、空が雲って落雷。

雷が竜が如く剣に巻き付く。


“デストロイ・スラ~ッシュ!”



‘うまくいったわね、みんな☆’


“うん♪ これも叔母(おば)さ……”


“『お姉ちゃん』の的確な指揮のおかげだねッ!”


“レミコさんの、ネ……”


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