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浪漫 寝具 讃歌  作者: 尾生 礼人
4/10

《魔法薬『ホルゥマリン』……。

これさえ混ぜれば、どんなマズイ食べ物でも美味しく感じられ、賞味期限も長くなる。

これは使わない手はない!と大半の食品会社が使い始めた。

……しかし、その毒性は人々の、そして次世代たる子供たちの体を、徐々に蝕んでいった……。》



“魔法省は、このたび 魔法薬『ホルゥマリン』の改良型である『ホルゥマリンⅡ』を承認。

『ホルゥマリン』は『ホルゥマリンⅡ』とは異なり、食品パッケージへの記載は不要とされており、大手食品会社と魔法省の癒着が疑われている。”


「ダメダメ! こんな記事のせたら、その大手食品会社が広告出さなくなるだろ!

魔法省だって、認可を出した派閥が何やってくるか……!」


「ハァ~……」


「……ハァー、じゃねえ!

おまえ、そんなだから本社から弾かれたんだぞ?

車に爆弾仕掛けられたら、どうすんだ? え!?」


(また、無駄に鼻がいいな、コイツ……。

だが、このネタは使える!

せいぜい、恩を売るのに使わせてもらおう……)



「ビィーッ!」

「ビィーッ!」

「ビィーッ!」


「あらわれたな、Bショクカー!」


チンピラが現れた!

コマンド?


'Offense_ Attack_'


'Coin_ as_ Arrow_'


コインの表裏に、光と陰の気が こもる。


「古印、矢の如し!」


指弾 発動。


光と陰のコントラストが、飛んでいく。


相反する二つの属性の相互作用で威力マシマシ、大爆発。



ある程度は快進撃だったものの、さすがに多勢に無勢……。追い詰められてしまった。


『ワッハッハ! 覚悟しろ、マスク・ド・ライダー!』


『……くっ!』


「諦めるのは早いわ、ライダー!」


『この声……。サリバン先生!?』


「その通り──!

とぅっ! 宇宙警備サリバン、参上!」


『先生、そのスーツは!?』



「ジャ~ン♪

これが お待ちかね、『フラット スーツ』よ!

あなたのフラットな体型に合わせて作ったから、体型 認証で他の女性には使えないわ☆」


「……よ~し、分かったわ! 戦争よ!」


「まぁまぁ……♪ 気にしない、気にしない☆」


(気にするわ!!)


「スーツは普段、微粒子の状態で腰のポーチに入ってて、アナタが特定のポーズをとると体に(マト)わりついて、スーツになるわ。

ポーチとは別に関節 各所にチャクラを模した電極を装着するのを忘れないでね?

特定の手順でポーズを とることで電流が流れて、いわゆる '変身' を するってワケ♪」


「待って!?

この年で変身ポーズとか、かなり恥ずかしいんだけど?!」


「必要もない場で変身しちゃったら、マズイでしょ?」


「……うぅ。」



『……き、貴様!? バイクに仕掛けた爆弾で死んだのでは?!』


「地獄から舞い戻ってきたのよ!」


『バカな! 地獄を統括するサタンは、あの お方の(メイ)さえ 拒むのに!』


「チッ、チッ、チッ……。

'地獄のサタンも カネ次第' よ」


(……本当は保険の営業に頼みこんで、緊急時は先生の所に運び込んでもらえるよう、特約つけといたから なんだけど……)



「やれやれ……。絶対安静と言ったはずだよ、サリバンくん」


『そのチェス盤 模様の白衣と軍服は、まさか……!』


「そう! その まさかよ! 誰が呼んだか、裏 孔雀……。毒 喰らう、破邪の化身!

ウラッ・ク・ジャックとは、アタシのことよ!」


「そして、またの名を黒雨(くろさめ) 白龍(パイロン)! 人はアタシをブラック シャークと呼ぶ! アタシも、その呼び名が……気に入ってるッ☆

出でよ、クシャーク・ランタン! クジャーク・フロスト!」


試験管から飛び出したスライムたちが、(サメ) (フウ)に目口鼻が くり()かれた 白蕪(シロカブ)ランタンと(サメ)の雪像に変身する。



「悪い話じゃねぇだろ?

今ンとこ、このタツノコ諸島にゃ、メアリー帝国の支援縁(シェンエン)みたいな情報屋が いねぇ。

99%が広告主の犬で、カネを積まれりゃ、世論を間違った方へ誘導、改革潰しでも何でもアリだ……。

特ダネ 手に入れても、強請(ユスリ)に使って公表しねぇのも日常(ニチジョウ) 茶飯事(サハンジ)

大手の首席なぞ、政界 進出のコネ作りにと、既得 権益に敵対する改革派の政治家やら役人やらを一斉 偏向 報道で辞職に追い込む始末だ……。」


「……出資者は?」


そう──。

何をするにも、カネが いる。

100万人の講読者が、一月 一万銭 払う覚悟が あるなら続けられるが、三千銭の新聞代すらケチって洗剤やチケットを たかるのが現状だ……。

意外な話、新聞は講読費ではなく、広告で持っている。必然、新聞社が気にするのは、市民に必要な情報を供給することではなく、広告主の顔色を伺うことだ。

アーマード・コア3風↓


世界規模での大戦から数十年――


腐敗した体制の手により中央から追放されていた人々が帰還し、国家を立て直したのも つかの間、国民の大半は政官財と癒着、国庫や企業から不当な利益を引き出すことで贅沢に暮らしていた。


長い時の中で様々な不正が行われ、そのたびに訴えが起こされたが、権益により繋がる政官財民を前に打ち勝つことは許されなかった。


被害届の不受理、訴えの棄却などが あまりにも当たり前に行われ、犯罪 自体が無かったこと に され、世界一 安全と された体制……。


その欺瞞を見抜く唯一の例外は、高額の定期 購読 契約によって確かな情報を提供する、フリージャーナリストたちであった。


被害者を見殺しにする社会──

だが そのメッキは、徐々に はがれ始めていた……。

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