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浪漫 寝具 讃歌  作者: 尾生 礼人
7/10

しん

(今回は、サムライ……)



‘な、なんですか、あなた たち は!?’


‘イテキ! カクゴォ!’


‘待てぃ!’


‘キ…… キサマハ!? シチテン バットーサイ!’


‘七転八倒流の奥義、見てみるかい?’


‘オノレ、イテキノ イヌ! イマ ニ ミテオレ!’


‘大丈夫かい?’


‘ありがとうございます。この先の教会に向かっていたのですが、いきなり……’


‘では、そこまで送ろう’



‘私は歴史学者なんです。こちらの教会には昔の記録を見せてもらいに……’


‘カノジョハ、ワレワレノドウシ。コノクニノ クルッタ ゲンジョウヲ トモニ ウレエテイル……’


‘……狂った?’


‘コノクニ、カミノ クニ。タミハ、カミニ エラバレシ モノ。デモ、ホントハ チガウ……’


‘現在 この国は、神の国を僭称。神の名の元に周辺諸国への侵略を繰り返しています。

今でこそ 皆が同じ外見ですが、それは混血を繰り返した結果……。かつては亡国の民や流民の流れ着く最果ての地、民族のるつぼだったのです。

言語ですら、元をたどれば他民族からの借り物だと簡単に分かるのに……’


‘カミノクニ、ソノ ショウコト サレルノハ、『シンコクキ』……’


‘『神国紀』は史実を都合よく ねじ曲げて書かれたものです。とは言え、作られた本当の目的は悪いものではなく……’


‘ムカシ、コノクニ、タイコクト マワリノクニガ、オウヲ カッテニ キメタ。アタラシイ オウ タツタビ、フルイオウ コロサレ、 ソノヘイモ ソノタミモ タクサン コロサレタ……’


‘そうした状況に嫌気がさした諸部族 有志が力を合わせ、大国と周辺諸国の影響力を排し、『神国紀』を作って正史として広めた、と言うのが この国の本当の歴史です’


‘イマハ ショウコ ガタメ……。シンリャク デ アマイシルヲ スウモノ、ワレワレガ ジャマ’



凶信者が現れた!


先手を取った!

コマンド?


抜刀斎の攻撃!

スキル『峰打ち』


ドゴッ!


凶信者は気絶した!

敵をやっつけた!


‘キリがないな……’


‘ありがとうございます’


‘……そういや、大義が失われたら、神の血をひくとか言う王族はどうなるんだい?’


‘それは、私からはなんとも……

ただ、情報元は明かせませんが、王は侵略に反対だとか……’


‘分からないな。この国の王なんだろう? お飾りだとでも……’


‘ソコカラ サキ、ワタシガ ハナス’


‘!’


‘カッパーさん! ご無事でしたか!’


‘カッパー?’


‘ワタシタチ、アタマ ソッテル。カッパー ニテル’


‘しかし、その でっけぇ甲羅は……って、なんでぇ、リュックサックかい……’


‘フキョウノ タメ、テイジュウ セズ、ワタリアルク。リュックサック、トテモ ベンリ……

アト、イエガ ナイカラ、イドモ ナイ。セイカツヨウスイ、コマルカラ、イツモ カワベデ キャンプ’


‘……なるほど。たしかに、こりゃあ、カッパーだ’


‘カッパーさん、あの お方からは、なんと?’


‘……ドウニモ、キナクサイ。サイアク、オウガ アンサツ サレカネナイ、ト……’


‘おいおい…… やっぱり、お飾りかい?’


‘クヤシイガ、ソウダ。

シンリャク、カッタホウガ マケタホウノ トチモ ウミモ シゲンモ ヒトモ ウバウ……。

ソノリエキ、バクダイ。ワケマエ オイシイ。ショミンモ ムチュウ……’



‘行き先は、フェニックス&ドラゴン教会です’


‘あすこは、お膝元じゃないのか?’


‘……たしかに危険ですが、協力者はそこにいる、と’



《よくぞ、来た。国を憂う若人(わこうど)よ》


‘あ、あなたが、セイント ホーリー プリンス?

しかし、私は異国人……。あなた方にとっては、よそ者です。

むしろ、私がしてきたことによって、更なる火種を撒いているのかも……’


《……気にすることはない。私も元は異国人だ》


‘オイオイ…… ホントかよ?’


《私は、遠い異国の王だった。かつて この国の王位に口を出していた帝国は、その国にも口出しをしていた……。私は、周辺 諸部族と組んで抵抗したものの 敗北、兵と共に逃げてきたのだ》


‘ま、待ってください!

あなたはプリンス……。この国の王子だったと聞いていますが?!’


《……私は、この地域の諸部族を、当時の最新兵器、鋼の武具と騎馬軍団で蹴散らして統一し、改めて王となったのだ。そうして帝国に再戦を挑もうとした所、逆に対等な関係を認められ、和議を結んだ。

後に帝国が新興勢力に滅ぼされかけ、恩返しに出陣しかけた所、周辺国と手を組んだ裏切り者が豪族を(そそのか)し、私は暗殺され、歴史は歪曲された》


‘では、恨みはあれど、この国を救う筋合いはないのでは?’


《それはそれ……、これはこれ、だ》

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